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移住のあれこれVol.6「移住と物価」

良く地方は物価が安いなんて言いますが、本当なんでしょうか?
東京圏から地方移住した身としては、確かに安いと思うものもあるのですが、逆に高いと思うものもあります。
その辺りが気になったので、総務省統計局が出してくれている消費者物価地域差指数をもとに考えてみます。

消費者物価地域差指数とは?

地域別の物価を明らかにするために小売り物価統計調査をもとに作成されたものです。全国的な物価水準を100とした指数を地域別に作成したものになります。

地方別10大費目別の物価水準

都道府県、市町村別で作成すると長くなるので、地方別にわかりやすくグラフ化してみました。ひとまず、地方ごとの水準から傾向だけを見ることにします。

北海道地方

北海道地方は住居にかかる費用が安く、光熱費と被服関連に費用が掛かる事が見てわかります。気候を踏まえれば当然だと思います。しかし、北海道も大きいですし地域によって大きく変わってくると思うので、あくまで傾向ととらえてください。


東北地方

東北地方は住居の他に教育に関する支出が少なく、水道光熱費が高くなっています。青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島の6県の平均ですが、だいたいの傾向はわかると思います。


関東地方

関東地方の物価水準

東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨、長野で平均でバランスが良くなっていますが、やはり住居にかかる費用は突出しています。日本の地方区分を10区分でわけてあり、北関東と南関東の全ての平均になってくるので分解しないとわかりにくいかもしれません。東京だけ分解してみてみます。

東京都の物価水準

関東地方の物価水準の平均と比べるとあからさまに違います。水道光熱費に関しては下水もガスも整備されていますし、気候も安定しているので平均より安くなっています。ただ、それ以外は水準より高く特に住居にかかるお金が高くなってきます。全国的な平均に比べ30%ほど割高です。


北陸地方

北陸地方の物価水準

北陸地方は新潟県、富山県、石川県、福井県になり前回気候の記事を事を書きましたが日本海気候に属しています。北海道。東北と同じく冬が寒い所ですが、光熱費が平均より下回っています。寒い地域は光熱費があがるイメージだけどなんでだろう?グラフだけでみれば物価は安そうに感じます。


東海地方

東海地方の物価水準

東海地方は岐阜県、静岡県、三重県、愛知県の平均になります。全てが基準以下にまとまりバランスが良いですね。東京、名古屋、大阪など都市圏に近いエリアなので、移住で人気があるのもバランスの良さがあるのかもしれません。


近畿地方

近畿地方の物価水準

近畿地方は滋賀,京都,大阪,兵庫,奈良,和歌山の平均になります。教育費だけが突出してますが、教育だけでランキングすると1位から4位に近畿地方がランクインしてます。そして住居と光熱費が安いのがポイントです。


中国地方

中国地方の物価指数

中国地方は鳥取,島根,岡山,広島,山口の5県。日本海側気候の鳥取、島根。瀬戸内気候の岡山、広島。太平洋気候の山口となるので光熱費に関しては差がでてくるかもしれません。平均でみると住居と教育に関しての支出が少なく、光熱費が多いです。中国地方は総合的な指数をみると全国平均を下回るので支出が抑えられるかもしれません。


四国地方

四国地方の物価指数

四国は徳島,香川,愛媛,高知の4県。グラフをだいたい平均値に近い数字で特に費用がかかるといったものがないですね。中国地方と同じく住居と教育にかかる支出が低いのがわかります。


九州地方

九州地方の物価指数

九州地方は福岡,佐賀,長崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島の7県。7県の平均ですが、ほぼほぼ平均値より低いので物価が安いと考えられます。広いので大きな都市のある福岡県を抜き出してみます。

福岡県の物価指数

平均値とほぼほぼ同じグラフになっています。大きな都市のある県だけど、バランスが良く住みやすそうな印象をうけます。


沖縄地方

沖縄地方の物価指数

沖縄地方は物価が安いと聞いたことがありますが、他の地方とは違う特徴的な形をしていて特徴的です。食料に関しては島々が点々としているので輸送費がかかるので若干高いのだと思います。保険医療がもうちょっと安くなれば星形になるのに・・・


後書き+おまけ

 グラフは令和4年の統計データをもとに地方別に視覚化してみましたが、実際色々な要素が絡んできますし、グラフだけで物価を判断できませんので、あくまで目安でとらえてみてください。
 例えば、東京は物価が高くみえますが給料水準も高いです。東京の給料水準を保ったまま地方へ移住できれば物価が安いと感じられると思いますが、地方へ移住したことで給料水準が下がって車などの出費が増えたら、物価が安いとは思わないのではないでしょうか。

 ちなみに糸魚川市の消費者物価地域差指数を探してみたら、平成22年まで調査されていたようで当時のデータを視覚化してみましたのでご覧ください。

平成22年の糸魚川の物価指数

 全体的に全国基準より高いのがわかりますね!古いデータなので今現在もこのままなのかと言ったら違うと思いますが、支出の傾向はわかると思います。

 今まで載せてきた地方の指数は調査されている自治体の平均値ですし、例えば人がいない僻地に住むとなったら、もちろんコストも上がるのであくまで目安です。自治体によってはデータを公開していますので、物価で考えず生活の傾向をみる参考程度におさめた方が建設的だと思います。

 自分がやりたい事が出来る好きな土地に移住し、ストレスを感じないライフスタイルができるのが一番ですので、お金に囚われすぎる移住は失敗のもとだと思います。


糸魚川の物価指数を見て高すぎ!って思わないでくださいね(笑
データは平成22年のものですし、平成27年には北陸新幹線も開通して東京までのアクセスもよくなりました。ポテンシャルの高い穴場の場所だと思っています。ブログ内でも糸魚川の魅力を少しずつ書いていますが、伝えたい事がたくさんあります。気になったら糸魚川の名前だけでも覚えてくださるとありがたいです!