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科学と政策の橋渡し: 気候変動にレジリエントなアジア太平洋地域を実現するためのAP-PLATの取り組み

こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月1日に行われるISAPのテーマ別会合9について見どころを紹介したいと思います。

皆さんが気候変動を考えるとき、それをどう抑制していくか、ということをまずは考えると思います。しかし一方で、地球温暖化はすでに産業革命前の水準から摂氏1度以上進行しており、気候変動の影響は、すでに大雨や干ばつ、海面上昇といった形で現れているのです。さらに、気候変動の影響が将来にわたって一層深刻化することは避けられません。つまり、今からどんなに緩和策が進んだとしても、私たちは新たな気候に「適応」していかなければならないのです。

この「適応」という分野はメディアにそこまで取りざたされていませんが、これから人類が生き残っていくには重要な概念です。その「適応」の取り組みを共有し促進していくためのアジア発のプラットフォーム「AP-PLAT」と呼ばれるものです。

*AP-PLATとは? → http://www.adaptation-platform.nies.go.jp/en/ap-plat/ 
アジア太平洋地域における幅広い気候変動影響に対して、各国・地方政府などによる気候変動リスクを踏まえた意思決定と実効性の高い適応を支援するために構築されたプラットフォーム。WEBサイトは独立研究開発法人国立環境研究所が管理・運営していて、気候変動リスクに関する科学的情報・知見の発信や、適応策立案に関する支援ツールの提供を行っています。

このAP-PLATを使いこなし、科学的な情報を理解した上で政府の政策に落とし込んでいくためには相当な知識と経験が必要です。そこで、IGESが中核を担い、実務者向けに能力強化(Capacity Development)のプログラムを実施しています。このセッションは主にその能力強化プログラムについて、その運営側と受け手側が同じ土俵に経って議論するものになります。つまり、このセッションのタイトルが「科学と政策の橋渡し」となっているのは、この能力強化によって科学が政策に繋がっていくからなのです。

登壇者にはIGESで適応を専門にしている水野プログラムディレクター、そして国立環境研究所より吉田研究員、そしてネパールバングラデシュから実務者の方々が参加する予定です。英語のみのセッションとなりますが、一見の価値ありと思います。


「ISAP Now!」では、地球環境戦略研究機関(IGES)内のISAP事務局担当者が、ISAPのセッションに関する情報を紹介します。(このマガジンの詳細はこちら)。


文責:津高 政志 IGES戦略マネージメントオフィス シニアプログラムコーディネーター(プロフィール

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