憂いたしょうもない日々が 招いた悪気もない件だった こんなに絶望してどうしたんだ? 僅か手にした希望も何も 少年は嗤う蝉時雨の朝 同情もする予定は無かった 下した許しが怒りに変わっても 恥晒しがのたまうだけ 自惚れんな、それがお前だ 傷み分かち合え 譲れないってもんがあるけれど 前に進め、それが今だ 掠め取る世界 息づくように覚悟契り合った 誰かが忙しなく言った 「平等も不平等の内…」 ルールでがんじがらめじゃ どうしても 選りすぐられていくみたい 探す者 探される者
よくよく思えば『生』に固執していた若き頃。何者かになろうと懸命に生きていた。確かにポテンシャルはあった。けれど、それを活かす方法が判らずじまい。そもそも「どうして何者かになろうとしているのか」すら解っていなかった。 時は経ち、老いに勝てない体で未だ、何者かになろうとしている自分がいる。ただそれだけが自分を生かしている気がしてならない。馬鹿も甚だしく、けれど、周りの人間は寛容で。甘えなのだろうか、甘えでもいい、僕は生かされたい。 その一歩を踏み出す勇気が、かろうじてあ
官能的な味を求めて…。
海鳥は物憂げに虚空を見つめている 雲一つない穏やかな空だ 喧騒から解き放たれた僕の遺骸は 花々華やぐ桶に納められた 忘れそうだ、忘れるのかもしれない 記憶が曖昧だ、何かが遠のく 悲しくはない、けれど嬉しくもない 何を見た、何を感じた、何を、一体… 桶が海水に浸かった、そして潮に満ちた 僕の身体ごと、ゆっくりと沈む 「助けてほしかった」 「見届けてくれて安心した」 「僕は何者なのだろう」 様々な考えが巡る 僕は大海原へと旅立った もう、誰と逢うこともない 暗く深い海の底へ
平凡な毎日に飽くような 差し色のような夢を見た 光を纏ったそれは 何ものにも代え難く 僕を、君を、導いていく 然程白む震えに魅入られて 欲を言えば焦燥からの逃避行 ただそれだけの甘え ぼんやりとした輪の中に 渇きも潤いも 見ることができた 丸く優しい歌だった
忘れがたき僕のフリッパー ないと困るけど あればあるで邪魔なのだ 社会から断絶された 悲しき僕の、愛しき闇 メモの走り書きが 温みをもっていた 人差し指で描いた 切望のような ダイイングメッセージ また明日が来ることを 感じられる心が欲しい 大人になりきれない 意味の意味を知らない 世界が廻っていることも いずれ命が尽きることも 僕が僕であることすら 誰が誰で、何が何で 如何に歪で、虚実を並べ 美しいものも、下卑た夢も たった一つの、命 子供にもなりきれない ならば何
落ちて 落ちる 落ち続けては まばらな境界線 それは九月 大人には解り得ない、嘘 または滲んだ青と青
淋しさも愚かさも 煙る夜更けの残骸で たかだか数銭の 出来事でしかないと 私のお口が吐き出した
君は数時間 眠こけて裸でこっちを見ない 揺れるモビール 生温い缶ビール どう、けりをつけてくれるのやら 慌ただしい毎日の その中の一つひとつが 何となく走馬灯のようで まるで僕は死んだみたいだ 窓の外はしとしと雨が降ってて 扇風機が心地良い風を運ぶ 良かったね、君だけは 夢の中でずっと生きている 夜が、夜が更ける 君と僕を包んで運ぶ 明日になれば全てが果てる 名も無いような時間が溶けて 僅か、僅かに 僕ら、僕ら同じ穴のムジナ
湿っぽい。実に。 夏は夏でも、梅雨入り前だから、それが済まないと初〝夏〟と名乗ってはいけない。 何ていう、冗談をめかす。 時折、ベタつく肌に苛々としてしまうけれど、風呂に入ろうとすればバスタオルが洗濯中だったりする。 今日は晴れ時々曇り。まあよく乾くだろう。 家事に仕事に、な働き者の自分が、更に働き者の夫を見送る。 互いに励まし合える、戦友のよう。 流れる時間と風に心地良さを感じ、うとうととしてしまうが、これもまた、人生の内の一つ。 安らかに眠れるよう、コツコ
慎ましく生きて来たつもりだけど 頭の中は煩わしくあった 温和な人となりを見ても 実は激しい衝動に駆られたい そう願っている自分に 私は手を叩いて声を荒げた それは渦だった ぐるぐると私を掻き乱した それは枷だった 何者にもなれない駄目な私が 引きちぎった血の鎖でした 出来ることなら イチからやり直したい 出来ることなら 何者かになれれば そんな幸せを私は願っていた なるようにしかならない世の中 善も悪も判らなくなった 子供の私を私は喝采する 親は子が一番と吠えるものだか
はじめまして。 千屋 ゆう子・・・せんや ゆうこ、と読みます。 この名義では、文芸や絵などの創作活動をしています。 実は、note歴結構長かったり。 noteがリリースされたばかりの当初に、記事の毎日投稿バッリバリやっていました。 でも、だんだんと失速していき、気付いたらアメブロの方で記事を書くようになっていました。 再びnoteをやってみよう、と思ったのは、先日から、文の活動に今まで以上に力を入れようと決め、ならnoteもイチからまたやりたい!と思ったからです。