疎外の時代とアイデンティティー・人類廃絶論
現代は疎外の時代である。それは病の時代である。
人々を苛む病、「自らの人生に価値があるかどうかが分からない」の正体は何だろうか。
人間は秩序と真理、普遍性と無窮を求める精神と、個別的、具体的、一時的であることを先天的に定められた頭脳と肉体を持つというギャップがある。それが「疎外」「嘔吐」、あるいは「生の不全感」「虚無的な絶望感」の正体である。様々な理由で、あるものは怠惰から、あるいは道徳からか、あるべき姿、なるべき存在が漠として内心に示されているのにもかかわらず、そのものに