見出し画像

#009「RAS~最高の自動操縦モード~」いち早く自己実現へ到達しよう

皆さんこんにちは。井戸です。
まずはこちらの動画で「白いユニフォームのチームがボールを何回パスするか」を数えてほしい。



ちゃんと騙されていただけただろうか?
白チームを追うのに必死で、真ん中を横切るゴリラに初見では気づかない人もいらしたことだろう。
これは「脳のフィルター」が関係している。

1.脳に入る情報とRAS

僕はネガティブ過ぎる性格をどうにかするため、脳科学の勉強に没頭していた時期がある。脳をどうにかバグらせてポジティブ思考になろうとしたのだ。(結果は失敗に終わったが)
人間には視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚の「五感」がある。嗅覚以外の感覚器から入る情報は、一度「間脳」に入り、そこを経て大脳に運ばれる。間脳にある「情報のフィルター装置」のことを「RAS(ラス)」と呼ぶ。
そもそも僕らの体には、五感を通して毎秒400,000,000ビットもの情報が入り込んでいる。毎秒だから、とにかくとんでもない量だ。だが、そのうちRASのフィルターを通して大脳に送られるのはたったの2,000ビットしかない。なんとわずか0.0005%だ。つまり毎秒399,998,000ビットもの大量の情報がRASによって仕分けされ、ゴミ箱へ捨てられているということになる。

Rasは毎秒99.9995%もの情報を「捨てている」

RASが脳に送るのは「その人にとって必要な情報だけ」である。先ほどのバスケットの映像に戻ろう。初見で映像を横切るゴリラの存在に気づけなかったのは、「白いユニフォームのパス回しを数える」ことを必要と認識していたからこそ、「黒いものは今は必要ない」とRASに仕分けされ、脳に送る情報から遮断されていたからである。脳は必要な情報だけ認識する。必要でない、あるいは意識すらできていない情報は、認識できないということだ。

2.現代社会とRAS

なぜこんな機能が備わっているのか?それは”人間界の情報量の多さ”にほかならない。

  • 現代の一日の情報量というのは江戸時代の1年分

  • ニューヨークタイムズによると、1週間の情報量は18世紀を生きた個人が一生をかけて得る情報量よりも多い

  • 今年生まれる新しい情報の情報量は、過去5000年間に人類すべてが生み出したすべての情報量よりも多い

  • 現在人類が生み出している情報は毎年2倍に増えている。

これくらい、情報の量は指数関数的に増えている。
ではこの情報社会の中で、脳にRASというフィルターがなかったらどうなるだろう?日々莫大な情報が直接流れ込み、たくさんの選択肢が降り注ぐ。
「あれもしたい!これもしたい!全部したい!」
「あそこに行きたい!ここにも行きたい!全部行きたい!」
「あれも食べたい!これも食べたい!全部食べたい!」
毎秒4億ビットもの情報量を処理しきれず脳がパンクし、理性が壊れて正常な判断ができなくなるだろう。危険を顧みない行動や、健康を度外視した食事など、命の危険に瀕する行動をとるようになるかもしれない。

もしもRASのフィルターがなかったら…

脳はそれをさせない。極論、脳の役割は「宿主である人間を死なせないこと」だ。変に刺激がある情報を入れてしまって、軽々しく普段やらない行動をしてしまったら死ぬリスクが増える。そうさせないため情報をRASにより遮断し、安全なコンフォートゾーンに少しでも長く留まらせようとする働きがある。さらにRASは気を使って「宿主がアンテナを立てている、興味があったり必要そうな情報」に限って脳に届けてくれる。逆に言うと、自分軸のアンテナが立っていない場合は、”とりあえずの2000ビット分"の「どうでもいい情報」ばかりで毎秒埋め尽くされることになる。自己理解の必要性はここにあると感じる。

3.自己理解とRAS

自己理解とは「自分はこれだ!」というセンターピンを見つけることであるとともに、「自分にはこれは必要ない」という捨てていいものを見つけることでもある。個性は人それぞれで、得意なことも人によって違う。自己理解しないと「あの人は〇〇ができるのに、自分はできない…」というCan'tばかりが目につき、自己嫌悪に陥り、疲弊する。自己理解するとは、「あの人は〇〇が得意だ。自分は△△が得意なので、〇〇はやらない」というDon'tを決めることでもある。

Can'tからDon'tへ

自分にとって必要な情報と、そうじゃないものがハッキリしてくる。情報収集のアンテナ感度がMAXに高まる。この自己理解状態でさらにRASのフィルター機能が発動すると、鬼に金棒状態だ。ただでさえ精度の高まったアンテナに、フィルターによってさらに選別された意味がある高濃度の情報が毎秒勝手に流れ込む。必要な情報だけを浴び続けると「なんだか自分にもデキる気がしてきた…!」「諦めかけていたけど、こんな方法で実現している事例が知れて勇気が出た…!」など、大きなチャレンジをする上で強く背中を押してくれる原動力になる。結果、自動操縦モードで自己実現でき、目的地にいち早く到達できる。

自己理解+RASで情報の密度と精度が高まり、最強人間の近道に!

人生は選択の連続だ。専攻、就職先、結婚、子ども、転職、マイホーム、生命保険…。そんな中、自分のセンターピンが立ってなかったら、常に迷い続ける。アンテナの感度が低ければ、どうでもいい情報ばかり集めてしまう。いつまでたっても動き出せず、自己実現も遠のく。そうならないよう、自己理解を早い段階で終わらせ、RASの感度・精度を高め、自動操縦モードで自己実現を続けて幸せになっていこう。
それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?