耳の赤い跡。嫉妬を分解したら不平等な悲しさが出現した。
僕は君の右に座った。
当たり前のように。
君と座るとき僕はいつも右だった。
僕はブラックのアイスコーヒーを。
君はホットのアメリカーノ。
パン・オ・ショコラを共有する。
君の美しい肌が朝の太陽に照らされる。
クレーターがある美しい肌。
僕はその日も眺めた。
優しい垂れ目
ちょうどよく整った鼻
薄い上唇
ぽってりとした下唇
形のいいあご
顔の輪郭からデコルテ
視線を上に戻し
首すじ、耳をなぞるように見た。
赤い跡
君は狼狽した。
僕は気がついてしまった。
僕は君を独占したいんだ。