2022.3.7 酒ミュージアムに行ってみた
先日、西宮市にある 明治の酒蔵 酒ミュージアム(白鹿記念酒造博物館)に行ってみました・・・!
白鹿を作っているのは辰馬本家酒造という会社です。
「白鹿(はくしか)」は、日本酒(清酒)のブランド名です。「獺祭(だっさい)」とか「松竹梅♪」とか「白鶴~まる!」とか「黄桜~!ドン!」とかみたいな・・・。
日本酒を飲む人も飲まない人も、とても面白い場所だったので、ぜひご覧ください! 私が行った時期はアニメ(この素晴らしい世界に祝福を!)とコラボしてたけど、私はそのアニメを全く知らなかったのでスルーしました、、、すまん。
▼灘五郷の1つ、「西宮郷」
兵庫に越してきて、大好きだった村上春樹に縁があるのもびっくりしたが、それと同じくらい嬉しかったのが「酒どころ」であるということ!!!
兵庫には「灘五郷」といわれる、昔から日本酒づくりで有名な5つの町があるそうです。灘(なだ)は有名ですねー。
「湧き水」(いわゆる六甲のおいしい水。宮水と言います)が酒づくりに適していること、そして酒米「山田錦」の栽培に適していること、そして「六甲おろし」(冷た~~~~い空っ風)が、酒づくりに適していること(寒くて乾燥していることが重要)などなどなど・・・
もはやここで酒をつくらずして何を作るのか!!!!!!!
というくらい、日本酒づくりに適した土地なのです。
・・・という知識は全て兵庫に越してから身に着けました(笑)
人間、好きなものについては、勉強しよう!と思わなくても自然に調べて頭に入ってくるもんですね(実感)。今では鼻息荒く他県の酒飲みに講釈を垂れられるようになりました(迷惑)。
▼酒づくりはめちゃくちゃ大変
写真の門をくぐると、蔵があり、それがそのまま博物館(ミュージアム)になっています。
むかしの酒づくりで使われていた道具が保管されており、貴重な文化財として保管されています。実際に、こうやって作っていたんだということがわかります。というか酒づくりに必要な道具ってめちゃめちゃいっぱいある!!! 大小さまざまないれもの、便利グッズ、果ては桶や道具を作るためのカンナや小刀などの大工道具まで。
昔の人はすごい・・・。現場でカイゼンにカイゼンを重ねて作っていったんだろうなあ。
お酒は11月から100日ほどかけて作っていました。てことは、1年分の酒をその3か月くらいで全部仕込むということ。
ものすごい量の米、ものすごい量の水、ものすごい量の酒。
夢♡
ところが、この蔵(というか酒をつくる場所は)屋根はあるものの吹きっ晒しで床は石、とにかく冬寒い! 暖房もない!
お酒を造る人はみんなこの、さむ~~~い蔵の中で徹夜で作業をしていた(酒づくりは夜中に作業がある)のかと思うと、もう、ありがたすぎる。
米を蒸して、その蒸米の一部に麹菌(日本にだけいるカビ。醤油とか味噌とかも作ってくれる。カビだけど素晴らしい子。ありがとう)をつけ、そのお酒のもとになるものと、米と水を混ぜ、発酵させて、絞る・・・・・・・書くと簡単だけど全て手作業。ものすごい量、ものすごい重さ。冬の夜の寒さ。エアコンも電気ヒーターもない中の重労働。
あまりにつらい作業を楽しくするため、いろんな「歌」をたくさん歌って作業していたそうです。それもミュージアムで聞けます。
舟歌(櫓をこぐ時に歌う)みたいな、田植え歌みたいな、ああいうやつ。みんなで歌って景気づけ、リズムをとって働いていたのかな。
今は温度計とかもあるけど、昔は杜氏(職人で一番偉い)がカンですべてを決定。自然(発酵)との戦い、手で触った感覚とかカンや経験で美味しいお酒のために頑張ってくれていたそうです。
100日の間だけ人出が必要になるので、ほとんど出稼ぎの職人さん(季節労働)でまかなっていました。超つらい肉体労働、徹夜作業もあって寝られない大変な仕事だったそうですが、丹波に生まれた長男はみんな小僧だった頃から行かなきゃいけなかったらしい・・・むしろ誇りに思って働いていたそうです。今だったら児童労働のブラック会社ってことになりますが・・・江戸時代とかの話ですので・・・。
作ったお酒は樽につめて、大阪から江戸に船で送っていたそうです。
ありがとう!!!!! 酒造りの伝統!
でも、なんていうか、屈強な男たちがフンドシ姿で清酒を仕込んでたのかあ・・・と思うとちょっと面白い(笑)
フランスのワインは、ふわふわのスカートをはいた若い娘さんたちが、たのしく歌いながらブドウを踏んで作ってた(※妄想)のかなと思うと、えらい違いだ・・・。
▼記念館と郷土の偉人!
さて、吹きっさらしの蔵ミュージアムを出て、ちょっとあったまりたい。通りの向かいにある、黒レンガの記念館に行ってみました。
ちなみに酒ミュージアムの入館料は大人1名500円で、そのチケットでミュージアム(蔵)と記念館両方行けます。
お酒づくりの歴史がわかる展示物とともに、寄贈を受けた貴重な「郷土の資料」や「美術品」が飾られています。
よくわかりませんでしたが、おそらく、地元の名家である辰馬家が集めた美術コレクションだと思う。
私が行った時は、「節句人形」が展示されていました。お雛様、五月人形。
お金ってこう使うもんだよねー!
という、とても趣味のいいコレクションでした。ありがとう。
また、桜研究の重鎮(郷土の偉人)「笹部新太郎」という方の研究資料などの寄託を受けているそうで、手紙などが飾られていました。
この笹部氏という方を私は全く知らなかったのですが、「桜博士」として有名な方だそうです。
大地主の家に生まれた新太郎氏は、戦前に東京帝大まで出たのに政治家への志を捨て、私財をなげうって、日本の桜の品種の研究と維持・保全に生涯を懸けたそうです。その生涯は『桜守』という小説(水上勉!)にまでなったとか。
アツい。
アツい!!!
全てがアツすぎる人生。
酒も面白かったけど、郷土にこんな(アツい)偉人がいたなんて。
機会があったら酒好き歴史好きの友達を連れてまた行きたい。
おみやげに、ささやかなゼータク、「黒松白鹿」の小さな瓶を買って帰りました。う、うまい・・・! しっかり味があって、でも後味すっきり。
写真を撮る前に呑みきってしまった・・・すまん・・・。
▼余談:白鹿を私は小学生の頃から知っていた。
少女マンガの巨匠・一条ゆかり先生の「有閑倶楽部」!!!! 私が子どもの頃は「りぼん」に掲載されてました。私はこのマンガが大人になっても大好きで、「ベルばら」と並ぶ、私の永遠のバイブルです。
有閑倶楽部とは、超セレブ学校で退屈した6人の生徒(実は生徒会でもある)たちが作った部活。ヒマにまかせて、学校の問題を解決したり、豪華クルーズで行った先で殺人事件に巻き込まれたり、時には世界の巨悪と対峙したり(笑) という学園コメディ。全員大金持ちで、有力者のお坊ちゃんお嬢ちゃんたちなので、毎回(日本の高校生とは思えぬ)ド派手なファッションや豪邸が描かれててそれも楽しみでした(笑) バブリーな時代だったからなー。まだ続いてるのかな。
このマンガではキャラの名字はみんなお酒のブランドなのですが、その中で私が当時一番好きだったキャラクターの名前が「白鹿野梨子 はくしか・のりこ」。成績優秀、お茶とお花と日本舞踊が趣味、男を一切寄せ付けない生粋のお嬢様、超クールで皮肉屋でツンデレ、でも実は友達思い。
そんな白鹿野梨子が大好きだった私が、兵庫に来て「白鹿」の看板を見た時、どれほど震えたか、おわかりいただけるであろうか・・・。
私も立派なオタク・酒飲みに成長しました(笑)
▼灘五郷酒造組合
https://www.nadagogo.ne.jp/
▼酒ミュージアム
https://sake-museum.jp/about/
▼笹部新太郎氏のウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%B9%E9%83%A8%E6%96%B0%E5%A4%AA%E9%83%8E
▼一条ゆかり「有閑倶楽部」(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%89%E9%96%91%E5%80%B6%E6%A5%BD%E9%83%A8/dp/B074CHXXST
これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m