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感染症診断に役立つ情報とはどのようなものか?~感染症診療の基本的な考え方~その4

こんにちは
4月も下旬に入り、新しい生活様式にも徐々に順応されつつある状況かと想像いたします。

公立昭和病院 感染症科・感染管理部ノートでは、引き続き感染症診断についてお話を続けてまいります。

まずは、前回(感染症診療の基本的な考え方~その3)の復習事項から

感染症診断では、限定列挙の考え方で、目の前の患者の皆様の鑑別診断をあげていく~できれば少ない選択肢の限定列挙となるように~が重要ポイントでした。

それでは、感染症診断で限定列挙された鑑別診断について、一つずつの選択肢につき、可能性をさらに限定していくためには、どのような情報があればよいのでしょうか?

下記の症例で考えてまいりましょう。

年齢・性別だけではね」
またムズカシイ問題を・・・
「前回のお話で、難易度∞って、そちらが言ってましたよね」
情報が少なすぎなんですよ!!」

ハイハイ、そうですね。情報が少なすぎで、感染症診断なんて考えられるわけないですよね~これで鑑別診断あげるとか無理すぎます。

では、読者の皆様が大好き?な、日頃から大変お世話になっております情報を追加いたしましょう~
            
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じゃじゃ~~ん。
CRPの登場です。
しかも、かなり高めの値ですね
では、読者の皆様は、感染症診断として上記CRP値の高い患者の鑑別診断が何か挙げられますか?

「まだまだ情報が足りないよ・・・」
「CRPだけでは、ムズカシイ」

そうですか。ではさらに情報を追加してまいりましょう!

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年齢、性別、CRP異常高値に加えて、体温上昇、血液検査で白血球上昇も判明しました~

それでは、上記追加情報を考慮して、鑑別診断を頑張ってあげてみてください!

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ムリですよね~
そうです。筆者がここでご理解いただきたかったのは、
・発熱
・白血球数上昇
・CRP高値

は、感染症診断を限定することには、残念ながら役立てられないという事実です。

でも、CRPや熱、白血球数は、感染症診療で役に立つと思いますよ~日頃から大変お世話になっておりますし・・・そうですよね~

筆者は、熱、白血球数上昇、CRPは高値は下記のスライド記載の点で、感染症診療の役に立つのではないか?と考えております。

要は、どのようなものでも、そのものの認識および使い方を工夫すれば、有効活用の余地があるということでしょうか。

次回もさらに感染症診断のお話を続けてまいります。

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