見出し画像

念願のレコードプレーヤー作成に向けて第一歩

なんでも作りたい私は、できれば音響システム全体を自作したいと思っていた。

真空管アンプは、300Bからミニワッター、そして、とうとう低電圧真空管アンプまで手を伸ばした。
プリアンプもNFB型のフォノイコライザーを含めて幾つか作った。
スピーカーは、フォステクスのFE83NVからFE206NVまで全種類使って、無垢材、合板でバックロードフォーンやバスレフ、共鳴管など色々作った。
木工をやっているので、ステレオラックも自家製である。あぁ、そういえば住んでいるログハウスも、ハーフセルフビルドで、自身で床、天井を貼っているので、スピーカーから反射して耳に音が入るまでの室内環境もある意味自作と言ってもいいだろう。

とすると、あと残っているのは、レコードプレーヤーである。

これができれば、信号を読み取ってから耳に音が届くまで全部自作したことになる。(流石に、銅線を撚ってケーブルや電線を作るまではしていないけれど、、、)

もちろん、餅は餅屋で、それぞれの分野ごとにプロフェッショナルな技術が必要で、それ一つの専門分野で仕事が成り立つぐらい奥が深いことで、素人の私が幾らやっても到底市販品の品質には追いつくわけはないのはわかっている。

でも、ゼロから原理を学んで、自分で納得しながら作った自作システムを繋ぎ合わせて、音楽を聴くことができるなんて夢のまた夢のようなことである。

今まで何度となくネットで、レコードプレーヤーを自作するというジャンルの情報を調べてみたが、参考文献が少ない。

それでも、ここ数年、少しずつ基本を学んで、頭の中でどうしたら良いかという事を思い描いてきた結果、漸く写真のようにターンテーブルを回すという実験まで進んだ。

レコードプレーヤーの主な機能は、大きく分けて二つであろう。一つは、正確にモーターを回して、33.3回転でターンテーブルを回すこと。そして、もう一つは、回っているレコード盤の上で走っている針から信号を読み取って増幅回路へ信号を運ぶこと。

言葉では簡単だが、どうやらこれがとっても大変難しい技術のようである。

モーターには、大きく分けてACと、DCモーターがあるようだが、色々調べてゆくと、DCモーターの方が、速度の調節がしやすいようである。PWM方式というパルスを調整することでモーターの回転を調整する方法のようだ。
このPWM方式のコントローラーは、出来合いのものが市場に出回っているのでこれを入手して、スイッチング電源で12Vをこのコントローラーに繋いで、DCモーターで回転を制御する。

ジャンク物のレコードプレーヤーをリサイクルショップで500円で買ってきて、分解しモーターとターンテーブル、そしてスピンドルを取り出して板に取り付けた。

分解したモーター部と、スピンドル部を板に取り付けた

ゴムベルトは、既に溶けてなくなっていたので、とりあえず凧糸でプーリー同士を繋いでみた。

さて、ターンテーブルをセットして電源を入れてみると、回る事は確認できた。回転数の調整は、ネットからストロボ盤をダウンロードして印刷、ストロボスコープは、なつめ球で簡単に自作して、観測した。
結果として、このPWM方式でのDCモーターの制御は、概ね思ったようにできたが、やはり、プロが目指す33.3回転ぴったりを維持するという事は、至難の業のようである。

とりあえず、レコードプレーヤーを作るための、第一段階の実験は、成功したとしよう。
さて次は、信号の読み取りのためのトーンアームをどうやって作るのだろうか?と考えているだけでワクワクする。