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業界団体って何?

プロレス業界団体『日本プロレスリング連盟』を設立することが発表された。

『日本プロレスリング連盟』はコミッションと混同するファンもいるだろうが、そもそも業界団体とは、ある特定の産業や業種に携わる企業そのものや経営者の個人を会員として構成される団体であり、「同業者によって組織された団体で当該業界の親睦、地位・技術の向上から発展などに寄与するための活動を行う事業所」というものから。コミッションとは全く違うものである。

設立のきっかけはコロナ渦で、プロレス団体が一致団結して行政などに訴えたことから、設立の必要に迫られたということなのだろう。これまで他のスポーツには業界団体がありながらも、プロレスにはなかった。

それはなぜかというと、ジャイアント馬場とアントニオ猪木のという二大首領の存在で、この二人の存在がルールそのものであり、絶対的権力を握っていたからだった。もし馬場さんと猪木の時代に”業界団体”を作ってしまえば、馬場と猪木、また全日本プロレスと新日本プロレスの対立の場になっていて、最悪分裂という事態になっていたと思う。

平成になってGPWAという組織が出来上がったが、今思えば業界団体に近いものがあった。この時は新日本プロレスと全日本プロレスが力を失っていたことから、NOAHを中心にZERO1やDDTなど各団体が集まって合同興行など開催してきたが、それ以上の発展はなく自然消滅していった。馬場さんが亡くなった後も猪木一人が業界の首領として君臨していたのに対して、ものを言えたのはGPWAの会長に就任した三沢光晴だけだったことから、三沢を亡くなった馬場さんに代わる業界の新しい盟主に押し上げようとしていた意図があったのではと思っている。

『日本プロレスリング連盟』の連盟会長に新日本プロレスの坂口征二相談役、事務局長は新日本プロレスの会長である菅林直樹が就任し、事務局は新日本プロレス内に置かれることから、新日本プロレスがリーダーシップを取る形になる。アンチ新日本プロレスファンには納得しがたい人もいるだろうが、コロナ渦のように何かあった場合に国や自治体へのパイプになる団体が必要なことから、それを考えると新日本プロレスにリーダーになってもらうのが一番最適だと思う。

ただそれがコミッションに繋がるかというと、また話が違ってくるため、業界全体のルールを決めなければならない、それにGLEATなど賛同していない団体もあることから、それらに対する配慮も考えなければならない、

これはあくまで自分の意見になるが、コミッションはあくまで理想に留め、現実的は業界団体のままでいいのではと思っている。


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