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楽食探訪:「高級生食パン」の何が高級?

いま頃? と思われるかもしれないけど、
意を決して、高級生食パンとやらを
体験することにした。

どんなものかを知りたい
という思いはずっとあったけど、
関西人として、行列に並ぶことや予約をしてまで、
食べたいとは思っていなかったのだ。

時間と価値を天秤に掛ける、
関西人のこだわりだと言ってもいい。

でも、いつまでも放置するわけにはいかない、
という探究者的思考回路が働いた。

探究者なら、もっと早く体験すべきだ、
というツッコミがありそうだけど。

これが、肉や寿司だったら、
足は軽くなっていただろうけど、
相手が食パンなので、
グダグダとここまで来てしまった。

総菜パンなら、嬉しがる私だけど、
あまり食パンには興味を持てないでいる。

純粋なパン好きではないのだろう。

でも、総菜パンなら、
一度に5個6個と食べてしまう。

それほど大好きだ。

で、朝11時のオープンに合わせ、車で出掛けた。

お店に着いたら、駐車場が1つだけ空いていたので、
そこに止めた。

平日なので、行列ができるほどではないけれど、
オープンと同時に次々と車がやって来る。

田舎のお店なので、歩いて来る人はあまりいない。

お店に入ると、さすがに普通のパン屋さんとは違う。

「う〜わぁ〜、めっちゃ高そうやん!」という
雰囲気を醸し出している。

銀座あたりの高級和菓子店といった佇まい。
行ったことはないので、知らないけど。

暗く落とした照明の中、
スポットライト的に照らされたショーケースに、
1本(2斤)とハーフ(1斤)、
ジャムなんかがスカスカに並んでいる。

いや、うやうやしく
上品に鎮座していると言った方がいいのか。

私の注文は決まっているので、
「ハーフを2つください」。

ご近所さんに1つプレゼントするために、2つ買った。

田舎に住んでいると、
こうしたものはあまり手に入らないので、
日頃の感謝を込めて渡すためだ。

ここで、「1本をプレゼントしないの?」
と思われるかもしれないけど、
もし美味しくなかったら、という思いと、
渡す相手は高齢夫婦なので、
食べ切れないだろうと考えたからだ。

私がケチなのではない、ということをつけ加えておく。

家に帰り、食してみたら……。

んっ?
小麦粉の香りがあまりしない。
手触りはフワフワ。

中の部分をちぎって食べると、ほのかに甘い。
あくまで、ほのか。

目の詰まった生地は、上品な舌触りでやわらかい。

この食パンの評判は、
耳が特にやわらかいということだったけど、
確かにやわらかくて食べやすい。

これが、中高年にウケている理由だそうだ。

でも、でも、普通の食パンの倍以上のお金を出して
買うほどの味わいではないと思う。

美味しいとは思うけど、
「金の食パン」や「超熟」、「本仕込」、
「ダブルソフト」に圧勝かというと、そうではない。

同程度かそれ以下だと言えるかもしれない。

コスパが圧倒的に悪い。

日常的に食べるような食パンではないし、
特別な日に食べるというほどのものでもない。

高級なのは、値段だけだった。

なぜ、世の中の人が
有り難がって食べているのかがわからない。

まぁ、売り方が上手なことは認めるけど。

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