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医学部小論文テーマ集①・「医師の適性」について

医学部の小論文では、頻出テーマがあります。年度によって新傾向の出題がされることはありますが、まずは頻出テーマに対する論述には問題なく回答できるように、基本的な知識を身に付け、文章を書く練習をしておくことが大切です。

以前、出題されるテーマをまとめた記事を書きましたが、今回からはそれぞれの項目について詳しく解説していきます。

初回の本記事は、「①医師の適性」についてです。

なぜ、医師の適性が小論文で確認されるのか?


医学部入試では、小論文・面接を通して「医師の資質や適性」があるか問われます。ある職業への適性があるかについて、ほかの多くの職業では就活の際に確認されますが、医師になる人は必ず医学部に入学しなければならないため、医学部入試の時点で医師への適性があるのかを確認されていると考えられます。そのため、小論文・面接で目指すべき姿を問われている場合は、医師に必要な資質を踏まえたうえで回答することが大切です。

医師に必要な資質・適性とは?


「資質」は辞書で調べると「生まれつきの性質や才能」を表します。ただ、もとから医師に向いている性格というものはなく、医師になりたいという志や心構えの中で資質は形成されていくものだと思います。医師に必要な心構えや理念で一般的に言われている7つの項目について紹介します。

①      生命の尊厳(SOL)を重視し、生命の絶対的平等を損なわない
医師は何よりも生命の尊厳を尊重しなければなりません。人間の生命には大切、大切でないという区別はなく、すべての人の命が尊いのです。

②      疾病の治療・苦の緩和・予防や健康増進という医療目的を正確に理解し、医療目的の実現を目指す
手術等の医療行為では、他人の体に傷をつけることになり、医師でなければ許されないことで犯罪となると思います。そのため、医療の目的を正確に把握して治療にあたることが大切になります。

③      医師としての責任を自覚し、医学的知識・医療技術の習得に努め、向上心を忘れず、生涯にわたって学習する。
医学的知識や医療技術は日々進歩していきます。そのため生涯にわたって意欲的に学習して新しい知識や技術を身に付けていく必要があります。

④      自分の限界を認識し、他者と協力する謙虚さ・協調性に基づき、チーム医療の充実を目指す
自分の力や能力を過信してしまうと医療事故につながりかねません。自分も間違えを起こす可能性があることを認め、その間違いが起こらないように他者と協力して進めていくことが大切です。

⑤      医師として社会的使命と責任を果たし、社会貢献をする
医師は、患者の治療のみならず、社会全体の医療改善を目指す必要があります。地域全体の公衆衛生の向上や感染症に関する適切な医療情報の提供も医師の役割です。

⑥      患者の人権を尊重して、患者の立場に立ち、患者の心情を理解する想像力を持つ
医師は、患者の人格を尊重して十分に配慮する必要があります。患者の生命の質(QOL)を向上させるためにも患者の自己決定権に基づいた患者本位の医療を実現することが大切です。

⑦      良い医師を目指して人格の向上に努める
医療現場では様々なことが起こります。緊急事態でも冷静に対応し、責任を果たす必要があります。また、患者や一緒に仕事をする人々と良い関係を築くためのコミュニケーションも欠かせません。医師は、礼節や誠実さ、寛容さも持ち合わせている必要があります。

最も大切なこと


上の項目に記載した資質や理念をはじめから持っている医学生はめったにいませんので、学習を通してこれらの資質を身に付けていくことができれば大丈夫です。
自分の不足しているところを正確に把握して、良い医師になれるように努力することが最も大切なことです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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