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なぜスケジュールはいつも1ヵ月足りないのか


出版社で書籍の編集をしています。
中小の出版社はどこも同じようなものかと思いますが、編集の仕事ってとにかくやることが多いです。
だいたい、次のような流れで一冊の本が完成します。

  • 企画を考える

  • 企画会議に企画を提出

  • 企画が通る or 企画が通らない

  • 企画が通ったら、著者にアプローチ or 企画が通らない場合は再考

  • 著者から返事が来る or 著者から返事が来ない

  • 著者から返事がきたら、打ち合わせをして構成案を固めていく

  • 構成案決定

  • 原稿執筆開始 or ライター同席で取材

  • 原稿届く

  • 原稿整理

  • 原稿整理完了

  • 本文デザイン発注

  • イラスト、図発注

  • タイトル決定

  • 初校アップ

  • 初校チェック

  • 再校アップ

  • 再校チェック

  • 校正依頼

  • カバー発注

  • カバーアップ

  • 最後に一通りチェック

  • 印刷所にデータ入稿

箇条書きにするとこんな感じです。

冒頭で「とにかくやることが多い」と書きましたが、1冊だけならそんなに忙しくはありません。ただ、これが2冊、3冊と同時に進める数が多くなると、負担は増えていきます。

で、思うのが、忙しさの原因の9割は刊行月が決められていることにあるんじゃないかなということです。

例えば、2冊、3冊と同時に進めていても、それぞれの刊行月が8月、10月、12月と2ヵ月ずつ間隔が空いているなら、ずいぶん余裕を持って仕事をすることができます。
しかしこれが8月、9月、10月とすきまなくびっちりスケジュールが詰まっていたら、それはもう目が回るように忙しい…。

当然、会社には決算や毎月の刊行点数を揃えたいという意図がありますので、「とりあえずできた本から出す」という形をとることはできません。

そのため、編集者はあらかじめ決められた刊行月というゴールに向かって、原稿整理やデザインの発注などを進めていきます。

しかし、(あと1ヵ月刊行が先だったら…)と何度思ったことか…。
あと1ヵ月時間があれば、今よりも余裕を持った状態でチェックできたのに…。
各スタッフにも十分な時間を確保できただろうに…。
そう思わずにはいられません。

締め切りがあるからこそ、きちんと形になる。
しかし、締め切りが近づいてくると、焦りが生まれる。

どないやねん、ということですね。全くもう。

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