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ダルメインのとなり

これは、いい音オヤジの永遠の夢である。

NHKの教育テレビで、先日までイギリスで一番美しい庭 ダルメインという番組を放送していた。

若い頃から、イギリスというか、UKに憧れ、何度となく訪れたり、幸いにもサラリーマン時代駐在員としてロンドンに住んでいた経験から、こよなくこの国を愛する一人として、いつか、湖水地方の傍にあるこのダルメインというとても美しく、心豊かに生活ができる環境のようなところに暮らしたいと思っている。

UKは、イングランド、スコットランド、ウェールズのグレートブリテンと、そして、北アイルランドという、四つの王国の連合国で成り立ち、それぞれ歴史を持っている。ついひとくくりにイギリスって言ってしまうけど、それぞれが沢山の歴史と文化を今も大事にして、人々は暮らしている。

特にダルメインに限定する事なく、都心(特にロンドン)を離れ、一歩田舎に足を踏み入れれば、のどかな風景が何百年の歴史の中で温存されているところがたくさんある。

数百年という歴史の間、変わらぬ風景があり、人の数よりも多い羊たちは、相変わらずのんびりと草を食んでいる。

なんでいい音オヤジは、こんなにイギリスの事が好きなのだろうか?と考えてみる。
幾つもの魅力があるのだが、そのうちの一つは、色である。

土色!
ダルメインの屋敷を見てもわかるように、石造りの建物が多い。地震を考えなくて良いせいもあるのだろうが、何百年もの間、石で作った構造物がそのまま建っているのである。街の中心に必ずある教会や市庁舎などの建造物遠始め、住民が住んでいる建物、商業施設、そして、農家の納屋まで、皆その地方で取れる石を利用して建物を構成している。つまり、街全体がアースカラーなのである。まず、これで人の心が癒される。というか、都会、特に東京のような原色が溢れる看板広告と無機質なコンクリートの構造物の都会の中にいると感じる、ハイテンション(気が抜けない緊張や、意味不明な不安)から解放される。

人々は、これらの古いものを生活の一部として大事にして、そして、普通の生活に取り込んでいる。それだけで、心が豊かになるように思うのは、私だけだろうか?

緑と空色!
実は、イギリスは戦争や産業革命などで、森林を伐採して自然環境を破壊して来た国でもある。日本に比べたら極度に森林は少ないのだろう。そういう事実はあったとしても、田舎を車でドライブすると、広大な緑の牧草地帯に人の数よりも羊の数が多い丘陵地帯が永遠に続く。
高い山が少なく丘陵地の向こうに地平線が見え、空の割合が多いので、天気の良い日は、夕陽が綺麗な印象がある。
都市から都市の間には、日本のような建築物が少なく、なんとも長閑な風景の中をクラシック音楽をかけながら100キロのスピードでモーターウェイを走っていると、一時間後には、ちゃんと100キロ先にいる自分に気がつく。ロンドンから、湖水地方へ行くのも苦にならないドライブである。

イギリスの良さには、私たち日本人にとって馴染みやすい特質があるように感じる。私が今まで接してきたイギリスの人たちは、皆、親切で、優しかった。他のヨーロッパもいいところがたくさんあるのだけれど、なんといっても、英語が通じる点が助かる。
そして、古いものを大事に使い続けるという性格も、私好みである。

イギリスの事を語り出すと、キリがないのだけれど、とにかく、こんなサラリーマン現役を引退し、日本の田舎の方に引っ込んだオヤジでも、何かのきっかけでチャンスがあれば、イギリスで生活をしたいという夢を持ち続けている。

人生が続く限り、好きな夢を追いかける事ができると考えると、益々、これから歳をとる事が楽しくなってくるように思うのである。