「すごい人」と「自分」を比較しない方法。または、何故オタクはリア充に憧れてしまうのか。
インターネットやSNSの普及で「すごい人」と「自分」を比較することは容易くなりました。
それに伴い「あの人はすごいのに、なぜ自分は……」と劣等感を抱く人が増えています。
私はこれからの時代、劣等感から積極的に自分を防衛しなければいけない時代になってくると考えています。
劣等感の功罪
もちろん劣等感は悪いことばかりではありません。劣等感をバネとして使い飛躍的な成果を上げることができる人がいるのも事実でしょう。
ですが、過度な劣等感は毒にもなり得ます。
自信をなくしてしまい、自分を執拗に責めてしまう。
個人の可能性を狭める、非常に勿体ないことだと感じます。
なぜSNSで「すごい人」と「自分」を比較してしまうのか?
たとえばSNSが普及する前の時代、「いつもテレビに出ている有名人」と「自分」を違う世界の人間として認識するのは、比較的容易かったでしょう。
しかし、ネットで「凄い実績を上げている人」と「自分」を違う人間として認識するのは、意識しないと難しいのではないでしょうか。
「凄い実績を上げている人」でも、少なくともSNS上は、我々とそう大きくは変わらない生活しているように見え、同じように喜怒哀楽があり、毎日を過ごしているように見えがちです。
親近感を持てるのに、自分と違う存在。
これでは「劣等感を抱くな」という方が、無理な話でしょう。
これは推測ですが、これまで他人と比較せず劣等感も抱かない人類は競争に勝てず、生存に不利だったのかもしれません。
そういった時代に生まれたならともかく、今はインターネット全盛の時代です。
SNSの登場で、簡単に人の生活を覗けるようになって、これらの類のストレスは溜まりやすくなるようになっていったと考えています。
「すごい人」と「自分」を比較しない考え方
「すごい人」と「自分」を比較してしまう前に、私はこう考えるようにしています。
他人と自分の人生は、基本的に互換性がありません。
運・生育環境・経験・遺伝子・価値観などの「違い」があるからです。
それらの「違い」を無視して、自分と違う人になろうとするから、劣等感が生じるのです。
加えて、「すごい人」は「すごくない」ところを見せない人だったりします。
たとえば天才だと言われ、完全無欠に見えるビル・ゲイツでさえ、生活の実態はこういった環境だったりします(ツイートの画像1枚目)
もちろん私生活や性格面も含め、バランスの取れたすごい人もいるでしょう。
ここで意地悪な質問をしてしまうと、その人はビル・ゲイツよりすごいでしょうか?
理屈としては単純なのに、人と他人を同一視してしまう原因は、人のバイアスだと考えています。
そして劣等感を抱くこと自体は、人として極めて自然な反応です。
ですが、その後に「なぜ自分はこんな感情を抱いたのだろう?」とメタな視点から振り返ることによって、この癖は自然に消えていくと考えています。
※ ただし原理上なくすことは完全に不可能でしょうし、する必要はありません。それでも健康に暮らせるレベルに減らせれば、十分なのです。
オタクがリア充になろうとすると無理が生じる
最後に、無理して互換性のない人になろうとしてもストレスが溜まるという個人的な体験談を話します。
私は、リア充になろうとナイトクラブたるものに行ったことがありました。
アキバ系のライブではありません。
これは法廷で証言できるレベルの偽りなき事実ですが、私以外はパリピしかいない暗黒空間です。
まあ……全てが無駄ではなかったと信じたいですが、個人的な経験として、疲労感がたまる・目眩がする・立ちくらみがするなどしました。
どちらかというと、人体に有害な物質を取り込んだような影響の方が大きかったです。
※ 一方、実際には一回体験したら思ったより良かったというのもあるので、一回体験すること自体は悪くないと思います。
一応オタクがリア充の生活をシミュレーションすることは、そりゃ可能か不可能かで言えば可能でしょう。
ですが、楽しいかどうかとは別です。
パソコンオタクなので、パソコンオタクにだけわかりそうなたとえをします。
MacでWindows用の重いハイスペックゲームを仮想マシンで動かすことは可能。
だけど、処理落ちして全然楽しめないという状態です。
結局慣れないことをし続けると、脳に負荷がかかります。
楽しく真似できるところは真似して、後は放置でいいのでしょうか。
まとめ
結局、無理してすごい人になったところで「人生の互換性」を無視すれば、無理して他人の人生をシミュレートすることになります。
それで幸せになれるでしょうか?
結局、人生の楽しみ方はシンプルです。
自分のやりたい範囲のことで、自分が楽しいと思うことをやっていれば、それで十分なのではないでしょうか。
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