さすらいの親子 いっしゅうかんご

何故川口の健康ランドを間に挟んだのかは知りませんが、その後は母の福島の実家で過ごしました。実家には伯父と伯母が暮らしています。またもや連絡もせずに突撃し、寝ている伯母を起こして家の中に入って行きました。

実家はものすごく田舎な場所です。午後8時には各家庭の電気は消されて、本数の少ない街灯たちがポツポツと建っている、暗闇が深くて空の星がよく見えるところでした。そこへアポ無しで突撃します。今回だけではなく、毎回それくらいのタイミングで突撃していました。伯父も伯母ももう少し怒っていいと思います。私ならキレています。

私は少ない着替えをローテーションしながら過ごし、何もすることが無いので縁側で外を眺めたりしていました。伯母が作ってくれるご飯は美味しくて、特にお野菜の煮物と手作りの梅干しが大好きでした。伯父は物静かな人でしたが、ひたすらに時間を潰している私にトランプしようか、お散歩に行こうかなどと声をかけてくれて、二人とも私にとても優しくしてくれました。家のガラスを割った時も怒られませんでした。強がって謝らなくてごめんなさい。なにせ性格が捻くれていたのです。

母は姉妹が多く、母と歳が大きく離れた二人は私にとって実質祖父母みたいな存在でした。

お二人には感謝しかありません。

数日間ひたすらになにもしない日々が続き、母は私がお父さんがかわいそうだと思っているし(全然思ってないけど)父が迎えに来てそのまま家に戻ることになりました。

当たり前ですが、その間私は小学校を無断欠席。担任の先生にも心配をかけていたことでしょう。うちの家族は他人に迷惑をかけないと生きていけない残念な一家です。

因みに伯父は数年前に亡くなりましたが、家庭菜園と裏山での山菜採り、釣りなどアクティブな人でした。ある夏、家庭菜園でスイカが実り、スイカが大好物な私は大喜び。冷やして切って一口食べた瞬間に「カボチャの味する!!」スイカの隣で育てていたカボチャとのハイブリッドが爆誕した思い出が印象的です。

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