【囲碁】級位者のための棋譜解説・第3回「置碁の時の白番の気持ち/三々に入った後の打ち方」ウッカリ手から学ぼう!
こんにちは。
IGOcompany【U】@毎日note継続中です。
財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。
もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」という教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、
「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、
世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べています。
Amazonで出版している僕の本の表記がこんな感じになりました。
本の表紙じゃなくて「amazon」って載っちゃってます。
僕は、アフィリエイトとかをしているワケじゃないんですが、
なんかAmazon感があると言いますか、今までと違ってて嫌ですね(笑。
さて、
そんな話はさておき、
本日のnoteは、
【囲碁】級位者のための棋譜解説・第3回「置碁の時の白番の気持ち/三々に入った後の打ち方」ウッカリ手から学ぼう!
です。
前回のnoteは、こちら。
※必ず前回のnoteを載せていますので、もし興味があれば遡ってみて下さい
生徒さんに「級位者の大会に出るから白番の打ち方を勉強したい」と言われまして、僕が黒番で打った4子局の碁を題材にしました。
後半の有料部分では、
【級位者の方必見の死活問題】
右上隅に白1と入った時の打ち方を詳しく解説していきます。
有料noteですが、
ほとんどは無料で読めますので、良かったら前半だけでも眺めてみて頂けると^^。
ちなみに、
さっき気づいたんですけど、
noteの有料記事の表記が、
〇〇文字無料って入るようになっていましたね。
個人的に、
おっ、読んでみたいなってnoteの有料記事をクリックして、数行で有料部分になると、ちょっと哀しい気持ちになるので(別に他のnoteを批判しているワケではないですよ!)、
こうやって数千文字は無料ですよって表記してくれるのは嬉しいです。
今まで書いた有料noteは、こちらです。
他にも「全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説」と題して、
様々な棋譜を解説してきていますが、
ほとんどの記事の半分以上は無料にしているので、
良かったら読んでみて下さい!
今回の「級位者のための棋譜解説シリーズ」もマガジンにしています。
元々ある有料マガジンには、今後の「全部」の有料noteを追加していくつもりなので、こちらを購入して頂いている方は追加で他のマガジンを購入する必要はありません!※むしろ、初期の頃からマガジンをご購入頂いて本当にありがとうございます!!。
それぞれのマガジンの記事が50本を超えたら、ちょっと値上げをしようかなぁなんて考えていますので、良かったら今のウチにご購入をご検討頂けると嬉しいです。
拙い文章かもしれませんが、
「囲碁」の魅力を伝えるために、
コツコツコツコツと、皆さんの役に立つ記事を書いていこうと思います。
いつも書いているんですが、
囲碁の棋力向上の為には、沢山の囲碁の知識に触れることが必要です。
囲碁は、これだけを覚えれば大丈夫!ってことが(ナカナカ)ないんですね。応用の連続と言いますか、難しい言葉で表現すると「棋理(囲碁の理屈)」の理解が重要です。
色々な局面に対応するために、それぞれの知識が必要になるので、たくさんの棋譜解説を読んで、囲碁の知識の引き出しを増やしていかないといけません。
身も蓋もない言い方をすれば、兎に角、数をこなさないことには強くならないんですよね(笑。
級位者の方も、囲碁を勉強するにはプロの棋譜を並べると思うんですが(それに意味がないって言うつもりはありませんよ!)、僕は、それよりも同じくらいの棋力の方、級位者の棋譜を勉強するのが良いと考えています。
級位者の棋譜を並べて、よくある「失敗(ウッカリ手)」を、沢山知った方が棋力向上につながるんじゃないかと思います!
とはいえ、
級位者の棋譜解説ってナカナカないんですよね。
大切な手を説明しても、有段者にとっては「もう知ってるよ」って内容になってしまうので、どこの出版社もなかなか出版してくれません。
でも、
僕は、級位者の棋譜解説の書籍を充実させることが大事だと思っているので、このシリーズを始める事にしました。
僕は、今(ありがたいことに)沢山の囲碁教室を運営しているので、毎週何十局もの級位者の棋譜データが手に入る立場にいたりします。
これって実は「宝物」なんじゃないかと思ったので、noteにまとめていこうとおもいます。
シリーズの題名を、
級位者のための棋譜解説「ウッカリ手」から学ぼう!、
にしたんですが、
ここでいう「ウッカリ手」とは、
「疑問手」や「悪手」などの間違った手の事です。
とはいえ、折角、生徒さんが一生懸命打った手を「疑問手」や「悪手」とは言いたくないので、この棋譜解説では「ウッカリ手」と表現してみます。
そういう手を知っていれば、実戦で打たなくなると思いますので、反面教師と言いますか、同じような間違いをしないように参考にしてみて下さい。
それでは、始めていきましょう。
【囲碁】級位者のための棋譜解説・第3回「置碁の時の白番の気持ち/三々に入った後の打ち方」ウッカリ手から学ぼう!
【解説に使った棋譜 白番が意識すること】
先程も書きましたが、
白番の勉強のために、生徒さんが白番、
僕が黒を持って4子局を打っています。
4子局 黒番 宇佐美 白番 N口さん
棋譜のデータはこちらです。
最初に説明したのは、
白番の置碁は、「スピード感を意識しなければならない」という事です。
互先の碁だったら、お互いがしっかり落ち着くように打って、
チャンスが来るのを待つイメージなのですが、
置碁の場合は、先に黒が何子か置いていますので、
その分、多少薄くなったとしても、先手先手を意識して、先行しなければいけないのです。
(矛盾しますが)じっくりと打って、相手が転ぶのを待つという打ち方もありますが、それでも、一ヶ所一ヶ所を丁寧に打って、後手を踏んでしまうのは、あまりオススメしませんね。
とはいえ、
スピードを意識しすぎると、逆襲を喰らう事も多々あるので、その辺のさじ加減は難しいトコロです。
置碁を打ったことのない人にはイメージしにくいと思いますので、この棋譜解説を読んで、少しでも、その「感じ」を掴んでみて下さい。
【白1手目~黒14手目まで 左下隅三々定石】
左下隅は、ハサミを打たれた場合の三々定石。
黒14まででしっかりとした形です。
【参考図① ひと昔前の三々定石】
どちらも打たれるのですが、上で説明した図が最近の三々定石。
ひと昔前は、黒12のツギで打って、黒14手目までの形が良く打たれていました。黒4のハサミが近い時は、黒14を省略する場合があります。
【実戦の進行 白15のカカリの方向】
左下隅の白が堅いので、白15のカカリはAやCの方が(やや)大きい。
また、黒Bとツケ二段定石にする時もあるでしょう。
【実戦の進行 黒22手目(のウッカリ手)まで】
左下隅の白が堅いので、黒は左辺を白に差し上げてもよい気持ちで、黒16のコスミツケを選択しました。固めても良いと思った時に、コスミツケは有効な一手です(左上隅の黒地も守れますし←白から三々に入る手もありますが)。
黒22はあえてこう打ってみましたが、
緩着と言いますか、「ウッカリ手」と分類しても良い手です。
とはいえ、
皆さんも、こんな感じに打ちたくなりませんか??
囲碁の格言で「生きている石の近くは小さい」という言葉がありまして(白の石が生きている)、黒22のケイマは手厚く好点に見えますが、この段階では「まだ」打ちたくありません。
【参考図② 黒は大場に先行したかった】
黒1のコスミツケ以外にも候補手は沢山ありますが、
実戦の黒22よりは良い場所となります。
黒1のコスミツケから、右上隅の白石を攻めるイメージの手です。
【実戦の進行 白29手目まで】
黒22のケイマに受けずに、白23と他にまわったのがスピード感のある一手。
ただし、白23は自ら狭いトコロにカカリを打っているので、右辺、黒26の位置からカカリを打った方が自然だったでしょう。
とはいえ、
黒22に「お付き合いをせずに」他にまわるという意識は大切です。
白29は、互先だったら、右下隅の白23.25.27の三子に一手入れるのが本手でしょう。
しかし、これは四子局。
「弱い石だけと大丈夫だろう」と判断して、他にまわるという発想も白番の時には必要なのです(白29の位置がベストかどうかはまた別問題ですが)。
【実戦の進行 Aと受けるのが本手】
白29に対して、僕は(黒は)黒30と打ち込んでみました。
黒34に対しては、白Aとブツカリを打っているのが本手だと思いますが、切り上げて別に行くという大局観は、最初にお伝えしたスピード感を意識していると感じました!
【実戦の進行 白39のツメは上手(白番)っぽい!】
黒36のハネから黒38までとなると、右辺は黒が得をしているワケですが、ここでAと打たずに、白39と先行したのは素晴らしいの一言!
最初にスピード感を意識して下さいと言ったのが、伝わっているなと感じて嬉しかったです。
【実戦の進行 黒44手目のウッカリ手まで】
白39に黒40と鉄柱に受けてくれれば利かしでしょう。
この形で、白41と三々に入るのも様子見で、黒42と空き三角に受けてくれれば白は満足です。
ちょっと高度な話になりますが、白41に対して空き三角の黒42と受けてくれれば、白はそれで「納得して」別の場所に先行するのが良いと言われています。
ちなみに、
白43と左下隅を消しに来た時に、黒44と受けてしまうのは「ウッカリ手」。
黒44は弱気な手と言えるでしょう。
【参考図③ 黒からの反発もありえました】
黒1と反発していくなどの手もあったでしょう。
ちょっと単調な進行ですが、仮に白4までとなった時には、右下隅の白△の三子の強弱も気になります。
とはいえ、ちょっと無責任な言い方ですが、置碁はどうしてもスピード感を意識するので、白が薄くなりやすいのです。
全てを完璧に打ち進めることは出来ないので、仕方なしです。
こうなったらどうするのかというと、
「白は頑張る」と言うしかありません(笑。
4子置いているというのは、それだけ棋力の差があるワケですので、一手の石の働きも白の方が良い筈。
同じことを言ってしまいますが、どうにかこうにか頑張るしかないのです(白番の時は、少なからず、そういう気持ちで打ち進めますね)。
【実戦の進行 黒56手目まで】
白は(薄みはありますが)、なんとなく中央を白模様にして、上手く打ち進めています。
ここで黒56の手に対して受ける手を打ちそうになりましたが、こういうのを受けずに、手抜きを考えるのが大切です。
受ける手が悪いワケではありませんが、
Bの三々など、大場へ先行するという意識がスピード感へと繋がります。
とはいえ、
右上隅の白1と入っても、殺されてしまうんじゃないかと不安に思う級位者の方も多いと思います。
三々に入った後の打ち方を、
以下の、有料部分で紹介してみますので、気になる人は是非ぜひご購入をご検討下さい!
それでは、ここまで読んで頂き、ありがとうございました!!
是非ぜひ、また読みに来てみて下さい^^。
※上のバナーをクリックしてもらうと「宇佐美囲碁教室」の詳細がご覧いただけます。
【今回のテーマ図 三々に入った後の打ち方】
仮にこのようになれば、白は満足な「生き形」です。
サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。