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安定と意外性のバランス

皆様いかがお過ごしでしょうか、五十嵐ナオです。

世の中には、言葉やら、音楽やら、映像やら、いろんな情報媒体があるわけですが、それらの表現活動に共通したものとして、「人間は『安定』と『意外性』両方求める」という特性がありそうだなというお話です。

去年絵を描き始めてから、これ音楽と似てるなーと思う場面が結構あったのが面白いなと。

絵って「構図の安定・不安定」みたいな話があって、例えば三角形と逆三角形で言えば、後者の方が不安定感が高い、と言われています。
たぶん重力がある前提で考えると、後者の場合時を前に動かすと逆三角形が倒れるからだと思っているのですが、それに似た話が音楽で言う「アウト感」だなと。

アウト感というのはキーによって決められた音階以外の音を使っていくことで生まれる浮遊感のことです。「外れた音」なんて言われたりもします。

で、「構図の不安定さ」も「アウト感」も共通しているのが、ある程度その要素が作品に入っていたほうがいい作品に感じられるということです。
もちろん例外もあるとは思うのですが、統計的な話です。

ジャズでよく使われるおしゃれなコードも、おっいいねってなると思うのですが、あれもアウト感の派生系です。


言葉というメディアで考えてみても、今僕が使っているような標準語がある一方で、和歌とか詩で使われるような文学的な表現もあるわけで、ああいうおしゃれな表現が多少入っていると感動するという性質があるんじゃないかと。


で、どんなメディアでも共通しているのが、「不安定さが適量じゃないとくどくなる」ってことですね。
これが「こなれ感」とか「粋」とか言うやつかなと。「粋」も行き過ぎると単なる「言葉足らず」になっちゃいますから。


こんな感じで、人間は不安定さ=これから何かが起こりそうな期待感・意外性を求める一方で、変化が起こらなそうな安定さも適度なバランスで求める生き物なのかなあと思いました。

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