まきこまれる その1

中学も3年生になる頃から、家に帰ると母が居ることが多くなりました。飲み屋の切り盛りをしなくなったということです。当時は母がどういう気持ちの切り替えをしたのか分かりませんでしたが、両親の会話を聞くといつもお互いの主張をしていて平行線をひたすらに走り続けるレースのようでした。それが嫌になってしまったのかな、と思います。

そしてある日「お母さんはお父さんと離婚をしたいと思う。どう思う?」と聞かれました。ついに来たか…と思ったので「そうなると思ってた。良いよ別に。」みたいな返答をしました。前に書いた記事の通り、ずっとセミ一人暮らし生活の私は、両親に執着したり依存したりがありません。家族の絆とかいう熱いものもあまり感じてませんでした。そこに加えて思春期です。色々と難しいお年頃でした。でも、家庭の中に暴力がある状況は普通に考えて違うな、と思っていました。

そこからの母の行動はとてもスピーディーで、いつの間にか新しい家を決めて、別の仕事を始め、父と顔を合わせたくないからと休日はその家へ行ってしまいます。

私を置いて。

ここからの一年は土日を過ごすのがとても苦痛でした。毎週毎週「お前はお父さんを選ぶだろう?」と離婚後の親権について言及され続けるからです。

選ばれたかったら自分の行動を改めろ。

そう思っていました。

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