誰かと誰かはつながっている vol.384
素敵な本を借りました。
『木曜日にはココアを』
あまり出会ったことがないような短編集でしたので、さささっとすぐに読み終えてしまいました。
本当に肌感覚30分程度です。
それほどまでに、サクサクと読み進められる本。
本嫌いにもおすすめの本です。
そんな『木曜日にはココアを』を読んでの感想をまとめていきます。
誰かと誰かはつながっている
この本はいくつもの話が短編集としてまとまっています。
しかし、その話に登場してくる登場人物や内容が、どこか互いに掠め合っている不思議な本です。
あっちの話で出てきた内容がこっちにも出てきて、あ、こっちに出ていたあのお店はこっちに出てきて。
と言った具合に、いろんな話が絡み合っている楽しさがあります。
だからこそ、自分にとっての好みの話をすぐに見つけられますし、それがどこかこの世界の断片の一つと考えると、とてもほっこりとして読めるのです。
私が好きなのは緑の話。
ここではあえて話の一つ一つに触れずに全体像としてこの本を捉えていきます。
元々はこのように飛び飛びになるような本は好きではありませんでした。
伊坂幸太郎のように、あっちの話とこっちの話が繋がって、、、というのが苦手だったんです。
でも、この話は一つで完結しているからこそ、干渉し合っているんだけど邪魔もしない。
一つの物語を一つの物語として楽しめる。
それがこの本の魅力だなと感じました。
プラモデルを一つ組み立てても十分に面白いけど、それをコレクションしていくとまた違った面白さが出るような感覚。
これは、自分一人でも楽しめるし誰かと一緒に語り合っても面白い。
いい本当の巡り合わせをもらえました。
世の中には何冊も本があって、いい本ってなかなか出会えない一期一会だと思っています。
なので、個人的には嬉しい出会いです。
この本を読み終えて感じたのは、本の表紙にも書いてある通りの「わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている」という言葉。
救っていると言ったら仰々しいのかもしれませんが、自分という存在が知らず知らずのうちに誰かと繋がって、その人の人生の一部になっている。
そんな感覚です。
6次の隔たりという言葉があります。
自分から数珠繋ぎに6人たどると全世界の誰とでも繋がれるっていうあれです。
これは、そんな数値的なつながりではなく、存在としての意識としてのつながり。
例えば、朝コンビニに寄ったときに、たまたま商品を陳列していたおじさんが、実は知らないところであなたの縁の中に入っていたり。
不思議な感覚ですが。
そう言ったことを考えると、人類皆家族。
生きとし生けるもの、互いに繋がって生きている。
そんな風に感じます。
読み終えてほっこりとした気分になりました。