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クスリの人格

 景色の中で目の端に写る知らない人。
その人の人生においてアタシは無意味だ。
 その事が分かっているから、アタシは君の前では洒落たコトがしたい。

 窓から見える街路樹のてっぺんに日が射して、国道を走る車の天蓋に影が落ちる。
クーラーの効いた部屋の中で薄暗い昼を迎える。

 詩を描くつもりは無い。
もっと具体的な話をする。

今は夏でアタシは色んな事を考えて、22歳で憂鬱で不健康で実家暮しのフリーターだ。
精神薬を飲んで、ベットに横たわってスマホを触っているか、少し勇気を出して絵を描いているかのどちらか。
今日はまだ勇気の所在がわかない。
だから君にこのようなメッセージを描いている。

 アタシは今何も楽しいと思えない。頭が霞ががっていて、何をするにも本気になれない。
とてもボーっとしていて、自分でも自分の考えている事、本当にしたいことがわからない。
 反対に極端な感情は際立ってきていて、死にたかったり、声に出さない暴言などは日に日に加速している。

 具体的な【ダメ】なイメージはわからないけど、自分がどんどん【ダメ】になっている様な気がしていて不安になる。

 芸術をやっている自覚と自信があった。それが自分を支えていたし、生きている明るさになっていたと思う。貧弱な支柱だけれど、コレをいつか大きな柱にして、人の顔を感じても恥ずかしくならない自分になるのが夢。

 病んでいるからと閉じた世界で、感情に飲まれて安堵するのは、もうやめたいけど、また繰り返すだろうね。

 アタシはもっと町に出てスケッチをして、自分の執拗な夢想を敷き詰めた紙を、踏みにじられた春のように、空の高く遠い場所からひらひらと流せば良い。
 それを高層ビルに映写して、皆にみてもらって、好き勝手、薔薇でも石でも投げられてしまえばいいんだ。

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