推しあわせ

 推しは身近に作った方がいい。絶対に。

 私には現実に推しがいる。皆様が好きなアイドル、歌手、俳優、芸人などに熱中し、出ている番組を追ったり、SNSを確認したり、グッズを買ったり、ライブに行ったりするように、私も現実の推しに熱中している。あまり目を合わせないようにするが、それでも日々のファッションをチェックしたり、後ろから眺めたり、SNSへの投稿を凝視したりする。側から見ればストーカーだねこれ。

 そして、現実の推し(今後は「推し」と明記する)が尊すぎる場合、誰かに伝えたくなる。というか声を出さずにリアクションするということが不可能になる。なので私は何人かの友達に推しのことを伝えてある。そうすることでいきなり「ねえ、今日の推しがまじ最高すぎたんだけど!!!!!」と言い出しても変態扱いされずに済むからだ。

 この概念を生み出して以降、いろんな人に現実の推しを作ることを布教してきたが、なかなか入信してもらえない。そりゃそうだ。だって特段のメリットがないんだもの。強いて言えば日々の幸せが増えることだが、それは芸能界の方の推しでも十分賄える。教祖になるのはなかなか厳しい道のようだ。

 しかし、最近推しを作ってよかったと思えた最高の瞬間があった。なんと、推しの方から声をかけられたのだ。私がアマプラで呪術廻戦を観ていたら、「呪術観てるの?」と話しかけてもらえたのだ。なんと喜ばしいことか。ありがとう呪術廻戦。ありがとうアマプラ。

 話しかけられただけでこんなに幸せになるのだから、やはり現実に推しがいた方がいいと私は考える。もちろん無理強いするつもりはないが、でもやっぱり楽しいので、この感情を分かり合える人がもっと増えてほしいと思っている。ただの友達でもない、でも好きでもない、現実の推し。たかが推し、されど推し。いつかこの道の教祖になりたいと思っている。今日はここまで。


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