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#011「マンボウ最弱説」応援される余白が愛される秘訣

皆さんこんにちは。井戸です。
いきなりだが「マンボウの死因」が草しか生えなかったのでまとめてみた。夏休みの宿題で自由研究のネタにお困りの学生がいたら、ぜひ参考にしてほしい。

めっちゃすぐ死ぬやん

1.マンボウ最弱説

マンボウがこんなにもデリケートで繊細な動物ということをご存知だっただろうか。

  • 泡が目に入ったストレスで死亡→デリケートにもほどがあるやろ!

  • ウミガメとの衝突を予感したストレスで死亡→考え過ぎやって!

  • 仲間が死んだショックで死亡→どんだけ慈悲深いねん!

  • 仲間が死んだショックで死んだ仲間が死んだショックで死亡→繊細のマトリョーシカってか!

  • 水中に潜って凍死→魚類やめちまえ!

  • 日光に当たってたら鳥に突かれて死亡→無念すぎるやろ!


・・・不憫!


またシャチやイルカは、昼寝中のマンボウに体当たりして、泳ぎ去っていくのがよく目撃されているそうだ。不憫な上にイジメられてるなんて、マンボウ前世で何したらこんな業背負わされるんや…。

昼寝中にシャチやイルカに体当たりされるマンボウ

マンボウのメスは一度に3億個の卵を産むと言われており、これは脊椎動物の中で最多だそうだ。3億個もの卵を生むもんだから、種の存続という観点で慢心してしまいここまで弱くなってしまったのか、元々弱すぎたので生き残り対策として後天的に進化し、3億個もの卵を産むようになったのかは定かではないが、この異常な出産数と弱さとの間には、なんらかの因果関係がありそうだ。

ただ、不思議とマンボウのことが気になっている自分がいる。弱いからといって嫌いになれない自分がいる。そこには「弱者への共感(シンパシー)」があるーーー

2.共感(シンパシー)とおぱんちゅうさぎ

「sympathy」とは、他者の感情や状況に対して共感や同情を示す概念である。日本語では「同情」と訳されることが多い。

Weblio辞書

『マンボウが遭遇した状況やその時に感じたであろう感情に共感し、同情を示す』。これが「マンボウ最弱説」を知った僕の身に起こった一連の流れだ。なぜ”同情”に至ったか想像するに、「多かれ少なかれ、マンボウっぽい悩みやストレスって過去に経験したことあるな」ということだと思う。

  • 泡が目に入ったストレスで死亡→花粉症きつい時期、目捨てたくなる瞬間あるもんな!

  • ウミガメとの衝突を予感したストレスで死亡→街でそこまで仲良くない知り合いとすれ違うとき、消えたくなるよな!

  • 仲間が死んだショックで死亡→仲良かった友達とクラス替えで離れ離れになったらツラいよな!

  • 仲間が死んだショックで死んだ仲間が死んだショックで死亡→上司に怒られてる同期見てると、こっちまで怒られてる気になるんよな!

  • 水中に潜って凍死→調子乗って飲み過ぎたらだいたい携帯失くすんよ!

  • 日光に当たってたら鳥に突かれて死亡→探しものしてるとき、机の角に足の小指ぶつけて悶絶するよな!

多かれ少なかれ経験ないだろうか。どんな理由であれ、過去にストレスを感じて弱った経験があること。自分が弱っている状態だからこそ、誰かの弱さを知って、それを分かち合うことができる。「不憫さ」はシンパシーに繋がる。一方、不憫さを微塵も感じない強者に対する感情はどうだろうか。同情なんて感情は微塵もなく、そこにあるのは憧れと、ちょっとした嫉妬心ではないだろうか。

「おぱんちゅうさぎ」ご存知だろうか。

おぱんちゅうさぎは、「なかなか恵まれない。今にも泣きそうだが、ひたむきに健気に生きていく。」がコンセプトで、泣き出しそうなうるうるの瞳に、分厚いくちびる、白いパンツが特徴的なキャラクター。クリエーター・可哀想に!さんがSNSに投稿した、日常のあるあるを切り取ったイラストが人気を集めていて、おぱんちゅうさぎのTwitterのフォロワーは56万以上を誇ります。

Yahooニュース 2023/3/11(土)記事

たしかにこれが、めちゃくちゃ不憫なのだ。一部をピックアップしただけだが、日常にあるいや~な瞬間、悲しい瞬間を切り取り、絶妙なタッチの2コマ漫画で表現されている。

どの作品も「影」の使い方が秀逸だ

通常キャラクターは可愛い姿が大半で、たまにドジをやったり失敗する。おぱんちゅうさぎの革新的なところは、すべてが不憫で失敗続きなのだ。思わず同情してしまう。この「思わず応援したくなる余白」こそが、マンボウとも共通するシンパシーを呼び、人気者になる秘訣なのではないだろうか。(マンボウが人気という話は耳にしたことがないが…)

3.就活にも「応援できる余白」を

いきなり就活の話に飛ぶが、マンボウやおぱんちゅううさぎとの共通点があるので就活生は聞いてほしい。商社の人事を9年間やっていて「面接で落ちる学生」は大きく2分されることに気づいた。

  1. 基礎スペックの低い子や、相対評価で見劣りする学生

  2. 就活生として仕上がり過ぎており、隙がない完璧な学生

1.は理解できるだろう。#007のブログで書いた絶対評価→相対評価を想像してほしい。

2.は意外かもしれないが、真理だ。前述のように、強者に抱くのは憧れと、ちょっとの嫉妬。そこには素直さや可愛げという「応援する余白」がないのも、仕上がりすぎて1mmの隙もない完璧就活マシーンの性だ。「この就活生を応援したい」「成長することを楽しみにしたい」という人事の思惑は成就されない。それどころか「入社後扱いづらそう」「自分より優秀そう」という人事のエゴにも到達してしまうから厄介だ。もちろんそんな人事ばかりではないが、名誉欲という人間の根源欲求を鑑みれば、「仕上がり過ぎており、隙がない完璧な学生」が就活で被る被害は想像の範疇だろう。

そんなときはマンボウ化だ。抜けているところ、応援したいところ、弱点やコンプレックスの開示などを面接で吐露することで、余白が生まれる。完璧な状態から一部欠落が生まれることで、愛されるポテンシャルが芽生える。

人事が応援する余白を戦略的に作ろう

人気漫画の人気キャラにも必ず、愛される余白がある。ワンピースのルフィ:泳げない、ゾロ:方向音痴、ナミ:お金に目がくらむ、ウソップ:ネガティブ、サンジ:女に弱い、などである。隙があるから感情や状況に共感が生まれ、同情につながる。結果、愛されて選ばれる。
「なんでこんなに完璧な受け答えしてるのに、面接の結果が出ないんだ!」と嘆いている努力家で素晴らしいパーフェクト就活生さん、一度マンボウの生態をヒントに愛される余白を騙されたと思って作ってみてほしい。きっと結果に繋がるはずだ。
それではまた!

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