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PI値って何? その4

PI値って何?シリーズ、その1からその7までの7本を集約したマガジンです。その4のみのレポートとデータは下記からご購入できますが、7本すべてが購入できる、こちらのお得なマガジンもご検討ください。

PI値って何?、その4、店舗比較についてです。PI値はPOS分析、ID-POS分析の基本指標のひとつですが、そもそもは比較のために生まれた指標ともいえます。これまで、その2で商品比較、その3で時間比較を取り上げましたので、今回、その4では店舗比較を取りあげます。
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このシリーズでは一貫してバナナを事例にPI値を解説していますが、今回もバナナを取り上げます。店舗は5店舗、京都店、広島店、札幌店、鹿児島店、東京店のPI値の違いをバナナで解説します。注目店舗は札幌店と鹿児島店です。この両店は対照的な店舗で、札幌店はこの5店舗の中で客数が最も多い、規模の大きな店舗です。これに対して、鹿児島店は最も客数が少なく、規模の小さな店舗です。この2店舗に注目してバナナのPI値を比較してみると、圧倒的に客数の少ない鹿児島店のバナナのPI値が高いことがわかります。このように、PI値は規模の大小、すなわち、客数の多寡では決まらない指標といえます。実際、様々な商品でPI値の店舗間比較をしてみると、ほとんど客数とは無関係であることがわかります。むしろ、客数の多い店舗の方がPI値が低いケースが多い場合が多々あります。PI値は、その意味で、客数の大小に左右されない指標といえ、様々な客数の店舗でPI値比較をすることが可能となります。この原理を活用し、全国PI値が誕生したという背景もあります。
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では、PI値は何によって変わるのかですが、これはかなり難しい問題といえます。たとえば、前回、その2で取り上げた価格との関係ですが、これも店舗間では必ずしも決定打とはならず、今回の5店舗の事例を見てもバナナの価格が低いからといってPI値が高いわけではないことがわかります。その要因は地域により、バナナの相場が違うためです。店舗のある地域のバナナの価格を見ないと、バナナの適正PI値は決まらないといえます。したがって、店舗のPI値はまずは商圏のバナナの価格を調査してから価格を決定し、PI値の比較をすることがポイントとなります。その意味では地域の値ごろを知ることができるといえます。また、これ以外にもバナナをどこで販売するか、店頭か平台か多段ケースかエンドかなど、販売場所によっても違いがあります。ポイントはPI値の変化を外部要因と内部要因に分け、変化の原因をつきつめ、店舗間比較をしてゆくことがポイントです。
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PI値は比較のための指標ですが、その前提条件をしっかり検討し、実践活用することが要諦です。

(動画の字幕)
ブログ、食品スーパーマーケット最新情報です。IDプラスアイの鈴木です。今回は基礎用語解説シリーズで、PI値って何?その4、4回目となります。4回目のテーマは、店舗比較となります。PI値を店舗で比較するにはどうしたらいいかという所に焦点を当てたいと思います。PI値はPOS分析、ID-POS分析の基本指標の1つです。Purchase Indexの PとIを取って、PI値と呼んでいます。
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では早速ですが、こちら側が店舗間比較になります。バナナのPI値、過去2週間の、バナナのPI値を算出しています。京都店、広島店、札幌店、鹿児島店、東京店の5店舗での事例です。京都店の客数は10,407人です。広島店は9,246人。札幌店は11,392人。鹿児島店は7,417人。それから東京店は7,718人となります。ですから1番、店舗の客数が多い、まあ、規模の大きいとみて良いと思うのですが、札幌店が1番大きいということになります。一方、1番規模の小さい、客数の少ない店が、鹿児島店となります。この2つに少し、焦点絞ってみたいと思います。この時バナナのPI値は、京都店が75個、広島店が99個、札幌店が107個、鹿児島店が425個。それから、東京店が164個となります。従って、PI値を算出すると、数量/客数ですので、0.007、0.011、0.009、0.057、0.021と、各店舗のPI値になります。
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さて、ここで注目は、この2店舗ですが、札幌店、107個割る、11,392人ですね。PI値は0.009です。一方、鹿児島店も425個バナナが売れてますので、7,417の客数で割ると、0.057となります。これを100倍すると、0.9%、5.7%という数値です。ちなみに1000倍すると、9.4個、57.35個になります。ここは注目点ですけれども、このようにPI値は客数が多いから同じバナナを販売してもですね、高くなることが無いというのが、店舗間の特徴となります。鹿児島店は、客数は少ないんですが、PI値が非常に高くなると。勿論この時、価格の問題もありますので、120円で115円ですから、若干、鹿児島店の方が価格が価格が低いのですね、PI値は高いということもいえますが、この差でこれだけ上がるというのは、
他の要因がありそうだという所がつかめます。
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こういう形で店舗間比較をするとですね、価格だけではない要素も含めて、PI値の違いを見なければいけないし、むしろ、客数が少ない店の方が、ここもそうですが、PI値が高いということは、良くあるケースです。これが店舗の比較をPI値で比較する時の、注意点ということになります。
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まとめますと、PI値は、数量/客数で算出できます。で、先程の物をグラフ化したものが、こちらになるんですが、まず、1番目のポイントは、客数は、無関係だということです。店舗が多い、客数が多い店舗のPI値が低い。逆に客数が少ない店舗の PI値が高いと。実際、これが先程のグラフ化した物ですが、ブルールが客数になります。客数が1番多い店、ここになりますね。それから、客数が一番少ない店、鹿児島店で、ここになりますが、ここが札幌店ですね。PI値は黒ですので、PI値は低い、高いですから、逆の現象が起こっています。
こちらも客数はさほど多くはないんですが、 PI値は他の3店舗と比べて高い数字です。で、この3店舗は、いずれも客数が規模の大きい店ですが、バナナのPI値は低いということが分かります。客数は、店舗間で比較する場合には、ほとんど無関係だといって良いかと思います。
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それから2番目。店舗間比較では、価格がPI値と無関係、ということで、ここを見てほしいのですが、これは価格になります。で、価格が低い店、こちらですね、店とですね、広島店ですかね。それから、こちらの札幌店なんですけども、こちらの店舗は、バナナの価格が低いにも関わらず、PI値が、こういう形でこちらは低いですが、ここは高い、という結果が出ています。従って、店舗の中でやる場合は、価格がかなり大きな影響を与えるんですが、
店舗間比較の場合は、価格は必ずしもPI 値を上げる要因になっていない、という所がここからも確かめられます。まあ、この店はもう価格が高いと、客数も高い店なんですけど、PI値が低い、ということは納得できるかと思うんですが、この店に関しては、そういう結果が出るかと思います。いつ、何回、価格を下げるかとかですね、これによってPI値が変わってきますので、これ2週間の数字ですが、2週間に例えば、100円の特売を何回やったかと、を含めて、差によって数字が変ったりします。店舗により価格政策を検討することが必要です。ただ店舗内では、第3回で取り上げたテーマでしたけども、時間軸ですね。この時、価格は、最重要課題でした。ですから、店舗の中で見るのであれば、価格は重要ですが、店舗間比較の時には、必ずしも価格で決まらないと思います。
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3番目ですが、店舗比較では、価格以外がPI値に影響するということで、じゃあ何が影響しているのか。これは地域によって、バナナの価格が違う場合がある。競合店がどういうバナナの価格を出しているか。あるいは、地域全体の相場がどうなのか。この場合は、鹿児島と札幌を取り上げましたので、バナナが売れる、そもそも南国ですから、地域、鹿児島でも売れるんじゃないかということもありました。札幌は北国ですので、そういう意味でバナナは、まだあまり南の国に比べては、弱いんじゃないかということもありますので、そういう地域差の問題もあります。ですから、そういう意味で周辺を、調査してですね。で、価格を、修正する必要があるかもしれないという所がポイントです。あるいは販売場所、こちらの方大きいかもしれないです。バナナを店の何処に置いているか、これよってPI値、かなり違いますので、そういう点も考慮する必要があると。あと、それ以外の要因もあるかもしれません。ということで、店舗間でPI値を比較する時は要注意ということで、客数は無関係ですし、必ずしも価格でPI値が上がる訳でもないということも、事、実際の事例で出てきていますので、その辺が注意ポイントになります。
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以上です。

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