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最近わたしの暮らしはこう


ごきげんよう、ボンジュール エン・サイトウです。

お久しぶりですね、元気でしたか?私1月から今日まで割と地獄にいましたが、今日やっと、あー展示1週間前か…と大の字で寝てもいいかなってとこまで来ました。仕事の裏切り、婚約破棄、フリーランスからの転職、展示の企画、新しい仕事でのトラブルなどなどに、ま〜振り回されましたね、社会の荒波に。

でも今は割と諦めがついて、職場もここで骨埋めてもいいかな…と腰を下ろす覚悟が出来ました。仕事の手応えはあります。もちろん大変なことはあるけど、こういう形の方が私には向いてるかも…とか、こうなったらいいな…みたいな仕事での夢を持てるようになったので…まあ、いいのかなってやっと思てます。

フリーランスのカメラマンを6月末で辞めました。生活が苦しかったのと、写真を撮るのが嫌になってる事実を受け入れたからです。写真を撮らなきゃ、生活できない、写真を依頼される写真を撮るべき、みたいな写真家にはあるまじき、戦いをずーっとコロナ化からしてきました。ウケるってなに?ってファボとかリツートを意識してないといえば嘘になるけど、でもいちいち一喜一憂してたらメンタルがもたないな…と思い、ずっと無視しながらも騙し騙し撮影してました。喜ばれる撮影は、好きです。でもどこがでお客様の顔色を伺ったり、これは喜んで貰えるだろうかとちょっとでも自分の心のどこかにあるのが、正直作品に対して潔癖な私は嫌でした。嫌だけど、生きてくためだとずっと言い聞かせてました。私が作家になれきれなかった理由は、そもそもがスタジオカメラマンから始まってたから、自分の好きに嘘をついてもある程度撮れちゃったという事実だと思います。サイトウエンと中の人のちぐはぐな感じを無視してずっとそうやって撮影してたら、どんどん悪夢を見るようになって、ひどい時は金縛りや、滝汗をかいて目覚める日もありました。

自分の生活のために、自分を裏切ることに疲れたので、一旦冷戦ということにしました。人生は長いです。映画と同じように写真は10年以上続いた私の趣味の一つです。だから、別にいいかな。気まぐれに撮りたくなったら撮ればいいかな、みたいな感覚です。

"Egg in the…"

新作のプロジェクトエンです。
カタカナで言いたかっただけです。

この作品は簡単にいうと「よくわからない」作品です。私がフリーランスの仕事を嫌になった理由の一つに「お客様をバカと思って作品を作って下さい」と言われたことです。つまり「お前の作品はわかりにくいから、わかりやすい作品を作れ」と言われたことです。私はアートアニメーションや映画が好きです。大衆映画と真逆なものを作ってきた美大生です。純文学を愛した人間には最も理解不能な仕事依頼でした。わからないものを愛し、思考の余白を愛し、ただただ美しいものを史上のものとする耽美史上主義に反する依頼でした。ぶっちゃけ、エンの名義があれば、誰でも良かった案件だったんでしょうね。

嫌でした。観客を下に見るのも無理だし、道徳の教科書見たいな作品を書くのも嫌でした。でも仕事だからやりました。本当に後悔してます。そこで、ああ、もうダメだと思いました。サイトウエンを守るために、フリーランスを辞めようと決めました。そしておざなりにしていた、中の人として、ちょっと真面目に生きようと思いました。それが私なりのフォロワーさんへの示しだと思いました。

その仕事を終えた時、虚しくて悔しくてたまらなくなりました。自分の好きなものを否定されてそれを無理に受け入れようとした自分が少しでもいたことに無茶苦茶腹が立ちました。お金に目がくらんでも、家賃払えなくても、貯金ゼロでも、たとえのたれ死のうとも絶対絶対にしてはいけないことでした。

このことについてはお詫び申し上げます。

サイトウエン安売りしてすみません。今後はもっと大事にします。見ててください。一生ものの作家に中の人がします。これからも今後もします。辞めることは多分ないです。表現の仕方が写真じゃなくなるかも、とかはあるかもです。10年前は小説ばかり書く人間だったので、あっても不思議ではないです。でもサイトウエンと名乗る限りはそれなりのものを…と思ってます。

わかりやすい、誰にも愛されるような作品ではありません。

「わからない」と言われても、君にとってはそうなんだ〜、残念だね。でもちょっともう一回見てみたくない?と思わせましょう。なんかわからなかった、けどなんか頭に残る。昨日のご飯は思い出せないんだけどな。あれはなんだったんだろうか。って気になる作品に仕上げてます。

今回の作品も撮影OKです

でもエン企画を愛する皆様。心の中でどうか24回シャッターを切ってください。それがきっとあなたの財産になれたら嬉しいです。

来週末お待ちしておりますね。

ごきげんよう、おやすみなさい。

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