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Leica M8を買って

 写真を趣味にして以来、ずっとSONYのミラーレス一眼カメラ・NEX-6を使って来て、次に買い替えるならフルサイズかな、などと思っていたところ、一昨年の末頃から、何故か急にライカに興味が湧き始め、とは言え、一介のサラリーマンにはとても手を出せる代物ではないと諦めていたのですが、調べて行くとM8の中古なら手を出せる、かも・・・。
 それでも、ミラーレス一眼のフルサイズ機が買える値段で13年前の機種の中古を買うなんて、正気じゃないよなあ、とも思いながら、迷った揚げ句、カメラのキタムラで出ていたのをポチッとしてしまいました。保証無しです。壊れたらそれまでだ、と覚悟して買ったのですが、
マップカメラだと中古でもライカで点検してもらった上で1年保証で売っているのを知ったのは、その後・・・。

 しかし、使い始めたらやはり愉しい! 特にモノクロ写真が綺麗なのにビックリ。

 ライカMはファインダの中心にある小さな四角枠の中でピントを合わせるというのも初めて知りました。そういえば子供のころ、時々、父が貸してくれたカメラもそうだったと思い出し、そうか、あの頃、父が使っていたのはレンジファインダだったんだ、と懐かしさもこみ上げ、一層、親近感を持ちました。

 ライカは本体も高価ですがレンズも高価。本体M8を中古で買いましたがレンズまでは手が出ません。

 が、もともとレンズは、NEX-6を使っている時からライカのVMマウントである、コシナ・フォクトレンダというレンズをマウントアダプタをかませてNEX-6で使っていたので、このレンズをマウントアダプタ無しで直接嵌めて使える、というのも愉しさの一つでした。

 ただ使うレンズは同じとは言え、NEX-6で撮っていた写真と、ライカM8で撮り始めた写真と、どちらが綺麗なのかは私にはよく分かりません。

 ネットで検索しても、ライカの評価もひとそれぞれのようです。やはりライカは違う、という人もいれば、(昔は違ったかもしれないが今は)ライカと言っても他メーカのカメラに比べ、特にいい写真を吐き出すわけではない。ブランドだ、という人もいます。
 ただ、M8で撮ったモノクロ写真は文句なしに美しいと思いました。階調が豊かというか、優しい感じに仕上がるのです。

 使い勝手はそれぞれ甲乙があります。
 重量はNEX-6方が軽い。ですがNEX-6はAPS-Cサイズ機なので、フルサイズ機になるとどうか分かりません、とは言えM8のセンサーサイズもフルサイズでは無く、APS-Hと言って、APS-Cとフルサイズの中間の大きさです。

 ミラーレス機のファインダは、ファインダに映る範囲がそのまま写る範囲です。露出も絞り具合(ボケ具合も明るさ)もファインダ画面に反映され、言ってみれば見たままが写真になります。
 M8のファインダは光学ファインダで、被写体を目で見たままが見られます。目で見たままなので、絞りを変えても何も変わりません。(笑) ファインダの中に写真で写る範囲を示すフレームが見えていて、そのフレームの枠内が(概ね)写真に切り取られる範囲になります。
 写真で写る範囲のみがファインダに写るミラーレス機と、目で見たままのうち、どこを写真に切り取るかが分かるM8(レンジファインダ)と、どちらが良いかは好みでしょう。

 どういうボケ具合で写るかもミラーレス機ではファインダで確認出来ますが、M8の場合はファインダでは分からず、撮った直後に背面モニタに表示される画像で確認するしかありません。但し、M8の背面モニタの解像度は高く無く、詳細までは分かりづらいです。
 となるとM8の場合、どのように撮れているかはパソコンに取り込んで確認するまで分からないと言うことになりますが、
これがまた愉しいのです。
 どんな風に撮れているかを確認するまでワクワクする気持ちになるのです。
 フィルムカメラの愉しさの一つは、撮ったフィルムがどのように写っているが現像されてくるまで分からないワクワク感だ、と何かで読みましたが、それと同じかもしれません。

 そしてM8の方が機構がシンプルだと思います。NEX-6についている色んな機能はありません。露出を設定し、シャッタースピードと絞りを決め、ピントを合わせて撮るだけです。
 これがいいと思うんですよね。

 で、前置きが長くなってしまったのですが(ここまでが前置きか!)、
 私みたいにライカのことを良く知らずに迷っている方に、体験談をお伝えしたいと思ったのです。

 M8を購入したのは昨年(2021年)の2月、そして9ヶ月目に入った11月中ごろに、案の定、というか、
M8、壊れちゃいました。シャッターが切れなくなってしまったのです。
 ガーン!! こういうことも覚悟していたとは言え、やはりショック。気に入っていたので尚更です。
 ネットでM8の故障修理で検索すると、何か、以前の機種なのでもう部品が無く修理不能の場合もあるとか、購入価格と同じくらいの修理費がかかるとか・・・。

 前述のように私は保証期間無しのライカを購入しました。
 で、この後、どうしたかを時系列で書くと、

◎20211122:M8が故障したのは所用で京都に行っている時。丁度、紅葉の季節。京都の紅葉を撮るぞ! と思っていたのでショック・・・。 取り敢えず、元々、ライカ京都店へは寄るつもりだったので、そこで相談。見積もり料は6,600円(税込)。キタムラで中古で買った旨を言うと、キタムラに預けて貰ってもOK、とのこと。購入した地元のキタムラを通した方が安心に感じた為、そうすることに。

◎20211123:カメラのキタムラ地元店へ預ける。手数料1,000円を支払う。

◎20211207頃:連絡無い為、キタムラへ問合せ

◎20211208:キタムラより電話:見積もり料に1万3千円ほど掛かるとのこと。ライカ京都店での話と違うので確認を依頼

◎20211209:キタムラより電話。キタムラが修理依頼している業者から、その業者では修理対応出来ないためライカに問い合わせたところ、その値段を提示された、とのこと。ライカ京都店で聞いた値段と倍違う旨、伝えるが、キタムラの店員さんも分からない様子。ライカのカスタマーケアに直接訊く事にし、キタムラへの修理(見積もり)依頼は取り消すことに。

◎20211215頃:キタムラから連絡あり、ライカを受け取りに行く。

◎20211217頃:ライカ・カスタマーケアに電話。対応は丁寧でした。やはり見積もり料は6,600円とのこと。ライカを発送

◎20221221:ライカより、メールにて修理受付完了の連絡

◎20211224:メールにてライカより見積もり完了の連絡。工料6,000円(!)
 →金額が見積価格と同じな為、電話で確認。金額が同じなのは偶然で、修理代が6,000円(税抜)とのこと。この時初めて、修理依頼の場合は見積もり料は不要と知る。(汗) ライカに修理を依頼。修理は年明けからになり2週間ほど掛かるとのこと

◎20220108:メールにてライカ修理完了のお知らせ
 →メール本文中のURLからクレジットカード支払いの手続きをする。5分後くらいにライカ・カスタマーケアから電話。入金の確認と返送手続きの確認。到着日時を翌日から指定出来るとのことだったので、翌日に依頼。

◎20220109:M8到着。6,000円+送料900円+消費税。

ライカの対応はとても丁寧、迅速で、流石、と思いました。こんなことならライカ京都店でそのまま預けてしまえば、昨年のクリスマスには戻っていたかもしれません。

 故障してからキタムラから一旦戻ってくるまで、「Leica M8 故障」でネットで色々検索してみたのですが、部品が無く修理不能の場合もあること(これはライカ京都店でも、カスタマーケアでも言われました)、修理代も、(中古)購入時と同じくらい掛かること等が出ていて、
ライカ使えたのも半年とちょっとだったか、でもまあ、買って使ってみないとどんなものか分からなかったのだし、もう使えないのは残念だけど仕方ないか、、、と、すっかり諦めモードになっていたため(笑)、メールで修理金額を見た時は拍子抜けというか半信半疑というか。(苦笑)

 カスタマーケアは修理と同時に、イメージセンサーのクリーニングもサービスでやってくれており、気のせいか、ファインダの前より綺麗に見える気がします。
 ライカのカスタマーケアは流石と思いました。製品が高額なことはある、と。笑

 勿論、今回はラッキーだったと思います。
 ただ、ネットを見ると悲観的な情報ばかりだったので、こんなケースもあるよ、ということをお伝えしておこうと思いました。^^

Leica M8 with voigtlander 35mm F1.4MC
Leica M8 with voigtlander 35mm F1.4MC


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