いぐち

Balloon at dawn ソングライターとボーカル

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Balloon at dawn ソングライターとボーカル

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  • Balloon at dawn Tide 歌詞/Lyric

    2018年リリース 3rd アルバム"Tide" 配信:https://album.link/jp/i/1409485261

記事一覧

13.八月

うだる夏の日に目が覚めた 嬉しいも悲しいもそばにあると知った 霧が晴れたら歩けると思った 嫌いも綺麗も見えて でも確かにいる 僕がいる 確かにいる 僕がいる 何通り…

いぐち
5年前
4

12.あたらしい海

君の頬を伝うのが諦めだったとして 髪は伸びてゆくから 変わらないでと言えなくなるよ   暗い場所では色が見えなかったね ただ君は火をつけた 手に持った花火に あたらし…

いぐち
5年前
3

11.紗幕と鉄塔

ぼんやりと俯いたままで三声の歌が聞こえる 紗幕に映る私たちの影は これからはどこにいるべきなのかな 「忘れないため」と言って向けたカメラの その四角には何が写るの…

いぐち
5年前
6

10.リミナリティのすべて

はなさないでいられるかな この夜にすれば微量の秘密に永遠はあった 見慣れたグレーも藍色になり 出口のグリーンが廊下に色を移して 限りのない有象無象から掬っていこう…

いぐち
5年前
2

09.百日

あいつらが言う青よりももっと切実な君の声は 音楽的でどこまでも現在で、遠くで鳴るべき音だ 「季節の終わりは綺麗だけどこのまま終わるのかな」 って話す君の靴下が深い…

いぐち
5年前
2

07.Alone2

どれくらいが過ぎた夜?これくらいが残り もう思えないのなら 波に似ていたね 触れた君の感触だけが夜に流れていく間 どこにもいない君のことを 思い出す度に増えていくよ…

いぐち
5年前
9

06.Silence/Outside

明かりのいとを 揺らさないでいるみたいに噤むのさ 暗い窓から外の音 間の数だけ伝わらないよ 深い森 花火が見えるよ 長い夢 桜が舞っている 君がいる霧の中 綺麗な嘘へ…

いぐち
5年前
2

05.Fiction Girl

言い表せられない憧憬がずっと先にある 十月の雨に仄暗くなっていく  名前を知ってしまったら実体を持ってしまうかな 意味を持たない所作で通り過ぎていく 君を見つけた …

いぐち
5年前
6

04.Same (City) Lights

車両に残してきたあたたかい光の中 あなたはいる 惰性でも居られないような街 完成することもないものを見てる 選べるなら先に知りたいと思うかな あなたは 月明の飛沫…

いぐち
5年前
9

03.hanagumori

霞がかる春の陽の隙間を落ちてくるように 君は知らない都会の言葉を話していた 小さな体では消えてしまうほどの 孤独と都市を重ねて生きている君を美しいと思う 「美しい…

いぐち
5年前
4

02.Byyourside

バスを降りたら抱えていた秘密が 常識みたいにそこにいたとして もう大切とは思えなくなるのかな ねえ 僕は今でも 減ったものもない? 得たものもない? 減ったものもな…

いぐち
5年前
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13.八月

13.八月

うだる夏の日に目が覚めた
嬉しいも悲しいもそばにあると知った

霧が晴れたら歩けると思った
嫌いも綺麗も見えて でも確かにいる 僕がいる

確かにいる 僕がいる

何通りを潜り抜けた
偽物じゃないだろう 虚構ではあるけど
まだ灯台のサーチライトだって
毎夜美しい灯を投げ掛け続ける

立ち止まらなければ
見えない明かりがあったんだね
ゴミをゴミだと気づくまでに
時間がかかったこの部屋から出よう

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12.あたらしい海

12.あたらしい海

君の頬を伝うのが諦めだったとして
髪は伸びてゆくから
変わらないでと言えなくなるよ
 
暗い場所では色が見えなかったね
ただ君は火をつけた 手に持った花火に

あたらしい海を見たの
言葉を詰まらせて正しさに潜っていく逡巡の中に
懐かしい色に染めた夕凪に逸れた
潮を思い出す時 孤独が孤独でいて

誰にも言えない占いを捨てた時から過ぎていた
行き場のない船を見下ろした 堤防沿いを
赤い灯台がある日々よ

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11.紗幕と鉄塔

11.紗幕と鉄塔

ぼんやりと俯いたままで三声の歌が聞こえる
紗幕に映る私たちの影は
これからはどこにいるべきなのかな

「忘れないため」と言って向けたカメラの
その四角には何が写るの? 

いつか過去として見るそれらは誰として
私を写すのだろう

重なる足音がいつか居た海鳴りのようね
光と影の層 宛先不明のセリフは
響く本の音 なれなかった自分を書いた場所
それじゃあバス停のシーンから 3.2.1

ままならない歩

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10.リミナリティのすべて

10.リミナリティのすべて

はなさないでいられるかな
この夜にすれば微量の秘密に永遠はあった

見慣れたグレーも藍色になり
出口のグリーンが廊下に色を移して

限りのない有象無象から掬っていこう 
転がっている偶然を必然のよう思っていよう

忘れてしまうことすら
この夜になれば明確な言葉で名付けられるよ

着慣れた藍色も置いてゆくんだよ
出口の向こう側 ローファーも捨てて

余りのある有耶無耶こそ救われたよ
ほんの些細な瞬間

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09.百日

09.百日

あいつらが言う青よりももっと切実な君の声は
音楽的でどこまでも現在で、遠くで鳴るべき音だ

「季節の終わりは綺麗だけどこのまま終わるのかな」
って話す君の靴下が深い赤色で

外は次の季節の匂いがする 鳴る革靴

目の憂いと潤みが泳いでいる 合っては解ける
詩美に酔っていよう 喩えた言葉のままいられるように

日が沈むよ 通過する電車に言いかけてやめる
その言葉を知らずにいることで成せるものを信じて

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07.Alone2

07.Alone2

どれくらいが過ぎた夜?これくらいが残り
もう思えないのなら 波に似ていたね

触れた君の感触だけが夜に流れていく間
どこにもいない君のことを
思い出す度に増えていくよ
ふたつのひとりが解けるならいいな
だからせめて夜が明けるまで
 
潮風 凪いだあたり 君が手を振った
檸檬色だった 初めて聞く言葉

触れた君の感触だけが夜に流れていく間
どこにもいない君のことを
思い出す度に増えていくよ
ひとりの

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06.Silence/Outside

06.Silence/Outside

明かりのいとを
揺らさないでいるみたいに噤むのさ
暗い窓から外の音 間の数だけ伝わらないよ

深い森 花火が見えるよ 長い夢 桜が舞っている

君がいる霧の中 綺麗な嘘へ手を伸ばすほどに
優しくはないし冷たくもなれないし

君がほつれた糸を切る
それはさよならとは少し違うだろう
ああ そうだ 袖の匂いもまだ残る
これは春になり風に夜に溶けていくだろう

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05.Fiction Girl

05.Fiction Girl

言い表せられない憧憬がずっと先にある
十月の雨に仄暗くなっていく 

名前を知ってしまったら実体を持ってしまうかな
意味を持たない所作で通り過ぎていく
君を見つけた

打算のないリズムに合わせ雨を避ける君の表情が
ステージ上 地明かりを再現している
屋根のないバス停に立ったら
「乾かない」と笑った
そうやって君は瞬間を体現し続ける

赤い季節を告げて透明な姿になっても
歳月が重くのしかかろうとする

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04.Same (City) Lights

04.Same (City) Lights

車両に残してきたあたたかい光の中 あなたはいる

惰性でも居られないような街
完成することもないものを見てる

選べるなら先に知りたいと思うかな あなたは

月明の飛沫に満ち溢れるような
プールサイドの光に消える
すべてが叶うと思った 僕らは点と点のままで

ありふれたことだと知ると
安心するようなあなたに似ている

歪さを歪さで知る街
間違い探しの正しい方をずっと探している

選べるなら今を生き

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03.hanagumori

03.hanagumori

霞がかる春の陽の隙間を落ちてくるように
君は知らない都会の言葉を話していた
小さな体では消えてしまうほどの
孤独と都市を重ねて生きている君を美しいと思う

「美しい色」と言う
振り返る
「桜の花のこと」と言う

花ぐもりの季節にいるどこにもいない君を
僕は知ってしまった 図らずも君の生まれた日に

________「夕凪の頃の色を知っている?」
並行な日々を重ねてみたとして
浮かび上がるものがある

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02.Byyourside

02.Byyourside

バスを降りたら抱えていた秘密が
常識みたいにそこにいたとして
もう大切とは思えなくなるのかな

ねえ 僕は今でも

減ったものもない? 得たものもない?
減ったものもない 得たものもないかな

未だに映るんだ 映画にならないような
ありふれた明かりが振り返ればあるから
「卑屈だった」って笑う
君だって光を纏う振りで余計に伸びている影

鮮やかさでは測れない君の行間を
無下にしないでいいんだよ

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