理科は学ぶものではなくて、気づくもの vol.196
理科の教員として、さまざまな学びをしていると、理科の教科観が自分の中にも身についていきます。
私がその中で最近感じている、理科という科目の教科性は気づく力だと思っています。
理科というものは日常の中に山ほど溢れています。
というよりも、この世の中を理解していくのには理科しかありません。
すべての学問の根本にあるものだと感じています。
そんな理科の魅力や教科観をまとめていきたいと思います。
探究心の一歩目
昨日は一日部活動の引率で夕方頃に帰宅しました。
鎌倉や逗子海岸当たりの海沿いの道を帰っていたのですが、キレイな夕焼けが見えたので、思わず写真を撮ってしまいました。
見事に地平線から色のコントラストが見え、心が洗われるような気持になりました。
景色としてただ「きれいだなー」で終わりでも十分素敵な時間なのですが、私は小さなころからどうしても気になってしまうたちなのです。
何で、同じ空なのにここまで色が変化して見えるんだろう?
こんな疑問が自然と浮かんできてしまいます。
これは、レイリー散乱やミー散乱と言われる現象です。
日食などのときに月が赤く見えるのもこれが原因です。
という風に、日々の事柄に疑問点や探究心(?)を持つ視点が理科に必要な力となるのです。
逆に言えば、教科書などを利用しなくとも日々の生活の中でアンテナを張っていれば、教科書の内容など簡単に網羅できてしまいます。
スーパーは理科の宝庫
昨夜、今日の実験で利用するためのバナナをスーパーに買いに行きました。
一般的な方であればバナナはただ食べるためのバナナでしかないと思いますが、このバナナはDNAの抽出実験で非常に使いやすい材料の一つです。
理科の教員だから、そのような目線で見れるのかもしれませんし、そもそもDNAの抽出実験に使えるからなんだと言われればそれまでです(笑)。
しかし、それ以外にもバナナにはたくさんの効果があります。
〇バナナと人間の遺伝子は50%同じ
〇バナナの香りが体重を減らすのに役立つ
〇太陽の方向を向くために重力に逆らい曲がる
〇バナナの75%は水
〇バナナで頭痛が治る
〇バナナの皮を歯に2分間擦り付ければ歯が白くなる
〇バナナの皮の内側の成分が、虫刺されなどの炎症を防ぐ
〇バナナは1日に必須とされるビタミンCの15%
〇バナナの皮でストレスが軽減される
〇バナナを480本食べると不整脈が発生
〇バナナは一般的に果物だと思われているが、分類上は「草」であり野菜
すべて自分が立証しているわけではないので、真実かどうかは分かりませんが、これだけの科学的な情報がバナナには含まれているのです。
知ろうとしたり、疑問に思うことがなければ一生知らないであろうこともたくさんあります。
つまり、自分の意識次第でなんでも学びにも、生きる知恵にも、生き方、あり方にもつながるのです。
芯のある教育を
つまるところ何が言いたいのかというと、理科も国語も社会も英語も数学も、どの科目も観点や根底にあるものは同じなのです。
既存の者に対して疑問を抱き、新しい知識を獲得していく。
クリティカルシンキングやラテラルシンキングといったものです。
それが芯にあるかないかが非常に重要になります。
私はたまたま理科の教員なので、クリティカルシンキング的要素が強いのですが、どの科目にも通ずる大切な考え方でしょう。
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