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名古屋友禅職人さんの優勝レイづくり(中日新聞杯)

チャンピオンズカップが終わり、中京競馬場では今週中日新聞杯が始まります。
今回はそこで使われる中日新聞杯優勝レイ作りを見学させてもらいましたので記事にしたいと思います。


中京競馬場の優勝レイについて


現在作られている中京競馬場の優勝レイは名古屋友禅を製作している職人さんに依頼し作成しています。そのため毎回異なったデザインが作られ、まさに一点物となっています。

この職人さんたちが手掛ける優勝レイは2013年頃から作られているようでG1レースである高松宮記念とチャンピオンズカップは職人さんたちがデザイン案を作成しコンペ形式で選んで製作しているそうです。

そして今回見学させていただく赤塚染工場さんではG2およびG3のレースほぼ全てを作られております。

G2、G3のレースは華やかなG1に比べ注目されにくく、優勝レイが観衆の目に入る口取りもテレビやメディアに映ることは少なく残念だ
見学した際この言葉が印象に残っています。

この記事を読んで少しでもG2、G3の優勝レイにも興味を持ってもらえればうれしいと思っております。

優勝レイの製作


赤塚染工場さんにお邪魔し優勝レイ製作を見せてもらいます!

昨日の競馬は荒れて当たらなかったという話から入り、今日のレースの話をしながら…

作業台にピタリと地張されたレイが登場。

開催回と開催年、レース名の文字は昨日入れられたものです。レース名である中日新聞杯は今年は黄色にするそうで、この色になっています。(正直ここからどんな黄色になるか想像がつきません…!)

レース名入れに使用した型紙

本日はここから優勝レイに柄を入れる工程を見せてもらいました。

まずはレイの下地となる色や柄を何色にするか決めますが…

ここでかなり迷っておられました。
前回私が体験に行った時も色の組み合わせを考えるのにかなり苦戦していたので、プロでもここは難しいのかと驚きました!

基本的にはレース開催時の季節に合わせて配色を決めているそうです。中日新聞杯は冬、今回も配色辞典などを参考にしながら決めていきました。

柄の色は青みがかった灰色に決定し、下地の色は暖色系の方向で決めていざ色を作っていきます。

友禅に使う塗料は着色してから蒸す工程を経て色を定着させます。
なので塗った時の色と蒸した後の色では色味が変わります。確認のためはぎれに塗料を乗せて試し蒸しをし、出来上がりの色を確認します。

色を確認中…

イメージよりも濃いので調整をしていざ柄入れを見せてもらいました。

入れる柄は「七宝柄」
縁をつなぐなどの意味のある縁起の良い柄です。今回はどんなお馬さんとご縁があるか楽しみですね!

今回は柄をつけるための型紙を丈夫な素材に移し替えたものを使用します。広い幅の生地に柄を入れるもので、お相撲さんの帯を作る為にも使っているとか。

ここからが職人さんの技の見どころです!
塗料を型の縁に乗せ、一気にヘラで伸ばしていきます。


簡単そうにやっているように見えてしまいますが、熟練の技術を要します。

半分に柄を付け一旦乾燥します。

乾燥中
七宝柄


残ったところも色をのせていきます。


柄つけ完了!

きちんと柄の継ぎ目が分からないようになってます!これはすごいの一言しか出ません…。

この工程について、印刷でも同じようにはできるけれど、人がやる事によってどうしてもほんの少しのムラができる。それが光の加減などで違って見え味になると思っている。
とおっしゃっておられました。

何でも簡単にできる様になった昨今、手作業だからこそできる良さがあるのですね。

この後は蒸して色を定着させ下地の色をつけていきますが、残念ながら見学はここまでです。またこれ以降の工程も大変になりますが完成が待ち遠しいですね!(下地の色はお楽しみにということです)


終わりに


今回ご協力頂いた赤塚染工場さんのHPはこちらになります!

名古屋友禅の体験も随時行っています!その体験記はこちら。

興味のある方は是非どうぞ!


最後までお読みいただきありがとうございました。


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