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チョークコイル無しでもできるか?

直熱三極管の代表といえば、300B、そして、その次に2A3が続くとよく言われている。
その2A3の兄弟のような真空管、6B4Gは、2A3のUX4PのソケットをUSオクタルに変更したもの。

偶然、格安で手に入れた6B4Gを使って、お小遣いの範囲で格安に三極管無帰還シングルアンプを作ることはできないだろうかというアイデアがムクムクと湧き上がってきた。

今までに、キットやお薦め回路図に従った300B、2A3は作った事がある。それらの回路では、余裕のある電源トランスや、実績のあるアウトプットトランス、チョーク、そして高価なパーツを使った例がほとんどである。
キットだと今では、20万円を下らないのではないか?自前で調達した自作アンプでも、10万円以内では難しくなってきているように思う。

先日自前の回路で作成したMT管、6FQ7のシングルアンプでは、電源トランスとヒータートランスを分離して格安に仕上げた。(以前の投稿を見ると総額で14,000円前後だった。)また、今まで作ったミニワッターでは、チョークコイルの代わりに、発熱はするが抵抗でパイ型フィルターを作ってきた。

同じように、2A3(6B4G)級でも、格安電源と、チョークコイル無しで作成する事ができないだろうか?というチャレンジをしてみたいと考えた。

諸先輩方の作成例でそのような作例は見た事がないという事は、何か問題があるのだろうと察する。その問題とはなんなのだろうと、自身で体感してみたく、ブレッドボード上で試してみようと考えている。

もし、上手くいって、音質的にも問題がないものができたらラッキーだし、上手くいかない場合は、また一つ勉強になるだろう。音質的に問題がないと言ってはみたものの、所詮、私のダメ耳で聴いてのことなので、かなりラッキーを手に入れる確率が高いのでは???と期待は大。

まず電源に関しては、よくある作例記事を読むと、290Vとかなり高く、それを整流して使う場合、整流管の内部抵抗が高い物を使い、できるだけ電源電圧を上げないような工夫があったり、ダイオードでの整流の場合は、チョークを入れる前に、大きなWに耐えられる抵抗で電圧を下げたりしないといけない。
どうやら、2A3では、B電源が250Vあたりのトランスがあると便利で、290Vでは少し高過ぎるのではないだろうか?

そこで、私が考えているのは、単電源で100Vを240Vにしてくれる格安トランス(150mA)を使いB電源とし、ヒータートランスは独立して用意する案を考えてみた。

もちろん、6B4Gは、6.3V(1A)のヒーターなので、直流点火ができるサイズのヒータートランスを別途用意する。

そして、B電源は240Vから整流して、チョークコイルではなく抵抗を使いパイ型フィルターを構成し、Epが低めで、最大プレート損失より低めになるけど、何とか6B4Gを鳴らす事ができる構成ができないだろうかと考えている。

いくつかの記事を読むと、決して最大プレート損失ギリギリのパワーでなくとも、十分使用に耐えるようである。
そして、低い電圧で動かせば、真空管への負荷も減って長期間安定稼働させる事ができそうである。

最近思うのは、私の場合、作成する真空管アンプが必ずしも出力が最大定格付近になる必要はないのではという事。自宅の限られたスペースで、プリアンプを経由してパワーアンプを使う場合、1W前後でも十分な音量と迫力が得られると考えている。

もし、この実験が上手くいくと、電源系のトランスでは、2/3程度まで費用を抑え、また、チョークコイルの費用も抑える事ができる。アウトプットトランスも、東栄変成器のOPT-11Sを使えば、かなりのコスト削減になりそうである。

さて、このような格安構成でどのような結果になるのか試してみるのが楽しみである。

しかしながら、ブレッドボードから、正式なシャーシケースで組み立てる場合、いずれの格安トランスも電極が剥き出し状態なので、感電の危険があり裸のままシャーシの外に配置することはできない。
なので、木工を駆使してアンプボックスを作り直接電極を触る事がないような配慮も必要になってくるだろう。

そのようなわけで、これからまたしばらくワクワクが止まらない日々を過ごすことになりそうである。