声から入る出会い

 声から入る出会いは不思議なものだった。

 先日、さがみ泥沼たかくRadioというラジオトーク本社でのイベントに招待され、東京に行った。いわゆるオフ会的なものだ。今まで私はトーカーさんと会ったことは一度もなかったし、なんなら顔出ししたこともなかった。だから他のトーカーさんと会うのにとても緊張したし、自分の顔を晒すのにも緊張した。

 思えば今までの出会いはほとんどが顔からだった。新しいクラスになって、顔を見て、そこから話しかける。だから、顔はわかるけれど名前はわからない、逆に名前はわかるけれど顔が思い浮かばない、そんな現象が何度も起きていた。

 だから今回の出会いは非常に新鮮なものだった。リスナーさんの場合は声自体も初めてだが、トーカーさんの場合は、声は事前に聞いていて、なんならその声に熱中しているにも関わらず、いざ会うと誰だかわからないという不思議な感覚に陥った。お互い挨拶する時に声を発することで、やっと認識するという、何とも言えない奇妙な世界だった。そして、中には声だけでイメージしていた姿と実際の姿とでギャップがあって、慣れるまでに時間がかかったトーカーさんもいた。でも不思議なもので、話す時は初対面のような辿々しさがあるが、いつも聞いてる声なのでどこか安心はできた。新感覚だった。けれどもそれが楽しかった。

 あくまでイベントだったので、他のトーカーさんとじっくり話すということはできなかった。もっと話したかった。だから今度はオフ会としてちゃんとトーカーさんと会って話してみたい。もっともっと知りたい。もっともっといろんな出会いをしてみたい。ただでさえ医学部は閉鎖的な空間だから、少しくらいはラジオトークの方で欲張ってもいいよね。あ、でも、怪しいお誘いはもちろんお断りするけどね。今日はここまで。

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