「根拠のない自信」なんてものが存在しない理由

人は自分に嘘をつくと自信がなくなる

自分に嘘をつく人がいる。

こういう人は、いつまで経っても自信がつかない。

ここで一つ例をあげると「転職したい」と人に言って、いつまでも行動しない人だ。

こういった嘘は自分を苦しめるだけなので、今すぐにやめたほうがいい。


このような発言は言葉の裏側に注釈がついている。


その人の本音は多くの場合、

「(今よりも条件のいい)会社に転職したい」

である。


「なにをわかりきったことを」と感じる人がいるかもしれないが、これは重要な違いだ。

言葉は、人の行動を拘束する。

本音でなくても、他の人に言いふらしているうちに本音だと感じてしまう。


いっそ注釈を外してみたら、どうだろうか。

「今より条件のいい会社に転職したい」

がその人の本心だ。


人間は言葉で考える生き物だ。


自分に嘘をつくことをやめると、自ずとやるべきことを考えられるようになる。

たとえば

「今より条件のいい会社はどんな能力を求めているのか調べよう」

「実際に就職している人にコンタクトを取る方法を考えよう」

「自分にこういう能力が足りていないらしいから、スキルをつけよう」

「人よりこういうことが得意だから、そのスキルを伸ばしていこう」

といった具合に。


ここで重要なのは、言葉を「自分のできそうな範囲の行動」に置き換えていくことだ。

たとえばプログラミングをやったことがない人が、あるWeb系のIT企業に転職したいとする。

その会社では、プログラミング能力がある人が採用されるとしよう。


こういうとき他人との遅れを取り戻そうと「休日は1日8時間コーディングする」などと、やみくもな目標を建てる人がいる。

どう考えても無謀だ。

それは「自分のできる範囲外」のことをやろうとしている。


「8時間コーディングする」ということが、どれほど大変なことかわからないうちに、目標を立ててしまっているのだ。

無謀な目標を立ててしまうと、人は足がすくむ。

無謀な目標を立てて失敗したとき、人は自信をなくす。


たとえば私なら「自分の好きなWebサイトを、自分流でもいいから沢山検索して好きなだけ真似してみる」ということに置き換えてみる。

「これなら自分でやっていて楽しそうだし、できそうだ」というレベルにまで目標を落とし込んでいく。そこで無駄に意識を高くする必要なんてない。

そして当たり前だけど、「できそうだと思えることは大体できる」ものなのだ。


こうやって「できそうなことを実際にやった人」は、自分を信頼するようになる。


これが自信の正体だ。



自信を持った人間は、言葉より先に身体が動く。

そういう人を他人が見たら、「根拠のない自信」を持っていると勘違いする。

しかし、根拠のない自信だなんて、とんでもない。

その人の自信の根拠は、自分が積み重ねてきた成功体験である。

巷で「根拠のない自信」と言われるものの正体はこれだ。


まとめると、自信のある人というのは「自分ができる範囲の成功体験を、ひたすらに積み重ねた人」なのだ。

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