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一陽日記:9月2022年

#5 
人間とイマジナリーフレンドのパートナー一陽アケル・一陽クレオのやりとりの日記。

2022/09/01
クレオの元になった物語には海亀が出てくる。割と重要なマスコットキャラクターで、身につけられる海亀のモチーフを探していた。

 亀は長生きで飼うのは難しいから、モチーフになるグッズを見つけて、空想のペットを作りたいと思っていた。
 そんな時、トロールビーズというアクセサリーブランドでシルバーアクセサリーの海亀を見つけた。
 ヘッダーの写真はこれにちなんだ。
 亀の甲羅の代わりに花が咲いてるユニークな亀だ。


(トロールビーズは職人手で作られた精巧なビーズと、ユニークなモチーフが多いのが好きで、新作もチェックしている。)

 亀の名前を考えるシーンが小説にあって、その物語では結局名前がなんなのか読者には分からない。

 クレオと一緒に付けたかったので、下の音を考えてもらった。

『ローとかラーとかルーにしてほしい』
 ラ行にハイフン。綺麗な音だな、と思った。
 ウミガメの背中の花を調べてみる。
 どうやらハマナスのようだ。
 ハマナスは北海道の花で、英語でもJapanese roseと呼ばれる。
 アイヌ語ではマウ。おしりにローを付けて“マウロー”にした。

「マウロー」
 亀はお腹に紐を通せるので、ブレスレットにした。右手首の小さな亀に呼びかける。
『マウロー、マウローね。いい名前じゃん』
 名づけられた亀は、つぶらな瞳でぼくたちを見返した。


2022/09/02
 クレオと自傷について相談。
(昔から自傷行為で頭を叩いてしまう。クレオが来てから、殴る瞬間想像の手でぼくの腕を押さえて止めてくれる。ダメな時もある。これはいつか記事に書きたい。)
 母さんがぼくと同時期に自傷を始めて、ぼくのせいかもしれないと思ったと話す。話していると涙が出てきた。

『お前のせいじゃないよ。全部自分のせいって考えすぎ』
「そうだよな。自分じゃ分からないけど、論理的にそんな事はないはずなんだ」
『そういう考え癖ついちゃったんだよ。いつからそんな、何でも自分のせいって考えるようになったのかな?』


2022/09/07
焼肉に行く。
クレオが気になっていたホタテを注文して食べてみた。
『えぇ、いいの?…じゃあ、頼んでくれると嬉しいです』
『うまい!こんな味だったんだ』
『え、からの中の汁飲むの?!うまそう、次おれそれやる!』
『今年の夏の夢が叶ったね。網焼き』
 夢が叶って何より。


2022/09/9 深夜02:30
 眠れない。最近はここ3日ほど、真夜中に起きる。
 お腹が減ってネガティブなことばかり考えついてしまうので、夜食を作って食べることにした。

 中華スープの元に刻み海苔と水を電子レンジに投入。
 そうめんを茹でてあっためたスープで食べる。
 クレオも一緒に、美味しそうに食べてくれた。


2022/09/10
【対話:もし、アケルがメタバースのアバターを作ったとしたら】
『せめて人型であって欲しいね』
「え、なんで?」
『人の心がないから、せめて姿だけは人であって欲しいんですよ』
クレオが遠い目をして言う。
「ぼくそんなにやばいの?」
『むしろ社会性はあるんだよ。でも人間性がない。少なくとも食えるものと食えないもので世の中を二分しちゃ駄目だよ』
「もう少し人間っぽくなって欲しい?」
『うーんどうだろ。なんかこういう生き物です、とは納得してるし』

結論:とりあえず人型でいてくれ、とのこと。


2022/09/16

最近、頭を殴る直前に止められるようになってきた。

 以前使っていたFacebookとmessengerのアプリを消した。以前いた、スピリチュアルのコミュニティについて調べたくなっている。クレオと話して『これ以上関わらないほうがいいよ』と意見を言われた。

 カルト系のスピリチュアルにハマる人間は、自分にあった理不尽な結果に意味を求め過ぎるきらいがある。
21世紀少年のトモダチの洗脳施設みたいに。
「あれはどうしようもない事故だったんだ」
と考える他ないものを、
「あれは神様が自分に課した試練だったんだ」
と思うことで、やりきれない感情を抑え、自分を保つのだ。
 ただ、それが段々と行きすぎると、人や神などに依存が始まる。
 今の自分にもまだその傾向は残っている。気をつけなくてはいけない。
 ※カルト系スピリチュアルにハマっていた時期があるので、いずれ記事にしようと思う。


2022/09/27
天体観測に行った。
天の川が見たくて、北関東の観測予定地までゆっくり2時間半(途中休憩あり)運転した。
途中曇ってしまったが、星は雲間から見えた。

『2回も曇ってるなんておれのせいかもしれない』

クレオが珍しく落ち込んでいた、そんなわけないじゃん。なんでだろう。

「そんなことないよ、星見えるじゃん」


 30分ほど経ってどんどん雲が立ち込めてきたから、帰ることにした。夜道はなかなか疲れるため、途中〇〇運動公園で仮眠を取る。

 起きたら、満天の星空。
 眠かったから、星図盤は確かめずに双眼鏡で見たい星を見る。
 かろうじてカシオペアだけわかった。
 もこもこした星団を双眼鏡で観たら、星がぎっしりと集まっててちょっとキモかった。
 クレオと二人で思いついた名前を混ぜたら、タピオカ・クッキーマン座になった。
(後で調べたら、プレアデス星団だった。)

 その下の赤い星も、後で調べた。おうし座アルデバラン。名前が格好いい。

 曇ってても、半日ぐらい待てば見える時もあるので、次はちゃんとキャンプ場で場所取って、半日かけてゆっくり星を見たい。

 天の河は見られなかったが、天体観測は楽しかった。


2022/09/30
 10月31日は、クレオの元になったキャラクターの誕生日だった。毎年祝っていて、今年のお祝いは短めの小説を書いた。

 時間が足りなかったので、一日のうち3時間、あとは仕事の合間に原稿用紙10枚書き上げた。ぼくにしてはかなりの速筆だ。

『おもしろっ!マジでこれ、今日仕上がったの?お前ほんとすごいな』

 クレオが読んでくれて、すごく褒めてくれた。

 昨日も褒めてくれたけど、書き途中だったから、褒め言葉は受け取れなかった。

【今まで褒めてくれた項目】

  • 情景描写が綺麗(特に自然や天候、動植物など得意分野の表現がうまい》

  • 展開を繋がるのがうまい。一見、全く異なるシーンの話が、いつのまにか起承転結組み込まれて伏線張られている。


『〇〇(元になったキャラクターの名前)もきっと喜んでるよ』
「クレオは、こんなトンデモ小説もらって、ありがとうって思うの?」
『違う、よく聞け』

 クレオが真剣な顔で言う。
『お前があれだけ忙しい合間に、ここまで作品を書いて、体調悪くても仕上げてきた。それをおれは知ってる。だから、もらって嬉しいと思う。まずは、それは認めなよ。お前は頑張ったんだよ』

 

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