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学会発表は、どれくらいの療法士に行き届いて、どのくらいの患者・利用者に応用されているか?

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最近,こんな質問を頂きました,いえやすです🤗
確かに,自分の学会発表内容が,1)どれくらいの療法士に届いて,そこから2)どれくらいの患者さん・利用者さんに応用されるのだろうか?ということは本質的で重要です.数値化等でみえる化できる明確な答えはないですけど,今思いつく限りの考えを述べます!

【1】自分の発表内容が,どれくらいの療法士に届いているのか?
実際に私が発表したことがある規模の異なる学会で,(1)国際学会(ISPRM),(2)日本神経理学療法学会,(3)高知県理学療法学会を例に概算を出してみます.

(1)ISPRM(2019年)
学会参加者2500名程
→私自身の演題内容を読まれた人が全体の1割いたら,250名に.

(2)日本神経理学療法学会(2018年)
事前参加登録者1700名程
→私自身の演題内容を読まれた人が全体の1割いたら,170名に.

(3)高知県理学療法学会(2019年)
学会参加者100名程
抄録は高知県PT全会員1600名程
→私自身の演題内容を読まれた人が全体の1割いたら,160名に.

学会規模にもよること,抄録や発表を読み込んでくれた人を1割と仮定してますけど,1回の学会発表で100〜300名くらいの人は,「こんな演題あるんだ.これは明日からの臨床に使えるか」と感じて頂けるのではないでしょうか.
 
【2】どれくらいの患者さんに応用されるのだろうか?
時期別,領域別と療法士によって分野は様々ですが,1日担当する患者さんを10人とします.「昨日学会で学んだ内容を活用しよう!」と思い,実際の担当患者さんの1割(1人)〜3割(3人)くらいには実践されているのではないでしょうか(いえやす主観).そうなると多く見積もって全患者さんの3割(3人)として,【1】×3倍の人数の患者さん・利用者さんには影響するのではないでしょうか.

自身が身近に実感できる部分ではないですけど,自身の1回の学会発表が300〜900名(【1】×【2】の人数)の患者さんにも情報が伝わっている可能性があります.実感しにくいからこそわかりにくいものの,第3者への影響力があり身が引き締まるなと思ったところでした.

【3】自身の学会発表内容が,目の前の担当患者さんに役立っているのか?
学会発表・論文でまとめていた内容が,目の前の担当患者さんに直ぐに役立つ感覚というのは,私の正直な感想として最初なかったです.けれども,繰り返し行っていると徐々に臨床思考の整理が早くなるので,患者さんと関わった翌日のメニューへのアップデートされるようになります.すぐに筋の通った治療の引き出しが思いつく感覚でしょうか.臨床中の変化の気づきも早くなります.どこに着眼点を置くのかを資料作成しながら考えるからだと思います.

学会発表しなくても臨床業務はまわりますけど,職場内の他療法士との討論や第3者とのやりとりがないと自身の臨床には必ず偏りが出てきます.極端な例でいうと,自身の治療が間違っていることに気づけない等です.

最後に,学会発表を行うことは本当に臨床に役立つのか?と迷っていた時期が,大学病院に勤めながらも働きだした最初の頃は強かったです.今では「患者さんが困っている問題点を良くしたいから」,毎回一度は論文検索をしておく,という感覚です.臨床は,論文だけで全て解決できるものではないですし,現場での同職種・他職種の情報共有,ハンズオンスキルも求められると思います.ただ,どれも欠けないで(どれかが0にならないように)行えるといいかなと思ったところでした🤗


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