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「問う」ことを習う

六月頃から、鈴木一博先生のオンライン読書会に参加しはじめました!

シュタイナーのテキストをもとに「テオゾフィー(神智学)」と「カルマ論」について学んでいます。

字面からして、なんだかむずかしくてアヤシイこと、自分から遠いことのような感じがしますが、蓋を開けてみたらその逆。むしろ、あたりまえすぎて考えたこともなかったような、身近すぎて見ようともしていなかったことばかりだと感じました。

普通に使っているし、それを生きてもいる。でも、目を向けないと「ある」と気づかれない。そんな人間の働きについて学んでいる感じです。(伝われ〜)

ちなみに、わたしが鈴木先生の講座に初めて参加したのは、シュタイナー教育教員養成講座のときでした。教員になるために欠かせない「普遍人間学」の講義を、鈴木先生の翻訳&お話から学ばせていただいたのです。

人間学はとても難しくて、何もコメントできない回が多々ありました。でも、それよりも何よりも、鈴木先生の世界に浸れることが、毎回とても楽しみでした!

なんだかよくわからないけれど、「へぇ!そうだったんだ〜」と気持ちが明るんだり、瑞々しいものが込み上がってきたり。そんな体験をたくさんさせていただいたと思います。

話を読書会に戻します。

今回、コロナのおかげで始まったこの読書会。数回参加させていただき、「あぁ、そういえばそうだった」と思い出したのは、問いを立てることの大切さについてです。

教員養成のときも、鈴木先生は何度もおっしゃっていました。

でも今回、言葉の上では知っている「つもり」だったけれど、何にもわかっていなかったんだな〜!ということがわかってきました。

問いは自然には立たない

わたしは、問いを立てるのが苦手です。先ほど述べたように、「へぇ、そうなんだ〜!」と思うことはできても、その先に行けないという感覚がいつもありました。

今思うと、それはお客さん意識(受け身)でいすぎたし、自然に任せすぎだったようです。

自然は問いを立てない
問いは、意識してつかめるもの

こう言われて、そうか、「つかむ」ことをしていなかったよな〜とわかってきました。

そもそも「つかむ」という動作に関わるもは全般的に苦手な傾向。(夢や目標をつかみにいく、選択肢の中から選び取る等、能動的な姿勢)

さて、どこから手をつけたらいいのだろう!

とりあえず、な〜んにも問いが思い浮かばないというときは、具体的なものごとを「つかむ」ことからはじめてみようと思いました。

問いが立つ条件

では、どうやったら問いが立つのだろう?

問いが立つ条件は、

私にとって+私にむけて

であるというお話がありました。

私にとって:他人事ではなく自分ごとにできているか

これで思い出したのは、大学時代にドイツへ行ったときの体験です。

一ヶ月の滞在を経ていざ帰ろうというとき。空港のカウンターで荷物を預けようとしたら、荷物の重量がわずかにオーバーしていました。

スタッフの方(愛想が全然よくない)に1万4千円ほどの超過料金を求められたのですが、あとはもう帰るだけ!と思っていたので、手持ちのユーロではほとんどありませんでした。運悪く、見送りにきてくれたホストマザーもお財布をお家に置いてきていて、「どうしよう、支払えない・・・」と二人で立ち往生。

そのとき、いきなり見知らぬ男性がクレジットカードを差し出して、立て替えてくれたのです!

驚きました。なぜ、見知らぬ外国人のためにそこまでできるんだろう・・・!?帰りの飛行機の中で感動しっぱなしでした。

あの時、搭乗までの時間に少しだけその恩人とお茶をして、トルコから出稼ぎに来ている人だということだけはわかっていました。

そういえば、トルコは親日国だって聴いたことがあるな。なんで親日になったんだろう?

帰国後、何度もこの体験を思い返すうちにこんな問いが生まれてきて、いそいそと調べました。そして、エルトゥールル号事件(1890年)という歴史的な背景があることを知ったというわけです。

もしも、こんな体験をせずに「世界史」の教科書からしかエルトゥールル号事件のことを教わらなかったら。トルコという国は自分ごとにならなかったのではないかな〜と思います。

もういっちょ、

私にむけて:外に答えを求めずに、いつかの私の中から答えが出てくる

について。

「いつかの」というところが面白いと思います。これには、辛抱強く「抱える」ことも必要そう。

こんな具合に、シュタイナーのテキストを鈴木先生の訳で読むようになってから、内的な身振りに意識を向けることが増えてきました。そのほうが、「へぇ、そうなんだ〜!」の先、習ったことをきちんと現実のものにする働きに近づけるような、そんな気がしています。


うまくまとまらず、長くなってしまいました・・・。最後まで読んでいただきありがとうございます。



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