見出し画像

レッサーパンダの粘膜便症 ぱーと2

ここしばらく、レッサーパンダの粘膜便症について調べていました。結果を先に記しますが、有益な情報は見つかっていません。

調査途中に読んだ以下の論文に次の様な記述がありました。

Prospective Study on the Excretion of Mucous Stools and its Association with Age, Gender, and Feces Output in Captive Giant Pandas(和訳:飼育下のジャイアントパンダの粘膜便の排泄とその年齢、性別、排便量との関連性に関する研究)

Similarly, the captive giant pandas (Ailuropoda melanoleuca) and red pandas (Ailurus fulgens) may defecate mucous stools when the welfare principle of good feeding is not met [2,3].(要約:飼育下のジャイアントパンダ も、レッサーパンダも、動物福祉の原則である質の良い餌が与えないと粘膜便を発症する)

今までの調査で、唯一の粘膜便症の原因に触れている記述です。この記述の参照元は以下であると紹介していました。

[2] Glatston, A.R. Red Panda: Biology and Conservation of the First Panda; Academic Press: London, UK, 2010; p. 474.
[3] Mainka, S.A.; Guanlu, Z.; Mao, L. Utilization of a bamboo, sugar-cane, and gruel diet by two juvenile giant pandas (Ailuropoda Melanoleuca). J. Zoo Wildl. Med. 1989, 20, 39–44

上記の[3]はジャイアントパンダに関する論文ですので、レッサーパンダに関する[2]の書籍(電子版)を入手しました。

ハードカバー版は484ページもあり、ありとあらゆるレッサーパンダの情報が紹介されています。編集者は、レッサーパンダの国際版血統登録台帳の管理者であるAngela Glatston氏です。レッサーパンダの好事家を称するならばこの本は読んでおかないと恥ずかしいのですが、いかんせん洋書であること、自分には高価であること、出版されて10年経過していて、情報の新鮮さに不安があったこと、諸々の理由で気にしてはいたものの入手には二の足を踏んでいました。

入手後、さっそく喜び勇んで本をめくったのですが、この本の最大入手目的である粘膜便に関する記述が見当たりません。上記で紹介している論文では、参照先としてページ番号まで記しているのですが、該当する474ページは「Index(索引)」です。電子書籍版(762ページ)を参照元にしている可能性もあるので、該当する箇所(Chapter 16)も確認しましたが、粘膜便に関する記述はやはりありません。

あとは、参照先のページ番号(P.474)に誤りがあるのか、参照文献名に誤りがあるのか判断は悩ましいところですが、とりあえず調査は振り出しにもどってしまいました。🥺


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?