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おまけ:GoTo結構効果あるみたい

 来週は7-9月期GDPの発表があります.ということで,マガジン版ではGDP計算の基礎となる「家計調査」について紹介しました.

 そして「家計調査」といえば,もう少し細かな家計支出の変化が得られますので・・・気になる宿泊関連統計を紹介しておきましょう.

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 家計調査における旅行支出(ここではパック旅行+宿泊費)動向をみてみると……赤線に注目.9月の旅行関連支出は東京と全国で倍近く違う.2017-19年平均と比べると,東京都民の旅行支出は平年比32%.全国平均でみると58%(東京除く平均だとざっくり62%).GOTO適用か否かで倍の差が出ています.ということは,東京都民にもGOTOが利用可能となった10月以降にはさらなる旅行需要の回復が予想されるところです.

※ちなみに家計調査は負担額のデータなので,そのままの数字を使うと,GOTO割引分金額が低く出てしまいます.そこで,総務省と同じくGOTO利用可能な地域の住民は平均30%の割引を受けていると仮定して「仮にGOTOの割引がなかった場合の支出額」を計算しています.

 なお,東京とその他の地域の違いは宿泊施設側の統計からも観察できます.客室稼働率の平年比をみると9月には全国平均の稼働率が6割弱(東京以外の平均だと65%ほど)まで回復しているようです.

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 観光関連産業を救済するためにもっとよい手法があるのでは/観光関連だけでなくほかの業界の底支えも必要だという批判は同感ですが,GoToキャンペーンが観光関連産業にとって,かなりの確度で,一定の効果があったことと言えるようです.

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