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郷愁の都リプレイ(GM:アケルPL:クレオ)

#75 TRPG

 手を繋がないと見えない。一人だけでは帰ってこれない
 かけがえのない絆を紡ぎながら、かけがえのない思い出を引き千切りながら…
 二人は見知らぬ郷愁の都を駆け抜けて行く



※この記事はTRPGアンサング・デュエット内のシナリオ「郷愁の都、思い出のあなた」のリプレイです。(クレオと二人で遊んでみました)
 公開可能なシナリオですが、ネタバレをしているのでこれからプレイしてみようという方は、気を付けてご覧ください。
 プレイングのイメージを知りたいけど重要なネタバレを避けたい方は、チャプター1までの閲覧がおススメです。




アケル:じゃ、始めてみましょう
まずは、キャラクター紹介お願いします。

クレオ:ぼくは 玻座真 紅那(ハサマ クレナ)
性別:ノンバイナリーの高校生。津久美市立高等学校で図書委員をしています。

シフターのアオイさんとは図書室で知り合って仲良くなったんだよ。


※幼馴染はアオイとは別キャラです。
アオイとの関係性は、図書室で知り合った高校からの友人。


趣味は読書。小説の感想をネットに書いたり、レビューサイトの管理人もしてる。誰かの応援をするのが好き…って感じかな
アケル:このフラグメント…お揃いのキーホルダーはアクリルキーホルダー?もう少し設定増やしてみないか?


クレオ:本をモチーフにするってどうかな?読書会に一緒に参加した時に買ったとか
アケル:なるほど。読書会…本がモチーフになってる…。それならキーホルダーじゃなくてしおりにしようか。
 栞の片側が波形になっていて、割符みたいに2つ合わせると一枚の栞になる。

クレオ:いいね!
アケル:他に、アオイについて、なんかこう、付け足したいエピソードとか 思い出とかある?
クレオ:特にないかな
アケル:それでは始めようか。

※ここからは、アケル→GM、クレオ→クレナと表記を変えています
また、キャラクターとしてのセリフは「」『』で分け、探索や質問はプレイヤー視点での発言として扱っている。

【チャプター0、異界深度4 世界の揺らぎ】


GM:微かに残る夏の気配と秋の香りが混じり合う季節。もうそろそろ夕暮れが訪れるというこ。
あなたはかけがえのない友人であり、片思いの相手である上前津アオイ。駅前で待ち合わせをしていた。…っと。

※ここで、シナリオを読むのを一旦止めた。
シナリオの想定だと、バインダーとシフターは恋人関係のようだ。けれどクレオが希望したのは、友人関係だった。

GM:ごめん、これシナリオが、片思いの相手になっちゃってる。読みながら少しずつ変える必要があるんだな。
クレナ:難しいねぇ。頑張って。
アケル:そうだなぁ。そしたら、クレナはアオイから大学入試の模擬試験が終わったからと、久々に晩御飯一緒に食べようと提案されたってことにしよう

アオイ「やっぱり待たせちゃってました」

GM:駅の改札から小走りに駆け寄ってくる少女が1人。
あなたにはすぐに彼女がアオイだとわかる。(アオイのキャラシはクレナの右側にあります)


アオイ「ごめんなさい…私遅れてて。きゃ!」
GM;アオイは急ぐあまり、あなたの目の前でつまずいてしまった。はい、クレナさん、どうする?

クレナ:手を広げて、アオイさんの両肩を支えてあげようか。
『大丈夫?気をつけて』

GM:クレナがアオイの両肩を支えると、アオイが
アオイ:「ありがとうございます。ごめんなさい、慌てちゃって」

クレオ:アオイちゃん、話し方は敬語で丁寧だけど、そそっかしい子なのかな?
GM:うーん、 前はそうでもなかったんだけど、最近はそうだね。お姉さんが行方不明になってから、 ちょっとぼんやりしてることが多くなったかなという印象をクレナさんは抱く。

クレナ:そうですか。クレナはお姉さんのことはあまり突っ込んで聞いてないけど、気にはなっている。

GM:了解。アオイさんを抱き止めて、2人は言葉を交わした。
 その直後、君たちは異変に気づきます。
 周囲にあれほどいた人々が、どこにもいなくなっていたのだ。それどころか、周囲の風景は晋気楼のように歪んでいき、2人が待ち合わせに使っていた駅前ではなくて、見知らぬ街に変貌していく。

クレナ『え…なに、これ?』

GM:アオイちゃんも目を見開いたまま辺りを見回している。


【チャプター1、異界深度5 思い出の堆積】


GM:ここはもう見慣れた駅の駅前の風景ではない。博物館や映画でしか見たことのない、やけにレトロなものに変貌してしまっていた。
 背の高いビルはなくなり、レンガか石を積み上げたかのような外見の古めかしい建物が並ぶ姿は 教科書で見た明治時代のようでもあるし、木造建築の頂点に立つ電柱は大人たちが懐かしいというような 1つ、2つ前の時代。

 例えば電柱はね、現代ではコンクリートの柱だけど、木の柱になってる。ケーブルと電線も細くて切れそうで、柱になんとなく引っかかって、ゆらゆらと揺れている感じ。
 1度も来たことがない場所でありながら、なぜか病的な懐かしさを感じる。

(電柱の描写など、一部アドリブで話しています。歴史や知識に自信がある方は、自由に脚色しても面白いでしょう。
ちなみにぼくは、“あれ?最初の電柱って木製だったよね…?”と後々ヒヤヒヤしました。リプライ書く時には調べ直してます。)

 一方で、隣に立つアオイは怯え、絶望したかのような表情をしていた。クレナは何か声かけますか?

クレナ『アオイ、どうしたの?』

GM:あなたが声をかけても、アオイちゃんはすぐに返事はできない。
アオイ:「ここは、まさか。」
「どうしよう。もうここに来ることはないって思ってたのに。お姉ちゃんもいないのに。一体どうしたら」

GM:…と、アオイはこんな独り言を繰り返している。今のままだと、あなたの声は聞こえないですね。
 アオイを落ち着かせなければならない。ということで、ここで一旦判定をしてみましょう。

 難易度は5です。

【判定の説明】 クレナはバインダーという役割の為、 サイコロを2個振れます。さらに出た目がもし判定5以上に届かない場合、自分の持ってるこの6つのフラグメントのうち1つを ”忘却”することで、判定の 値に+2増やすことができます。

 まずはやってみようか。
クレナ:GM、判定5ってどれくらい難しいの?

GM:サイコロ2つどっちも3以上出せば成功。1回まずサイコロを振ってみましょう。

※サイコロが(3,2)でも成功になるので、ここでの説明は間違いでした。
確率を説明するなら、
(1,1)(1,2)(2,1)(2,2)(3,1)(1,3)が失敗6/36=1/6の確率で失敗、成功は5/6


クレナ:えい。
GM:君の判定と一緒にあおいちゃんシフターの判定も一緒に GM
が行います。(シフターの場合は10面体ダイスを1個)
アオイも成功。
 錯乱していたことを謝りながら、あなたに抱きついてきます。やっぱり怖いんだろうね。クレナはなだめながら、背中を撫でてる?
 自分を介抱してくれるクレナに姉の面影を思い出したのか「お姉ちゃん」と、かすれた声でつぶやきます。

クレナ:お姉ちゃん、って言葉は聞かなかったことにしよう。
『アオイちゃんは、この世界を知ってるの?心当たりがあるようだけれど』

GM:なるほど。アオイちゃんの様子から、この奇妙な世界を知っているとクレナは判断したんだな。
 アオイは 言葉を紡ぎ始めた。
アオイ「ここは異界と呼ばれる場所です。
異次元とか異世界…って言った方が伝わりやすいでしょうか。
実は昔、私は異界に呼ばれてしまったことがあるんです」

アオイ「その時は、そう呼ばれるって不思議な表現なんだけど、 いかに呼ばれてしまう人間っていうのがどうやら あるらしくて、私は呼ばれやすいみたいなんです。
だから、私のせいでクレナさんを巻き込んじゃったかも」

クレナ:『そんなこと、今は気にしないで』

アオイ:「前はお姉ちゃんが守ってくれました。手を引いて、一緒に出口を探して、現実世界に連れ戻してくれたんです。
でも、お姉ちゃんは何年も前に行方不明になっちゃって」

GM:一旦言葉を止めて、思い出すように視線を1度さまよわせ、言葉を続けます。
アオイ:「お姉ちゃんは人の感情を真似て、歪んだ世界を作るんだって言ってましたよ。
多分ここは、昔に戻りたいみたいな感情を読み取った場所なんじゃないですかね」

クレナ:『明治時代に思い入れのある誰かが作ったってことかな?』
アオイ:「いえ、誰かたった1人が作ったものじゃなくて、いろんな人の 昔に戻りたいっていう感情がどんどん溜まって、それがらが集まってできてるって感じです」

クレナ『お姉ちゃん、すごく詳しいんだね』

アオイ「お姉ちゃんは異界に呼ばれたり私みたいに不思議なものが見えたりする人間ではないんだけれど、 いろんなことを推測して、考察して、 物語の探偵さんみたいな人だったんですよ」

GM:ちょっと懐かしそうに微笑みながら話しています。
 クレナが話を聞いてくれてリラックスしたのか、脱出方法をアオイは思い出したようです。
アオイ「お姉ちゃんは確か、カには必ず出口があるって 言ってました。現実世界に干渉した時に、ひび割れが生まれるんだとか」

クレナ『分かった。それなら一刻も早くここから逃げ出さないとね』

GM:あ、説明し忘れた。(ええと、クレナは今、なだめるのにアオイを抱きしめていたんだっけ)

アオイ「 最後にすいません。クレナさん、1歩私から離れてみてください」

クレナ:『? いいよ』
GM:アオイから離れると、クレナはそれまで見えてた世界が、ふっと見えなくなっていきます。古い町並みや電線が、すりガラスでぼやけたようになっていく。
 やがて、自分が立っている足元とアオイしか見えなくなる
 アオイと手を繋いでいる間しか、クレナは異界の景色を見ることができないということを覚えておいてください。

クレナ『あんまり離れて行動しないほうがいいね』

GM:アオイが1歩近づいてクレナの手を取ると、また元の鮮明な、不思議にごちゃごちゃした町並みが現れてきました。アオイが言葉を続けます。
「私に触れていると、今は見えますよね」

クレナ『そうだね』

GM:まとめると、アオイに触れている間は周囲の景色が鮮明に見える。触れないでいるとだんだんちょっと周囲がぼやけていく感じ。
 アオイが、姉が手を引いて彼女を救ったというのなら、 同じように異界の真の姿を見極めながら進めば現実世界に帰ることができるのではないだろうか。2人は 2階からの脱出方法を探すべく、いびつな教習の町へと歩み出していく。

チャプター1はここで終了ですね。

※アオイは異界の真の姿が見える代わりに、異界に狙われている為、一人で現実に戻ることができない。クレナはアオイと二人で現実に帰ることがこのゲームのゴールとなっています。

ここまではゲームの導入場面です。もしこのシナリオを初見でプレイしたい場合は、アンサングデュエットの購入をおすすめします。(一人用シナリオなので、誰でも遊ぶことができます)


※以降、シナリオのネタバレがあります。ネタバレOKな方は先へお進みください。





【チャプター2 異界深度6: 姉の面影】

クレナ:ちなみに異界深度って、どういうこと?

GM:異界深度は大きくなると、不可解な現象が大きくなったり、現実の物理法則が通用しなくなっていくね。
 ただ、君たちの探す出口と言うのは、深度が深いところ…8~9くらいかな?その辺りに出現しやすい。なぜか知らないけど、そう直感的に分かっていて欲しい。

※質問にかいつまんで答えたので、詳しくはルールブックを購入・参照お願いします。

クレナ:深度が深いと帰る道から遠くなるわけではないんだね。深度が上がらずに済むにはどうしようと思ってたから、安心した。

GM:はい。状況説明しますね。
 足早に元駅前だった 町を後にしたあなたたちは、 木造建築の並ぶ住宅街にたどり着いた。
 聞こえてくるのは、豆腐屋の笛の音や、外を走り回る子供たちの笑い声、路面電車のガタンゴトンという小気味いい音色。
周囲に人影などは1つもない。声だけ、音だけが聞こえる。
ひどくいびつな懐かしさを覚えながら、あなたとアオイは、住宅街を通っていく。

クレナ:懐かしさってどういうこと?

GM:そうだね。この懐かしさはデータ的に変わっているわけではないのだけれど…紙芝居屋の子供を集めようとする鐘の音、ラーメンの屋台のチャルメラ…
現代には聞き覚えのない音だと思う。それでもそう、 懐かしいって感じてしまう。

クレナ:『この懐かしいって気持ち…ぼくら日本人のDNAや魂が刺激を受けてるのだろうか?』

GM:それはキャラクターとして言ってんの?面白かったので採用するぞ。クレナが冗談めかして言うと、アオイちゃんは少しふっと、
アオイ「クレナさん、この状況でもそんな冗談言えるなんて」
って感じで笑ってくれます。

クレナ:『冗談でも言ってないとやってられないよー。こう見えて実は結構ドキドキしてるんだよ』

GM:そうだね。あなたとアオイは、会によって再現された誰かの思い出の風景を進んでゆく。
「…クレナさん。あれって、凌雲閣じゃないですか。ほら、歴史の教科書にこの前載ってた」
葵が指差した先には、明治時代の高層建築、凌雲閣に似た建物があった。
(GMはクレナに凌雲閣の写真を見せる)

GM:高さ52メートル、12階建てだね。
クレナ:東京タワーみたいな?

GM:イメージはそんな感じでいいと思うよ。望楼建築がブームとなって、 展望台から浅草の街並みを見ようとしてたんだね。

木造建築の低い建物ばかりの風景の中、その威容は目を引くね。
 それを見てアオイは
アオイ「いつか誰かが昔を懐かしんだ時の感情がめちゃくちゃにかき集められているんだと思います」

クレナ:明治時代っていうのは、推理の鍵になる?アオイちゃんは心当たりありそう?

アオイ「どうでしょう…明治時代、と聞かれてもピンと来ないです。お姉ちゃんだったら、もしかしたら分かったかもしれないけど」
クレナ:むっ。またお姉ちゃんかぁ…。

GM:異界から抜け出す思い出を辿っていくうちにお姉ちゃんのことを強く思い出しているようだね。
 …クレナはそこに内心ジェラシーを感じていると。

クレナ:クレナはね、うっすらアオイが自分にお姉ちゃんを投影している事を知っているんですよ。

GM:設定どんどん入れてるな。(クレオもノッてきてくれてるみたいだ。ここは深掘りしてみよう)そうかもね。ちょっと面影も似ているのかも。

クレナ:お姉ちゃんもぼくと同じ、赤茶のショートヘアだったんだよ。きっと(ぶすっとしながら)

GM:(おお、食いついてきた。)クレナは高校生の中でもちょっと背高い方かな?
クレナ:いや、そこは160cmくらいがいいかな。アオイと同じくらい。(プレイヤーが高身長なので低めにしたい様子)

GM:じゃあ身長は違うかもだけど、大人びた雰囲気だったり、異界でも冗談の言える飄々とした雰囲気がお姉ちゃんに似てるんだろうね。
 うん。お姉ちゃんの髪の毛はアオイと同じ黒髪、でもショートカットでさっぱりした雰囲気のお姉ちゃんって感じだったんだよ、きっと。

※GMもシナリオは読んでおらず、アドリブで設定を生やしたりしています。幸か不幸か、ここでお姉ちゃんの設定を掘り下げたことで、その後の展開が活きて来るのでした。

GM:2人が話をしているとき、幾重にも金属をこする音を重ねたかのような耳障りな雑音。
 その中に確かにアオイの名を呼ぶ声が混ざって聞こえた。

アオイ「お姉ちゃん?」

GM:アオイが強くあなたの手を握る。彼女の視線の先には、背の高い女性が立っていた。
だが、彼女の顔を見ようとするなら、どす黒い影がうまく空間にぽっかり空いた穴のように見えることだろう。
 …2人は今、手をつないでいるっていいんだよね。

アオイ「あれは、お姉ちゃんじゃないです。クレナ。こ、ここにいたら危ないです! 」

G M:アオイがあなたにそう告げると同時にその女は、ひたひた、ひたひたと緩慢な動きで、 こちらへと移動し始めた。
きっと捕まったらよくないことが起こる。あの顔の穴に吸い込まれたら、よくないことが起こる。

2人は逃げる手段を探すべく、手をつないで走り始めた。

 はい。ここで2回目の判定です。

クレナ:『うえ〜、怖い』

GM:逃げ込めるところを探す二人。
 ちょうどその時に、目の前で路面電車が出発しようとしていた。
 ここでは、無事に路面電車に乗り込んで、その姉の姿をした恐ろしい真っ黒な穴から逃げられるかどうかの判定を行う。

 今度の難易度は6です。

サイコロ:コロコロ…。

クレナ:はい、ちょうど6。成功したよ。
GM:アオイのダイスは8。二人とも成功しました。

クレナ『アオイ、早く!』

GM:2人とも成功したので、あなた方は無事に運転手がいない路面電車に駆け込むことができました。
 路面電車の運転士の席には誰も乗っていない。
 けれども、2人が乗った瞬間、扉が閉まり、線路を走っていく。
 無貌の女は電車に入ることはない。
 ただ、窓の外の人影は、紛れもなく二人を“見ていた”。

クレナ『お姉ちゃん出ちゃったよ〜』

GM:お姉ちゃん出てきちゃったね。あはは。
クレナ『アオイちゃん、あれは本当にお姉ちゃんだと思う?』
アオイ「わかりません。わからない」

GM:アオイは頭を抱えて、路面電車の座席に座り込んでますね。

 ようやく落ち着くと、
アオイ「私がお姉ちゃんに会いたいって思ったからですよね。
お姉ちゃんのことを懐かしいんだから、異界がそこにつけ込んできただと思います」

クレナ『アオイは何も悪くないよ』

アオイ「でも、お姉ちゃんのことを思い出さないようにしないと」

クレナ:そうかぁ…。わかった、それじゃアオイに向かってこう言う。
『それなら、今だけぼくを、お姉ちゃんだと思っていいよ。
 あの偽物なんかより、ぼくはずっと君の前にいるんだからね』って。

GM:(お?すごい台詞を言ったな)
 じゃあ、クレナの言葉に、葵はクレナの顔をハッとしたように見つめます。
 すごいかっこいいこと言ったね。

GM:アオイはクレナの両手を自分の手で包みんで。
アオイ「クレナさん。私…ごめんなさい。でも、今だけは」
という風にクレナの手の温もりを感じながら、そう呟きました。
 そうだね。彼女自身、クレアがお姉さんの面影を映しているってことを、うっすら自覚していた。
 そのことをクレナが気づいてたんだ、って、若干の後ろめたさを感じながら。

クレナ『あらら。罪悪感を感じさせちゃったかな?』

GM:それもあるけど、クレナという存在に安心感を抱いている。クレナは、アオイが異界に囚われないように言った言葉だからね。
 クレナの台詞で、あえてお姉ちゃんと重ねてる自分を自覚した事が、現実に戻るための楔になってくれてると思う。
 クレナ、いいプレイじゃないですか。

※普段のTRPGでは、ここまでGMがNPCの心情を補足することはないとは思いますが、アンサング・デュエットは台本のない二人だけの寸劇という要素が強く、アオイの心情を伝えることにしました。

 二人を乗せた路面電車は下町を走っていく。
 飛び乗った二人は気づかなかったが、その線路は凌雲閣へと続いているのだった。全てを見下ろす楼閣には何が待ち受けているのだろうか?
 この続きは郷愁の都【下】にて…。

 

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