許可

 いいかげん許すことにした。自分を。

 自分には悪い癖が多数存在するが、そのうちの一つが自分を責めてしまうということだ。別に必要ないのに、誰も求めてないのに、勝手に自分はこうでなければならないという義務感を自分自身に課してしまう。未だに感じてしまう嫌な癖である。

 中高時代が特に顕著だった。中学で少し勉強ができてしまったせいで、家族や同級生(友達と書かないという時点で自分がどんな子だったかを察して欲しい)から過度に期待されてしまい、自分はトップを走り続けなければならないと、勝手に思い込んでしまっていた。だから少しテストの順位が下がるだけで号泣していた。

 高校時代も応援団に入ってしまったせいで、(同期がおらず自分の代は私1人だけだったというのもあるが、)たかが高校の部活なのに、自分はみんなから求められている、だから自分も人生をかけなければならないという、今思えば別にそんなことはない謎理論を当時は展開していた。そのせいでストレス性の病気を発症し、うつにもなった。

 大学生になってからは少しマシになったが、それでも自分を責める悪い癖は抜けず、自分はもっとできるはずとこれまた勝手に思い込み、他人の仕事もどんどん引き受けるイエスマンとなってしまい、常にパンク状態という時もあった。

 でもいつからかこんな生活辞めたいと思うようになった。このままではいけないと、心のどこかで危機感を感じていた。きっと自分自身に疲れていたのだろう。

 だから私は、自分を許すことにした。

 自分はこうでなければならないという無駄なプライドを捨て、こんな自分でもいいよね、大丈夫だよねという思考にやっと最近落ち着いた。

 皆さんにとっては些細なことかもしれない。自分を許すなんて、すぐできることだと思うかもしれない。しかし、今まで自分を責め続け、自分自身を蔑み続けた人間にとっては、これは大きな一歩なのである。

 「自分を許すこと」=「過去の自分を認め、前を向くこと」でもあると思っている。今までは自分を許せていなかったから、過去のことでいつまでもクヨクヨしていた。他人からそんな気にするなと言われても、頭では理解できていても、心が追いついていなかった。しかし、自分を許せるようになった今は、まだ完全にではないが、すぐ前を向くということが少しずつできている気がする。着実に心が追いついていると感じる。

 ここまで怒涛の人生を送ってきたと思うし、その裏でそれなりに苦悩してきたとも思う。今まではその苦悩ばかりを思い出し後悔していたが、もうそろそろそんなことしなくてもいいんじゃないかな。いいかげん許そうぜ。なぁ自分。今日はここまで。

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