【ヒュージ・リーダーズ】20220801禁止改訂について(ならびに禁止についての持論)
はじめに
ヒュージ・リーダーズ委員会から定期の禁止改訂が発表された。
《具現の技》
《明日の標》
《呪文詐欺》
というヒュージリーダーズの環境を作り上げてきた3枚の禁止が発行された。
今回はこの改訂への雑感と、禁止カードについての持論を述べていきたい。
改訂への雑感
妥当な禁止である。
4月の委員会の告知を読んでいれば、「3枚の禁止カードが出る」と告知された時点で予測できる内容だ。
禁止カードが徒に増えることは好ましくないがやむを得ない範疇と言えるだろう。
以下、各カードについて告知文の補完を書く。
《具現の技》
このカードの問題は「簡単に3ターンキルを発生させられるカードである」ことに尽きる。
同じく禁止カードであるスライサー対策の記事でも書いたが、私は「他のプレイヤーが《溺墓の寺院》を墓地から出すより早く勝てるデッキは存在しないほうがよい」と考えている。
そして、《具現の技》はあまりに簡単にその状況を発生させる。
トリミケのような即座に勝つものであれば話が早いのだが、切削した10枚の中に《真紅の花嫁、オリヴィア》と《残虐の達人》がいた場合や滅殺持ちが釣れた場合など、ひとりだけゲームエンドが発生することもある。
最初期からお世話になってきたが、禁止になるのも妥当と言わざるを得ないだろう。
《明日の標》
ヒュージにおける追加ターンの有用性は黎明期から指摘されてきた。
ライフが少なくコンバットの重要性が高いヒュージにおいて、追加ターンは0マナの《探検》であると同時に相手ライフを安全に詰める手段にもなる。
青にはスペルを踏み倒す手段がそれなりに存在することもあり、追加ターンは常にローリスクハイリターンな呪文として機能する。
《明日の標》は(特に高レベルでは)無限ターンのパーツであることもあるが、そもそもとしてヒュージの追加ターンとして8マナは安すぎるというのが実情だろう。
《時間への侵入》《時間の伸長》《エルドラージ覚醒》など《金粉の水蓮》から届かない10マナ以上が適正なラインなのではないだろうか。
《呪文詐欺》
宝物なのがよくない。
ヒュージの2アクションの価値は非常に高く、さらにそのタイミングを任意に選べるのはやり過ぎの領域に入る。
禁止についての持論(あるいは禁止したいがすべきでないカード)
今回の禁止については納得いくものと考えているが、委員会からは禁止カードについて意見が欲しいという話を聞いている。
私はおおよそ現状の禁止リストに満足しているが、せっかくなので禁止したいがすべきでないと考えるカードについても書いておく。
これは極めて単純で、全体ランデスを含むリセット呪文全般だ。
ヒュージ・リーダーズは5マナ以上のカードしか使えない以上、全体ランデスの影響が極めて大きい。
もちろん《荒地》4枚が統率領域にあるため復帰は可能なのだが、問題となるのは色マナの供給である。
単色デッキであってもダブルシンボルを要求することは多く、ツモ次第では5マナあるが満足にカードをプレイできない状況は発生する。
この状況は悪いプレイ体験を引き起こすものであり、特に初体験のヒュージでこのような事態に陥ることは最大限避けたいと考えている。
しかし問題なのは、強力で楽しい統率者の中にこれらの全体リセット呪文を自然に組み込めるものが存在することである。
強力すぎた例ではあるが、「普通に使っても強く全体ランデスパターンもある統率者」として《原初の征服者、エターリ》は記事にもした。
他のパターンとしては《デジェルとハゾレト》などが挙げられる。
この統率者については素晴らしい記事があるのでまずはそちらをご覧いただきたい。
記事中に紹介されている1枚コンボは芸術的なので必見だ。
一方、私が思いついた形はこう。
全体リセット後に《デジェルとハゾレト》でめくった伝説のクリーチャーを踏み倒して勝つのがコンセプトだ。
私はこれを使うつもりはないが、他人が使うのを止められはしない。
そして、確信が持てないなら《デジェルとハゾレト》と同卓しても「そのデッキはランデスしますか?」とは聞かないだろう。
その行為は卓のヘイトを大きく傾けうるし、図星ならプレイヤーの切り札をネタバレするのもあまりお行儀がいいとは思わないからだ。
恐らく私は手札に色マナが出る土地を温存するプレイングを取るが、ランデスが存在することを知らないプレイヤーが土地を置き、悪いプレイ体験が生じるとしても見過ごすことになる。
ということで、プレイヤーの理解度によって悪いゲーム体験を生む可能性が高いと考えており本音を言えば、ランデスを含むリセット呪文は規制してもよいと思う。
しかし、これについては鉄の心で禁止にすべきではないとも思う。
なぜなら、使用するプレイヤーが「全体ランデス入ってますけどいいですか?」と聞けばある程度解決できる話だからだ。
本家EDHでは、コミュニティで禁止にすべきと言われるようなカードについて、ルール委員会から「開始前の話し合いで解決してください」という趣旨の声明が出されることもある。
全体ランデスについても、開始前に一言断りを入れれば最低限の対応は取れるし、カジュアルフォーマットであるならばそれが一番正しい解決なのではなかろうか。
おわりに
ということで、禁止改訂にかこつけて持論をつらつらと述べる機会ともした。
私としては委員会には全体ランデスがどう受け止められているかを聞いてほしいとは思うが、現時点ではコミュニケーションで解決すべきと考えている。
ヒュージ・リーダーズの環境はよく管理されていると思うので、委員会の皆様には今後も頑張っていただきたい。
それではまた、ヒュージな世界で。
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