渋谷「公園通り西地区市街地再開発事業」にみる閉鎖的シブヤ村の問題

昨日、これを書いてつい#未来のためにできることタグを入れたら、文字数1000文字というので、大幅に削減

1000文字以外の、シブヤ村の問題を書いてみる

渋谷「公園通り西地区市街地再開発事業」の問題

この公園通り西地区市街地再開発事業とは、渋谷区役所の手前に、渋谷ホームズというマンションがある。ここが建替えに隣の神南小学校を一体化して、周辺の区道も廃止し、タワービル/マンションを建ててその中に神南小学校も入れようという計画だ。

渋谷ホームズは元都営住宅地に建てられたSRCの丈夫なマンションだが、東日本大震災後の、日本人はどこの未開部族か?迷信で、ヒステリックに旧耐震基準建築は全部ダメダメ建替え風潮になった時に、この渋谷ホームズもいい加減な耐震診断(耐震診断の数字が信用できない事は知っている人ならみな知っている事実)を元に、建替えを考えた。といっても賃貸でテナント使用が多いマンションだから、テナント追い出しをスムーズに進めるために、マンション建替えではなく、第一種市街地再開発事業で建替えようと考えたのが始まりらしい。この単独第一種市街地再開発事業は、渋谷区にダメだしを受けたけれど、その際に渋谷区が余計なコンサルタント会社を紹介して、そのコンサルタント会社が、東急、清水建設を巻き込んで、神南小学校と一体での(つまりより敷地面積が大きい)第一種市街地再開発の絵を描いたという流れだけれど、区道を廃止(して区道の面積も渋谷ホームズにくれてやる)、小学校がマンションと一体化、いかにも渋谷区のふわちゃん長谷部区長とその取り巻きが好きそうな、東急様に一体開発してもらって、小学校の建替え費用を節約しましょ、っという幼稚甘え強欲の浅知恵が見え見えで、だから近隣説明も悪く、近隣を中心に渋谷区の中でも反対の声が大きい、第一種市街地再開発計画で、現在令和6年1月12日に渋谷区が公園通り西地区第一種市街地再開発事業の決定という段階にある。ちなみにその前の渋谷区都市計画審議会では、外部から学識経験者として招聘している会長が反対しているのに、参加の区議たちが、東急や渋谷ホームズに迷惑をかけられないという理由で、むりやり賛成された。

渋谷「公園通り西地区市街地再開発事業」の周辺説明会

対活動があるだけあって、この渋谷「公園通り西地区市街地再開発事業」の周辺説明会では用心深く、入場時に氏名住所を記入させられ、マスコミお断り写真撮影録音禁止、資料配布無し。
前の机には、清水建設、東急、コンサルティング会社の担当者が並び、(とはいえ全員担当者レベルで部長クラスではない)少し離れて渋谷ホームズの人たちが設立した再開発組合設立準備事務局のおっさん。別に司会担当者とサポートの人が数名。
一方参加者の方は、ちゃんと数えていないけれど、50名弱でしょうか。

時間は1時間で、再開発計画の説明と質疑応答。って最初からどう考えても質疑応答の時間が足りない。だから実際は30分くらい延長して、それでも手を挙げた人全員話せていない。

発言者は、地区と名前を言わされるルールで、多分外部の反対屋を封じでしょう。
発言した人はほとんど、道玄坂、神南、あとパークコート(区役所の隣NHKの正面にある、芸能人住民が多い事で有名な1LDKでも億のタワマン)の住民。私だけが渋谷(渋谷駅の反対の山手線内側)そこは渋谷駅近隣地区という事で。

反対意見者はみな根拠を出して合理的に反対意見を言う

参加者には賛成派と反対派がいて、反対派にはバシバシ突っ込みを入れる武闘派おっさんも数名いて楽しい。ただその方たちを別にすれば、私の印象として、再開発反対の方は、説明会の度に説明がころころ変わった事や、小学校が高層ビルに入る事での将来の事故の心配、必須性があるのか等を丁寧に具体的に説明している。
発言したパークタワーの住民も、反対意見。フード被って顔が見えないけれど多分20代、押し出しはないけれど、自分の頭で考えて論理的かつ丁寧に話をする人で素晴らしい。(高級カジュアルファッションのセンスの良さが、芸能人かミュージシャンかという感じだけれど、さすがこの若さでリッチだけあると納得した)

一方で賛成派は、今の校舎ボロイから子供のために建替え賛成だとか、渋谷公園通り商店会の会長が、公園通りは災害時避難場所である明治公園への通路だから、建替え賛成だとか、考えが足りない。

渋谷ホームズの事務局の人も、50代くらいの「ふわちゃん」で、資料もなく写真撮影ダメな理由は、今までもXに乗せる人がいたからだとかいうけれどSo What??。会が終わってから直接言ってやりました。「被害者ぶりっこドラマクィーン」と。本人は目をむいていましたけれど、私の中ではこれでこの人のあだ名決定。

途中で反対の意見の人も賛成の意見の人もいるが、と言った人がいたが、私の実感として、社会や街の規範あり方と将来を真面目に考える人と、便利なら良い程度の薄っぺらい人がいる。という違いだ。

人口半減時代を生きる子供たちの将来を考えるなら、再開発は反対


ところで最後に渋谷公園通り商店会の会長が賛成をして締めにしたかったらしい進行に反発して、私はマイクを奪って最後に意見を言ってやりました。

この想定外の災害大国日本で、新耐震基準建物だから大丈夫とかはない。
想定外の災害時に、今の建物が倒れるのと、高層マンションが倒れるのと、どちらが被害が大きいか。
第一、60年後100年後人口半減して使う人も減ってこの高層マンションの修繕ができなくなったら、小学校はどうなるのか??
この人達は、今のサイズの建物の修繕費だって出したくないから建替えしたいと我儘いう人達ですよ??次は100階建て建てるのか?と

結局今の再開発は、人口半減時代に生きる将来の子供たちに、建物維持費をの倍増先送りでしかない。酷い話ではないか。

シブヤ村の人たちの問題

ところが最後の意見を言っている時、会場に少し年上の知り合いが何人かいて、こいつらがお前生意気的に、人の話に低レベルなチャチを入れてきた。
将来のメンテナンスは東急がやるんでしょ、だとか小学校は渋谷区が面倒みるのだろ、だとか。もう隣のパークタワー(高層マンション)があるのだから、いいじゃないだとか。

ちなみに区役所建替え費用を賄うために旧渋谷公会堂跡地に建てられたパークタワーは、70年定期借地だから、後60年後に解体。こういう産業廃棄物を平気で出しまくる日本の精度も問題で、こちらはこちらで声を上げるとして、問題行為でもAがやったならBもいいじじゃないか、という思考停止の幼稚で甘えた屁理屈が私は大嫌い。

こういう時、渋谷近辺は、実は昔ながらのダサいシブヤ村。と本当に思う。

渋谷の問題は、渋谷のビルや店舗のテナントはイケているが、地権者はダサい。渋谷ブランドを作っているのはテナントで、地権者は関係ないのに、地権者だけが決める権利があるこのいびつさ。

バブル時代に美味しい思いをしたビルオーナー達は、デベロッパー主導で美味しい思いアゲインしか頭にない

渋谷駅周辺地区は、80年代バブル時代にビル街になった地域。
町会やなにやらの中心は、30代くらいでバブルに遭遇してビルを建ててビルオーナーになり現在70代後半から80代前半。この世代が30代くらいから今までずーっと主役気取り。
それでも10年くらい前は、どこも戦前世代が会長や要職を占めていて、人望もあり街もまとまりがあった。けれど代替わりが進んで現在70代後半から80代前半が中心になると、この人達ビルオーナーになってから社会との接点が欠けて人間としての成熟がなく、自己中心的でみなバラバラになってきた。(ちなみにだから渋谷金王八幡宮の例祭ではどこの町会も御輿を出すけれど、どこも外人部隊が中心(お神輿担ぎ会のような人達が来てくれる))

その80年代バブルで思考停止の方々、借入金を作り苦労した人たちも少なくないとはいえ、当時の記憶で市区停止し、ビルがたったの40年50年で老朽化建替えという昭和の迷信で凝り固まったまた地域の繋がりを作れない寂しい人達。そこにデベロッパーが擦り寄り、采配発を囁いて、またあちらの築が美味しい思いしているならうちの地区もと、雨後の竹の子のごとく再開発計画が乱発中。それで東急子飼いと化したふわふわ長谷部区長もお喜び。

より深刻な世代断絶と上世代依存文化

もう一つの問題が、後の世代が、この方々の子供たちも含めて、関わらない事。関わるのは、大人しい人が多い。あと10年もして現在70代後半から80代前半の方々も引退したら、もはやほとんどの町会消滅でしょう。
新しい高級マンションの住民たちは、濃ゆいシブヤ村の人たちとは付き合えない。

そこに平然と入って自分の立ち位置作れるより若い世代の人は、ほっんとに限られているから、お互い顔は知っていたりする。この「より若い世代の人」も、私より年上のバブル世代かその下が多く、上世代に依存している。私は長らく年上の先輩として礼儀正しく接してきたけれど、だからといってこうした話し合いの場で、年寄りに忖度しない自分達が考えたくない事を私が発言したからと、やじって私を黙らせる権利があると勘違いするのなら、私ももっとはっきり言うべき事は言うぞ。このやろう。という感じ。こいつらは、親の建てたビルと親か祖父が成功した会社でしか生きていないから、一様に「自分では何もしていない」コンプレックスが強い。一方私の方は、こいつらふわふわしている間に、英欧に出かけて友人沢山作って英語を話し、日本の社会でも一定のキャリアを積んできた実績がある。だから普段あえてコンプレックスを刺激する事は言わないけれど、刺激しなければ私が言うべき事が言えないなら、いくらでも刺激をしてやるよ。

こんな感じで、皆シブヤの文化自慢のクセに、シブヤ文化とは縁のないシブヤ村の人たちが、シブヤの将来を決めてしまうバカバカしさときたら。

アナタは日本人ですか?どうして英語を話せるのですか?


ところで終了後に、再開発賛成派の渋谷公園通り商店会の会長が私に話しかけてきた。多分80代か。でもスーツを着た老紳士だ。

この人が、渋谷区役所へのアプローチに「デベロッパーにお願いして、動く歩道を作ってもらえばどうか?と提案下さった方で、私は、「いつまでも昭和の積りでデベロッパー依存を止めるべき。人口半減時代に向けて、私達はデベロッパーに依存しない、人口激減時代にも持続可能なシブヤの街作りを考えなければいけない。」と力説したわけだが。

この方、この話の前にまず私の人物スクリーニングから入って(資産家では珍しくない)あなたは渋谷にどのくらい住んでいるのですか?等聞いてきたので、私も、渋谷の人間だけれど同時に世界の事も知っていますよ、を知らせるために、英語で少し話をした。すると、

あなたは何人ですか?

と聞く。日本人です。と答えたら、

どうして英語を話せるのですか?

と真面目に聞いた。だって私が育った頃は既に「これからは英語が必須」と言われて、20年以上インターネット時代で、お金をかけずに海外に友達を作って、顔を合わせて話す事ができる時代ですよ?っと。

日本の再開発言論統制に風穴を開けてやろう!


で、私がイギリスやドイツやフランスやスイスで古いビルオーナー達の修繕取り組みを見てきた、日本人は物の価値が分かっていない。等々言っていたら、この方が最後に、あなたは神南小学校の建替えも反対なのですか?と聞く。反対と堂々と答えた。
耐震工事とリノベーションすれば、綺麗になりますよ。後何十年か使って築100年を超えてごらんなさい。渋谷の歴史を語る建物として、尊敬されますよ。と。
そうした話をしていたら、私も実は渋谷駅周辺の再開発ラッシュには反対なんだ、と最後にぼそっと漏らした。

まるで第二次世界大戦末期に表向きは「欲しがりません勝つまでは」とか言っていて、実は内心戦争反対なんですよ・・と言いつつ、何もアクションせずに多くの市民を殺した戦中世代と全く同じではないですか。

1人1人は、再開発に疑問を持っていても、ビルが築40年築50年になって(修繕費が増加したら、修繕費を払うより)再開発で大きなビルを建てるのが当たり前だよね、という昭和の思考停止に囚われたまま、昭和の人口激増時代はそれが出来たけれど、令和の60年後には人口が半減する時代にそのロジックは通用しないでしょうという事を自分の頭で考える力もなく、反論できない以上、「そうしなければいけないもの」と思い込む事にして、賛成同調して居場所確保・・・というのが日本人の本質。

こういう村感覚は、多少時代が変わっても変わらないんだろうなーと思います。ただ今は特高警察もいない時代ですからね。地味に渋谷のダサい側の人達に、再開発反対の理由を、沢山言って聞かせて、揺らぎを作り、突破口を作るしかないですね。対話ではないです。言って聞かせるです。

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