退職して博士をとるまでにかかったお金の話

背景

専攻は農学,2015年に修士卒でメーカー就職(技術系).2017年6月に退職の意向を決め2018年3月に満3年で退職,2018年4月より課程博士へ進学後2021年3月に取得.在職時,退職しての博士進学を考えるに際し似た境遇の方をネットで探しよく記事を読んでいた.今も同様のことを考え,情報を探している人がいると思う.特に,どれだけのお金がかかるのかは僕が一番気がかりだったので,同様の人の一助となればと思い,退職して博士をとるまでにかかったお金の話を書きます.誰かの参考になれば幸いです.金額が微妙に間違っていたら申し訳ないのですが,大きな乖離はないはずです.

自身の条件

2018年4月入学時点で27歳.独身.単身世帯(扶養関係無し).博士課程は平均的な学費の国立大学で,修士時代と同じ研究室へ入学.両親ふくめ親族からの資金援助等はなし,在学中はこちらからの仕送り等もなし.3年間在籍していた会社での年収は額面350万~400万円.

支出...約485万円/3年

収入...約377万円/3年

支出485万円-収入377万円で,差額の108万円(実際には+50万円ほど)を貯金から切り崩して生活していた.以下にそれぞれの詳細を書いていきます.


支出について

> 学費について 約106万円/3年

2018年度...入学料27万円,学費:前後期合計53万円.

修士から博士へギャップなく進学する場合は入学料が不要となるが,一度大学から離れている場合は入学料がかかる.2018年度は怠慢で学費免除申請をしなかった.申請には確定申告の写し等が必要であり,自身の前年度の収入が見られる.僕の条件で免除対象となったかは不明.

2019年度...学費:前期26万円,後期免除

2019年度前期は免除申請せず.2018年度の確定申告を前期分の申請時点で終えておらず,免除申請の必要書類をそろえられなかった.後期は申請し,通った.

2020年度...学費全額免除

> 生活費について 約314万円/3年

家賃...管理費込み35,000円/月 年額42万円

食費...外食,飲み会等含め平均45,000円/月 年額54万円

電気,水道,ガス...平均7,200円/月(2,400/1,300/3,500) 年額86,4000円

会社員時代に乗っていた中古車は,維持費をねん出できなさそうだったため処分した.

> 健康保険料:協会けんぽの任意継続と国民健康保険料について 約35万円/3年

会社で協会健保に加入していた場合,退職後2年間は,申請することで任意継続制度を利用することができる.協会けんぽの任意継続をしない場合は,おそらく各自治体の国民健康保険に加入することとなる.協会けんぽに加入していた場合,任意継続時の保険料の年額は,会社員時代の倍額となる(会社が保険料の半分を負担しているため.詳しくは知らないので間違っていたらすみません.).国民健康保険料は,自治体により微妙に倍率が異なるが,前年度の収入により決まる.

僕の場合,2018年度の保険料に関しては任意継続(年額約30万)の方が国民健康保険よりも圧倒的に低額であったため,任意継続を選択した.株取引等,会社からの収入以外に収入があった場合この傾向は特に顕著になるはずなので,両方の金額を確認することを勧めたい.任意継続を申請できる期間は退職日から20日以内(2021年8月19日調べ)のようなので,忘れず早めに申請する必要がある.

2019年度は保険料を納めそびれたため任意継続資格を喪失し,国民健康保険に加入した.年額は確か2万円程度だった.2020年度も同様であった.

> 住民税について 約30万円/3年

2018年度は,控除を考慮して前年度の収入の8%額くらいだったはずなので,30万円前後払う必要があった.これは個々人の事情でさまざまに変わると思う.

2019年度,2020年度は微々たる額か非課税だった.


支出合計...485万円/3年

学費,生活費(家賃,食費,水道光熱費),健康保険,住民税の3年間合計.これ以外にも帰省のための旅費,学会参加費,ロードバイクを買ったり等で50万円ほど追加でかかっていると思う.


収入について

> アルバイト 約105万円/3年

2018年度は49万円,2019年度は31万円,2020年度は25万円ほど.

> TA,RA 約80万円/3年

3年間合計で80万円ほど.

> 奨学金 192万円/3年

日本学生支援機構,第一種,8万円/月.2019年度と2020年度の2年間,貸与を受けていた.卒業時に免除申請をし,2021年度7月に全額免除の通知をいただいた.

収入合計...約377万円/3年

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