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【建築後記】寒がり夫婦の選んだ断熱法

出身が沖縄なわけでもなく、住んでいるのが北海道なわけでもありませんが我が夫婦はふたりとも寒さにはめっぽう弱く、”暖かい家”は家を建てる際の最優先事項でした。

賃貸時代は1階に住んでいたこともあり冬は足元から冷え、少しでも暖房効率を上げようと家中の窓にプチプチを貼り巡らすも、電気代は20,000円越え(オール電化ではありません)。

次女が生まれたころから本格的に考え始めた住宅購入。
二人でぼんやりとどんな家に住みたいかを情報収集していたときに、見つけたのが最終的に家を建てた工務店でした。
当初は建売と注文住宅の違いもあんまりよくわかってなかったにもかかわらず、“暖かい家”というキラーワードに魅了され、この工務店の情報を収集。
調べていくうちに、他のハウスメーカーと比べると若干割高なのお値段相場の工務店…ではあるものの、長く住む家では多少イニシャルコストは高くともランニングコストを抑える方が長い目で見た時に割安になる、という工務店の言葉に妙に納得させられたのを覚えています。

前置きが長くなりましたが、ここからは“暖かい家”を建てるために勉強したことをご紹介していきます。
専門家ではないので、間違ってたり情報が不足していることもあるかもしれませんが、我が家を建てるにあたってこの工務店に決めたポイントです。

①外断熱

家は壁と外壁の間に断熱材というものを敷いているというくらいは知ってました。でも、断熱の方法にも種類があってそれぞれにメリットデメリットがあるなんて調べるまでは全く知りませんでした。我が家の工務店が標準採用しているのが外断熱という工法。これは外壁のすぐ内側に断熱材を敷き、柱や梁も含めた建物全体を外側からすっぽり包み込む断熱方法。この工法だと木材を腐らせる原因となる内部結露などでの湿気を防止し、木材の乾燥状態を保つことが出来るため長い年月強度を維持できるそうです。家全体を覆う断熱法ということで吹き抜けなどオープンな間取りでも家全体が暖かいようで、各部屋の温度差がないことで窓のカビの元となる窓の結露がなくなるというのはかなり我が家にとってはポイントが高かった要素です。何よりも日々のメンテナンスが大の苦手な我ら夫婦は窓わくの結露をこまめに拭いたり細かいところの掃除なんて年1回やるかどうかぐらい。それに加えて床面積がそこまで大きくない我が家にとっては部屋を広く見せる工夫として壁の少ないオープンな間取りと暖かさを両立できるということでこの工務店で家を建てたいという気持ちが一気に高まったような気がします。
しかし、この外断熱工法はまだまだ新しい技術ということで通常の断熱(内断熱)よりもコストが高いそう。我が家の工務店もハウスメーカーと比べるとやや割高…だったのもこの外断熱が標準仕様だったことが大きいようです。
そしてもうひとつのデメリットが気密性が高いが故に、室内が非常に乾燥すること。
乾燥を保つことで木材を長持ちさせるので当然といえば当然ですが、冬場の乾燥は風邪やインフルエンザの大敵。別の記事でも書きましたが我が家は共働きなので洗濯はもっぱら夜に行いますが、乾燥している家の中で部屋干しすると冬は外で干すよりも早く乾く、なんてこともあったりするのである意味プラスに捉えています。
おかげで2階の廊下と主寝室に設置してあるホスクリーンは大活躍でももはやしまう機会はありません。

②樹脂サッシ

室内温度の低下は当然ですが外気温を遮断することで防ぐことが出来るため、壁や屋根の断熱はもちろん最重要ですが、そこだけではまだまだ不十分。実は壁や屋根の断熱と同じくらい重要と言ってもいいのが窓からの外気の侵入。
確かに賃貸時代、窓ぎわは寒いのでプチプチを貼り巡らし、春先に剥がすと結露でカビだらけに…なんてことがありました。が、どちらかと言うと窓の隙間から入る冷気の防止のためにやっていたように思います。
ただ、前に住んでいた賃貸も築年数がそこまで古いわけでもなかったので冷静に考えると窓からの隙間風なんてたかが知れてる…なのになんで寒かったのか、というと実はサッシと窓全体からの冷気の侵入。
賃貸時代の家の窓はアルミサッシだったので熱伝導率が高く外の冷気を家の中に取込んでいたので暖房効率も悪く、室温との気温差から結露だらけ…だったというのを家づくりの情報収集をする中で知りました。(我々夫婦があまりにも無知だっただけかも知れませんが…)
機密性、断熱性を重視するこの工務店では、サッシは樹脂サッシが標準装備。寒さの厳しい北欧や日本でも北海道、東北では比較的多いそうですがコストが高いので関東ではまだまだ普及率は低いそうです。工務店のオススメはさらに熱伝導率が低く見た目もお洒落な木製サッシでしたが、樹脂サッシでも夏は-2度、冬は+4度アルミサッシとの差があるようだったのでリビングの大きな窓以外は標準の樹脂サッシにしました(アルミ<樹脂<<木製といった費用感だったこともあり…)。
デメリットは当時はあまり気にしてませんでしたが、いま調べてみると耐久性や窓の開閉しやすさはアルミサッシに軍配があがるようです。
窓は重量感があり、アルミと比べると開閉しづらいのは確かですがそこまで頻度が多いわけでもないですし、言われてみれば程度で約3年住んだ中ではストレスを感じたことはないです。(大きさもあるリビングの木製サッシの恥だし窓は子供の力ではなかなか開けられないかもしれませんが、頻繁に開閉する場所でもなくむしろ安全性が高いと解釈)
樹脂サッシが標準装備だったので当時はサッシ自体のことをそこまで深く情報収集していませんでしたが、外気に触れる外側は耐久性の高いアルミを使い、断熱性を高めたい内側を樹脂を使ういいとこ取りのアルミ樹脂サッシというものもあるようです。

③複層ガラス窓

そして、窓自体も外気温を家の中に侵入させない複層ガラス窓が標準装備となっています。上述したリビングの木製サッシの掃き出し窓は窓自体も3層ガラス窓となっている分重量感たっぷりになっているものと思われます。
2階ベランダへの掃き出し窓や各部屋のすべりだし窓(名称知りませんでしたがクルクル回して開ける窓てす)はそんな気になる程開け閉めしづらいなんてことはありません。
暑〜い夏、凍える冬(我ら夫婦にとって)も直接窓を触っても全く外気温を感じず、最初の夏は非常に驚きました。恐るべし三層ガラスの熱伝導の低さ。
そんな我が家でも何度か結露が出たことがあり、暖房をつけた寝室で加湿器をつけて閉めきって寝ると結露が出る模様。
5人家族全員が一つの部屋(将来的には長女と次女で分ける予定)で寝ているので乾燥しがちの家とはいえ、人口密度の高さもあって結露か発生したようです。
三層ガラス窓においてもやはりデメリットはコストの高さだと思います。
我が家では最優先事項だったので即決でしたが、関東やもっと暖かい地域にお住まいで寒さがそこまで苦にならない方には樹脂サッシと共にやや勿体ない仕様かもしれません。

家を建てるときの最優先事項を“暖かい家”としていた我が家なので、ここにはコストをかけて他を削るという意気込みでこの工務店に建築をお願いすることになりました。
もちろんこれだけでなく、事務所が妻の実家に近かったり、この工務店の家づくりのコンセプトに共感できることが多かったからではありますが、断熱性への考え方が1番のポイントだったかなと今更ながら感じでいます。

ちなみに電気代ですが、オール電化1階のエアコンほぼつけっぱなし(高断熱の家ではエアコンをつけっぱなしにして壁の暖かさを維持することで蓄熱性があがるそうです)で今シーズンは最高で25,000円弱でした。
賃貸時代は20,000円+ガス代だったことを考えるとイニシャルコストの削減にもなっているかなと思います。

我ら夫婦のような寒がりの方の家づくりの参考になれば幸いです。

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