見出し画像

仲間を集めてやる勉強会・輪読会の「始め方」について、自分なりのポイントをまとめてみる

最近は自分の勉強スタイルが確立してきて、しっかりと勉強したい本は勉強会や輪読会を自主開催する方式を貫いています。常に1,2個の勉強会を抱えている状態が続いています。自分一人では読みきれない本でも、みんなで集まって読めば読み切れるので、この方法がいつしか定着しました。

そのため、若手の方に会うたびに「おすすめ!」と言いふらしてはいるものの、実際にどういうことをやっているのか、どういう教材を選んでいるのか等聞かれることが多いので、今月のnoteにしてみようと思います。

いつもの簡単な自己紹介

最初に簡単に自己紹介させてください。LAPRASで法務部門の責任者をしています、いいだです。LAPRASでは法務全般にプラスして、働く環境づくり、新入社員オンボーディング、最近はBマーケや新規事業のお手伝い等興味のある仕事を欲張ってやらせてもらっています!

これまでの登壇や寄稿などはこちらにまとめているので、よければ覗いてみてください。

勉強会・輪読会をおすすめしたい人

一人で本を読んで、黙々と勉強するのが得意な方は、あまり勉強会の必要性はないかもしれません。一方で、私のように「何か期限がないと頑張れない」人には、勉強会・輪読会はおすすめです。

「勉強会」と一口に言ってもさまざまですが、私がやる場合の多くは「一冊の本を決めて全員で読み切る」という方式を取っています。法律書を一冊しっかりと読み込んで通読するのは、一人ではなかなかハードルが高いのですが、みんなと「約束」すればあら不思議、人との約束を守るだけで本を通読することができます笑

また、私の場合はベンチャーのひとり法務のため「勉強したいけど、自社業務ではあまり実際に使う場面がない」ような分野もあります。そのような場合でも、勉強会を実施すれば「実務の知見のお裾分け」をしてもらえるので、助かっています。ひとり法務や少数法務の方で、自社の事業に関わりの薄い分野でも、キャッチアップはしたい方にはおすすめです。

無料のセミナーとかでも勉強にはなるのですが、私は怠惰なので受けて満足して身につかないことが多く、輪読会の方が身につくなと思ってます。

自主勉強会・輪読会の「始め方」

ここからは実際に、私が勉強会を始める際の流れをご紹介します!

勉強したい分野を決める(通読したい本を決める)

まずは勉強会のテーマを決めます。自分に全然知見がない分野の場合は、集まった仲間に本を紹介してもった方が良いので、例えば「会社法を勉強したい」とか「定型約款について勉強したい」みたいなふわっと決めておくことが多いです。

一方で、例えば「この本を読み切りたいけど、一人じゃ無理」のように勉強したい本が決まっている場合は、その本ありきで進めるようにしています。自分が企画する勉強会なので「何を達成したいのか」はまずはハッキリさせてから進めるようにしています。

今まで輪読会をした本(ご参考程度に)
・ITビジネスの契約実務
・契約書作成のプロセスを学ぶ(第2版)
・数字でわかる会社法〔第2版〕
・令和2年改正 個人情報保護法の実務対応-Q&Aと事例-
・会社法〔第5版〕 (LEGAL QUEST)
・はじめてでも読みこなせる英文契約書 (Asuka culture)

勉強したい仲間を集めよう

ある程度テーマが定まったら、ご一緒してくれる仲間を探します。明確に本が決まっている場合は楽で「この本の勉強会したいけど興味ないですか?」と会う人会う人に声をかけて回るだけです!

正直最初は声をかける相手に困っていたので、大学の法学部時代の知り合いにLINEして声をかけていました。最近は法務互助会での知り合いや、わかほうで知り合った方、わかほうの事務局のOBOGSlackで声をかけたり、たまにSNSで話してみたい人にDMして直接誘う等いろんなバリエーションで仲間を集めることが多いです。

また、自分が苦手な分野や本当に初心者の分野の場合は、勇気を出してベテランの先輩や弁護士さんにも「勉強会したいんですよね〜」と言ってみたりします。そこで「えらいね〜」というリアクションだったらすぐに退散するのですが、「いいですね〜良かったら呼んでくださいよ〜」というリアクションだったらその瞬間に「言いましたね?本当ですね?本当に誘いますけどいいですか??」と圧をかけて笑、知見のある方にも勉強会に加わっています。

人数は、大体自分も入れて4人〜6人で設定することが多いです。それ以上になると話が混戦して難しいし、それ以下になると予習の当番が頻繁に回ってきてしまって辛いので、それくらいの人数にしています。

キックオフをする

参加してくれるメンバーが揃ったら、顔合わせも兼ねてキックオフをしています。日程調整してオンライン上で集まり、お互い自己紹介から始めて、第一回の勉強会までの段取りをつけます。

私が幹事の場合は、各自の自習をベースとして、自習したものの該当範囲を議論したり質問したりすることで、理解をより深めるものが多いです。これは、最初に先輩達に誘ってもらった勉強会のやり方を完全に丸パクリしています。

キックオフで決めた方が良い情報には次のようなものがあります。

・どの本を読み切るか?
・どれくらいの頻度でやるか?(月1?隔週?毎週?)
・1回にどのくらいの時間やるか?(1時間?1.5時間?)
・連絡手段はどうするか?(LINE?Messanger?Slack?)
・形式をどうするか?(レジュメ作る?ただ予習するだけ?)
・いつから始めるか?(第1回の日程調整)

私が幹事をするときには、キックオフの資料を簡単に作って、今日何を決めれば終わりなのかを書いておくようにしています。また、書籍の目次をコピーしておけば、その日に分担も決められるので「レジュメを作る」「質問に答える」等のタスクがどの時期に来るか参加者の見通しが立ちやすくなります。

↓ご参考に、先日やったキックオフの資料の一部抜粋を置いておきます

ここまで決まれば、初回に集まって勉強会をするだけです!
本が決まっていない場合は、本を購入した状態でもう一度担当の割り振りを決めるために集まるか、初回の担当だけを決めておいて(多くの場合言い出した自分がやる)、初回の際にその後の割り振りを決める形が多いです。

勉強会をする

実際の勉強会は、1時間で設定し、最初40分は発表者が資料を見せながら発表、その後20分話して終わりという流れが多いです。私の場合、資料の作り込み具合に差が出ないように、初回の発表を自分で担当して、一例を示すようにしています。

勉強会に向けてちゃんと本を読むことで目的の9割は達成されるのですが、実務の話や自分では疑問に思わなかった(スルーしてしまっていたけど実は分かっていない)論点にも触れられるので、ありがたいと思っています。

そして、隔週で半年位他社の法務の人と話す場が続くだけでも、ひとり法務の私にとっては息抜きやモチベーション維持になるので、すごくありがたいのです。スタートアップあるあるで「あまり法務メインにできない時期」がどうしてもあるので、そんな中でも自分のアイデンティティが法務にあることを確認しつつ、仕事道具のメンテナンスをする時間を設けられるのは、とても幸せです。

資料なしの場合は、予習範囲を決めて線を引いた箇所を担当者が口頭で共有するパターンもあります。レジュメ作りはそれなりに時間がかかるので、知見のある先輩に入ってもらう時は、この形式が多くなります。

幹事へのおすすめツール

幹事をやる際には、Meetかzoomの有料版アカウントがあると便利です。時間を気にしなくても良いのと、欠席者が出た時に録画の共有ができますし、毎回録画しておけば復習にも使えます。

私は毎月何かしらの幹事をしているので、個人のGooglアカウントにサブスク型で課金して録画機能を使えるようにしています。あとは、キックオフとか資料で使うように無料のnotionを使っています。

勉強会に呼ばれたいです!という方におすすめの方法

勉強会をしていることはSNSなどでもよく言ってるので、たまに初対面の方から「勉強会一緒にやりたいです!誘ってください!」と言われることもあります。

すごく嬉しいのですが、若手の方だと知識のレベル等も分からず、自分がやりたい勉強会とその方の希望がどの位親和性があるか分からないので、申し訳ないのですが誘いづらいとういうのが本音です。「何でもいいから勉強したいです!」は、やる気があるように見えて、自分に必要な情報の取捨選択を他人に委ねてるので、あまり良いやり方じゃないと思っています。

そんなこと言わずに〜という場合、ぜひわかほうの運営に立候補してもらって、運営slackでの勉強会相手募集に手を挙げてもらえると嬉しいです。私し以外メンバーが幹事しているものもありますし!ご一緒したい人がいる時は、運営手伝ったりして先に貸しを作っておくのは、コミュニケーションのテクニックかもしれません。

あとは、全然宣伝じゃないんですが!!!笑
企業法務A2Zさんの後援を受けて、企業法務の学校というシリーズをはじめます。わかほうで繋がりを作って、法務の楽しさを知った後に、今度は法務の奥深さや業務に直接つながる知識を得る場があるといいなと思い、しばらく企画を温めていました。

勉強会の一歩目踏み出したい方にはもちろん、意欲のある仲間探しにもおすすめです!受け身にならないよう事前課題もあり、当日も実際の契約書を直しながらセミナーを聞くような構成にしてありますのでぜひぜひ会場で一緒に勉強しましょう。

これから梅雨やら猛暑やらで引きこもれるので、勉強が捗りますね!!笑
少しでもご参考になったら嬉しいです。ここまでお読みいただき、ありがとうございました🦈

夏はサメグッズが多いから好きです




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?