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ADHDパートナーのオススメ本3冊

今は幸せ(といえるでしょう!)な生活を送っている私達ですが、実はADHD診断前、非常に辛い思いをしていた時期があります。

何故私の気持ちを分かってくれないんだろう?

何故こんな酷いことを言うんだろう?

私のこと好きじゃないんじゃないかな?

私ばっかり苦労してる。

ネットで情報を探しても、「貴方のことは大切じゃないんですよ」とか「別れたほうがいい」という意見ばかりで、前向きな情報はずっと見つかりませんでした。

しかし今回紹介する本と出会ったとき、目の前がぱあっと開けた気がしました。手にとった瞬間思わず「こういうことだったのか!!!」と叫んでしまったほど。その中からいくつか厳選して紹介します。

「あなたのツレはADHDなんです」メリッサ・オーロフ
オススメ度★★★★
カテゴリ:ADHD

精神疾患先進国のアメリカのADHD専門家の本です。
ソーシャルワーカーの著者なので医学的な知識というよりも、ケースごとへの対処法や、症状改善のワークが網羅的に書かれています。

例えば、ADHDの人とパートナーの関係の悪化には「症状ー反応ー反応」の悪循環を断つことが必要といいます。

結婚後、もしくは同棲などADHDの人と関係を深くした後、ADHDの人の態度が変わったと感じる場合。前はもっと自分に時間や労力を使ってくれていたのに。今はもう自分のことを愛していないんじゃないかとパートナーは感じています。

そのケースの場合、現在は散漫性によって自分や他の趣味、生活に同じだけの意識を割いているだけに過ぎないということが書かれています。そして問題は、自分が「嫌い」というネガティブな感情を原因だとパートナーが考えてしまっていることだといいます。そしてADHDの人はパートナーが不安に思っていることに気付かず、行動を繰り返してしまう。その悪循環を「症状ー反応ー反応」といい、打開するためには話し合いと歩み寄りが必要だといいます。

今苦しんでいるADHDのパートナーの人には是非読んで頂きたい本です。具体的なケースと対処法が書いてあるため腑に落ちやすいと思います。
また、パートナーとの関係に悩んでいてネットの恋愛コラムを漁っている人にもオススメしたいです。もしかしたらパートナーはADHDかもしれません。

「発達障害の私が夫と普通に暮らすために書いているノート」ななしのうい
オススメ度★★★★★
カテゴリ:ADHD、ASD

私はこの本で発達障害の存在を知りました。
タイトルの通り、発達障害と診断された著者が、定型である夫と暮らすために書いているノートです。(手書きでかわいいです)

大きな特徴として、著者の特性やエピソードについて、著者視点に加えパートナーである夫が当時どう捉えていたかが記載されていることが挙げられると思います。
著者の考えと夫の考えのすり合わせによって、発達障害の悪い面を乗り越える様子が描かれるこの本は、私にとって救いでありロールモデルであると思っています。

その他、診断テストであるWAIS3やMSPAのこと、病院でのやり取りなども詳しく記載されているので、入門書としても手に取りやすいと思います。

「マンガでわかるアスペルガー症候群&カサンドラ愛情剥奪症候群」西城 サラヨ
オススメ度★★★
カテゴリASD

この本については、結末からまずお伝えしたいです。
(ネタバレになるので嫌な方は見ないでください!)








この本は、アスペルガーの男性とそのパートナーである著者の体験記なのですが、最終的にお二人は離婚という道を選択します。

本の中で、著者は子育てや家事、その他生活の全般を担いますが、アスペルガーである夫の協力が得られないどころか、その言動に傷ついていく様子が描かれます。そしてついに、うつを発症し、生活できないレベルまでになってしまいます。

この本を読んで学んだことは、ADHD含め発達障害のパートナーと長く付き合うためには覚悟が必要であるということだと思います。発達障害の特性に向き合い、互いに協力しなければ、この本の著者のように精神に異常をきたし「カサンドラ症候群」になってしまう。そうしてまでパートナーと付き合いたいか含め、自分で考え、努力する覚悟を決めないといけないと思います。

以上、パートナーがおすすめする本3選でした。


文・絵:くろみ