いぐち

Balloon at dawn ソングライターとボーカル

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Balloon at dawn ソングライターとボーカル

マガジン

  • Balloon at dawn Tide 歌詞/Lyric

    2018年リリース 3rd アルバム"Tide" 配信:https://album.link/jp/i/1409485261

最近の記事

13.八月

うだる夏の日に目が覚めた 嬉しいも悲しいもそばにあると知った 霧が晴れたら歩けると思った 嫌いも綺麗も見えて でも確かにいる 僕がいる 確かにいる 僕がいる 何通りを潜り抜けた 偽物じゃないだろう 虚構ではあるけど まだ灯台のサーチライトだって 毎夜美しい灯を投げ掛け続ける 立ち止まらなければ 見えない明かりがあったんだね ゴミをゴミだと気づくまでに 時間がかかったこの部屋から出よう 胸にたまった海が両目から流れてゆく 港に返そう そうすればまた ひとつに束ねた髪

    • 12.あたらしい海

      君の頬を伝うのが諦めだったとして 髪は伸びてゆくから 変わらないでと言えなくなるよ   暗い場所では色が見えなかったね ただ君は火をつけた 手に持った花火に あたらしい海を見たの 言葉を詰まらせて正しさに潜っていく逡巡の中に 懐かしい色に染めた夕凪に逸れた 潮を思い出す時 孤独が孤独でいて 誰にも言えない占いを捨てた時から過ぎていた 行き場のない船を見下ろした 堤防沿いを 赤い灯台がある日々よ 今、港に着いたんだよ 「汚れずにいること」は 「どこにもいないこと」だった

      • 11.紗幕と鉄塔

        ぼんやりと俯いたままで三声の歌が聞こえる 紗幕に映る私たちの影は これからはどこにいるべきなのかな 「忘れないため」と言って向けたカメラの その四角には何が写るの?  いつか過去として見るそれらは誰として 私を写すのだろう 重なる足音がいつか居た海鳴りのようね 光と影の層 宛先不明のセリフは 響く本の音 なれなかった自分を書いた場所 それじゃあバス停のシーンから 3.2.1 ままならない歩き方も誕生日も 名前も忘れずいられるよ 未草が咲く土も夜の陽も夏の雪も ある場

        • 10.リミナリティのすべて

          はなさないでいられるかな この夜にすれば微量の秘密に永遠はあった 見慣れたグレーも藍色になり 出口のグリーンが廊下に色を移して 限りのない有象無象から掬っていこう  転がっている偶然を必然のよう思っていよう 忘れてしまうことすら この夜になれば明確な言葉で名付けられるよ 着慣れた藍色も置いてゆくんだよ 出口の向こう側 ローファーも捨てて 余りのある有耶無耶こそ救われたよ ほんの些細な瞬間を事件のよう思っていよう 明けない夜は確かに目の前にあった 次に朝が来るだけ

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        • Balloon at dawn Tide 歌詞/Lyric
          11本

        記事

          09.百日

          あいつらが言う青よりももっと切実な君の声は 音楽的でどこまでも現在で、遠くで鳴るべき音だ 「季節の終わりは綺麗だけどこのまま終わるのかな」 って話す君の靴下が深い赤色で 外は次の季節の匂いがする 鳴る革靴 目の憂いと潤みが泳いでいる 合っては解ける 詩美に酔っていよう 喩えた言葉のままいられるように 日が沈むよ 通過する電車に言いかけてやめる その言葉を知らずにいることで成せるものを信じている ドアが開いてそれぞれに解けてゆく 取り残された僕らは街灯もない道で大きな

          07.Alone2

          どれくらいが過ぎた夜?これくらいが残り もう思えないのなら 波に似ていたね 触れた君の感触だけが夜に流れていく間 どこにもいない君のことを 思い出す度に増えていくよ ふたつのひとりが解けるならいいな だからせめて夜が明けるまで   潮風 凪いだあたり 君が手を振った 檸檬色だった 初めて聞く言葉 触れた君の感触だけが夜に流れていく間 どこにもいない君のことを 思い出す度に増えていくよ ひとりの続きが解けるならいいな 薄れていく夜が明けるまで 触れた君の感傷だけが部屋を満

          06.Silence/Outside

          明かりのいとを 揺らさないでいるみたいに噤むのさ 暗い窓から外の音 間の数だけ伝わらないよ 深い森 花火が見えるよ 長い夢 桜が舞っている 君がいる霧の中 綺麗な嘘へ手を伸ばすほどに 優しくはないし冷たくもなれないし 君がほつれた糸を切る それはさよならとは少し違うだろう ああ そうだ 袖の匂いもまだ残る これは春になり風に夜に溶けていくだろう ■Apple Music ■Spotify

          06.Silence/Outside

          05.Fiction Girl

          言い表せられない憧憬がずっと先にある 十月の雨に仄暗くなっていく  名前を知ってしまったら実体を持ってしまうかな 意味を持たない所作で通り過ぎていく 君を見つけた 打算のないリズムに合わせ雨を避ける君の表情が ステージ上 地明かりを再現している 屋根のないバス停に立ったら 「乾かない」と笑った そうやって君は瞬間を体現し続ける 赤い季節を告げて透明な姿になっても 歳月が重くのしかかろうとする 名前をなくしてしまえたら どれだけ楽になれるかな その手に意味を見つけてしまっ

          05.Fiction Girl

          04.Same (City) Lights

          車両に残してきたあたたかい光の中 あなたはいる 惰性でも居られないような街 完成することもないものを見てる 選べるなら先に知りたいと思うかな あなたは 月明の飛沫に満ち溢れるような プールサイドの光に消える すべてが叶うと思った 僕らは点と点のままで ありふれたことだと知ると 安心するようなあなたに似ている 歪さを歪さで知る街 間違い探しの正しい方をずっと探している 選べるなら今を生きようと思うかな あなたは 花びらの吹雪に打ちひしがれるような 遠い未来の姿を見

          04.Same (City) Lights

          03.hanagumori

          霞がかる春の陽の隙間を落ちてくるように 君は知らない都会の言葉を話していた 小さな体では消えてしまうほどの 孤独と都市を重ねて生きている君を美しいと思う 「美しい色」と言う 振り返る 「桜の花のこと」と言う 花ぐもりの季節にいるどこにもいない君を 僕は知ってしまった 図らずも君の生まれた日に ________「夕凪の頃の色を知っている?」 並行な日々を重ねてみたとして 浮かび上がるものがある ________「美しい色?」と言う ここにいる 確かなものだとしてもここ

          03.hanagumori

          02.Byyourside

          バスを降りたら抱えていた秘密が 常識みたいにそこにいたとして もう大切とは思えなくなるのかな ねえ 僕は今でも 減ったものもない? 得たものもない? 減ったものもない 得たものもないかな 未だに映るんだ 映画にならないような ありふれた明かりが振り返ればあるから 「卑屈だった」って笑う 君だって光を纏う振りで余計に伸びている影 鮮やかさでは測れない君の行間を 無下にしないでいいんだよ 飄々と理解のすべてを飛び越えて欲しい 言葉にならないものこそを ◁◁ 本当に気

          02.Byyourside