映画「スキャンダル」(2020.3.16)


テーマ:性的侮辱は、経験しないとわからない…だろうか?

映画「スキャンダル」を見ました。

▼映画:スキャンダル
#MeToo運動よりもっと前にあった 、実在の事件を基に作られた映画。一部創作あり。
有名女性ニュースキャスターが自ら受けたセクハラ被害を告発。
告発されたのは局の最大権力者、ロジャー。
シャーリーズ・セロンが実在の大物キャスター、メーガン・ケリーを演じるにあたり、顔がまったく変わっててビビる。
カズ・ヒロが2度目のアカデミー賞(メイクアップ&ヘアスタイリング賞)を受賞!
↓公式サイト↓
https://gaga.ne.jp/scandal/


原題は、BOMBSHELL。「爆弾、(不快な)驚かすようなこと、かわいこちゃん」という意味があるそうで、まさにピッタリ。(カジュアルに訳すと「炎上」みたいなことなんでしょうかね)
この中で、女性たちが受けた被害は「セクハラ」などという軽い語感から想像されるようなことではない。
「性的侮辱」であると私は思う。

映画としては、男性脚本家・男性監督であるとか関係なく、真摯に撮られていると思います。
ですが、制作陣には本当に申し訳ないのだが、私の感想としては「やっぱり、体験しないと本当の辛さはわからないだろうな」ということを再認識した、というものでした。。。

例えばね、「逆らえない」っていうことがどういうことか、(特に日本の)男性には分からないと思うんだよね。。。
強制性交罪(レイプ)の「抗拒不能」に異様な高い基準を求めるこの国。(しかし、こないだ名古屋高裁で実父による娘への性的虐待で画期的な判決を出しました!)

特に、被害者(女性)側にも「下心・野心がある」場合。
「この男に気に入られたら出世できる」と思って、部屋に行ってしまった場合。
でも、だからと言って「お前の内心・動機が不純だから、何されても仕方ない」って言えるのか。

女性の中でも「私は出世のためならセックスだって差し出すわ、へっちゃら」っていう考えの人もいるだろうし。それはそれでいいと思う(そういうことで女性をえこひいきする権力者のことは軽蔑するが。あと、そういう男女がのさばる組織は長続きしない)。

でもそういう人がいる一方で、当然、「気に入られたいとは思っていたけど、まさか、そこまでのことをさせられるとは思っていなかった」という人がいるわけで。。。
そこが一枚岩になれない難しさだと思う。

例えば、マーゴット・ロビー演じる新人女性が、権力者:ロジャーの部屋に行き、「脚を見せろ」と言われるシーンがある。
マーゴットは、ロジャーが脚好きなことを見越して、超ミニのドレスを着て行っている。それは自分の選択だ。実際、彼女は脚がきれいで自信があるのだ。
でも、ロジャーはもっとスカートの裾をめくり上げろと言う。マーゴット自身の手で。
最終的に、マーゴットはパンツが見えるくらいまで裾を上げさせられた。
もちろん、部屋に鍵はかかっておらず、マーゴットは手足を拘束されていたわけじゃない。
だから、部屋を出ていくこともできるのだ。物理的には。
でもあの状況で、怒って部屋を出て行ったら、そこでキャリアが終わる。
マーゴットも「こんな状況で被害を訴えても『それはお前が悪い』と言われるだけだ」ということは十分わかっている。部屋に1人で行った時点で、もう勝負はついているのだ。
そして最終的には望んでいないのに、自らスカートを手でめくる。後で泣くほど後悔するのに。

この類似の状況に置かれたことがない限り、このマーゴットの心境が理解できるとは、私には思えない。
なんなら、女性の私すら、心底わかるとは言えないからだ。

ただ、これだけは私もわかるのだが、
女性は自分でOKしたぶんまでしか性的な魅力を出したくない。
そして、それは尊重されるべきだと思う。
自分がOKと思うスカートの短さ。
自分がOKと思うスリットの深さ。

「薄着だったから暴行されても仕方ない」とかいうのは、本当はぜったい間違っているはずなのだ。
例え薄着が事実だったとしてもレイプした奴が100%悪い。女性は遠くから眺められて「ヒュ~」と言われる、くらいまでしかOKしていない。
薄着だったらレイプされてOKなんて、そんな前提は誰も共有していない。

でも、性的被害に遭うと、被害者の方がまずそのことを考えるのだ。
「私のどこに落ち度があったのだろうか?」と。

若い女性は日々「若い女性」であるだけで、こんなような危機と常に隣りあわせだ。

20代の頃、私は男性の前ではずっと「餌」みたいな気分だった。

大して美人でもなく、スレンダーでもなく、特に女性らしさを売りにもしておらず、態度がでかい上、意思がはっきりしていて、メンタル強めという私ですら。


私はバストが日本女性の平均より大きい(遺伝です)。
だからずっと餌だなあと思ってた。男性の話のネタだ。仕事だろうがプライベートだろうが、二言目には、仲良くなったと思ったら胸の話をする男性が山ほどいた。
(37歳になった現在は、日本で市場価値がなくなったので全くそういう視線は感じない。巨乳にも年齢制限がある・・・)


上映されていたシアターには男性もいたが、男性が見て何を思ったんだろう。
男性であっても、体育会系の部活などで、イジメのような形で「性的侮辱」を受けることはあるのかもしれない。
それも、ぜったいよくない。
とりあえず脱げ、みたいなハダカを面白いと思う文化はダチョウ倶楽部で終わりにしてほしい
(私は、裸芸をまったく面白いと思わない。鍛えた肉体を見せることで成立するショウダンサーとかなら話は別だが)。

わからないのに、わかるんだろうか?
わからない中で、私は何を受け取ればよかったんだろうか?

この映画、悲しい程、女性たちが全員美しいのである。
そしてTV業界の話だからファッションも可愛い。メイクもアクセサリーも、めっちゃ可愛い。
私はひたすら「被害に遭って泣いていても、この人きれいで、可愛いなあ」と思ってしまった・・・。

見た目。若さ。
性的屈辱。
野心。下心。
立場。権力。
老人。

いちいち書かないけど、これまでいろんな性的に嫌な目に遭った。そんなことは女性なら(世界中)みんな経験しているものだろう。

でも私は決めている。

・いやなことは嫌だと言う。
・角が立たない程度と言わず必要があれば角も立ててよし(向こうが立ててきたんだからね)。
・私の内心・動機がどうであれ、私の意思に反したことをしたら、生きているのが嫌になるくらいの目に遭わせる。
・出世のために性的魅力を必要以上には供しない。供するときはリスクを考える。
・いつでも戦う。いらないものは捨てる。

そういう気構えでいる。

自分に市場価値なくなってからこんな気構えを持っても意味ないかもしれないけど(市場価値がなくなったから、持てるのかもしれないんだけど)。
なお、この考え方は、私の大切な人にも適用されます。
私は、私の大切な人に性的侮辱をしたやつは、ぜったいに許さない


でも、映画の制作陣の意図には沿えなかったので、
そこはほんと申し訳ないなあ、と思っている。。。
ほんと、どう受け止めたらよかったんだろ、あの映画。

映画自体はとてもいいし
カットがドキュメンタリー風で面白いので、
ぜひご覧ください!!

ちなみに・・・
「映画館」は唾飛ばしてしゃべらないからいいだろうと
判断して行ったが(自己判断で自己責任です)、
入り口に「休校中の学生はご遠慮ください」とあって
心が痛んだ。。。学生は休校中に映画も見に行けず何してるんだろう。勉強?? いや勉強はちょっとはした方がいいけど、ずっと家にいたら気が変になるよ。親が。
みんな、【感染した時の責任逃れ】に必死だなあ。
事ここに至ってしまっては、もう今感染したところで、誰も悪くないよ。。。だって全人類が未知のウイルスなんだし。。。(日本のクルーズ船対応は、一部人災だと思うけど)。
正直、私個人は、COVID-19より「ノロウイルス」の方がよほど怖い!!
症状が激しいし、あれもワクチンとかないんですよね? 
てか、生きてる人間の方がこわい。
なので、もう新型ウイルスについてはnoteでは言及しないようにします。
マンガでも。疲れたし、他人をこういうことで疲れさせたくない。
正確な根拠ある情報を取り入れて、自分の生活に関係ないものは関係ないので気にしません。モノは必要な分だけ買います。

これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m