ショウガツブルー
正月といえば、と言われてもしっくりくるナニカがない。正月料理も大して好きではないしおせちに至っては食卓に上がることもない。羽子板やら凧揚げもしないし、地域特有のイベントにも縁が無い家だった。しかし、ダラダラと過ごすことが正月の醍醐味と開き直れるほど図太くもないので酒を飲んでも罪悪感がある。まあ、結局飲むものは飲むのだが。
僕の記憶が確かなら子供の頃からインドアだったので外で遊ぶよりも夜更かしして正月特番を見る方が好きな変な子供だったと思う。母親の実家に行っても外で遊ばずこたつにずっと入っていたから相当だ。そんな僕でも映画館に行くのは好きだった。映画の内容はともかく、母の実家から帰る道中で映画館に寄り正月映画を見たことはよく覚えている。もしかすると僕にとっての正月といえば、は映画を見ることなのかもしれない。
思えばフリーランスになって仕事が不定期になってからフラッと街に出ることも少なくなった。少し前なら定期を少しでも活用しようと躍起になっていたのだが、今は定期すら作っていないので街中に行くこと自体億劫になっている。当然映画館に行くことも減った。
わざわざ正月っぽさを感じる為に行動を起こすというのも変なハナシだが、わざわざ初売りのために早起きをする人達だって居るんだから悪くないだろう。
だから今度の休みは、わざわざ早起きして映画館で朝イチの映画を見ようと思う、正月らしく昼から酒を飲みながら。