言語習得の難しさ

こんにちは。イデオロギーコオロギーです。
今日は題名の通り多言語を習得することの難しさについて書こうと思います。
最後までどうぞお付き合いよろしくお願いします。

私事ですが春から大学に入学し、第二外国語の授業はドイツ語を選択しました。ドイツ語というのは古くはインド・ヨーロッパ祖語に由来し英語と近縁関係にあるとされていますがそれでもやはり知らない言葉を習得するというのは難しいものだと感じています。
勉強が好きな私だからこそ言語習得に他では得られない楽しさを感じるのかもしれませんがそれが実用的であろうとなかろうとやはり知識が身につくというのは幸せなことだと感じます。
とは言えそもそも知識に実用性を求めること自体が浅はかなことだとは思いますが。

今日のテーマの中心的な部分である”知ること”に対してかのアリストテレスは
「全ての人間は、生まれつき、知ることを欲する。」
という言葉を残しています。
全ての人間という文言が正確であるか否かはさておき、この言葉は多くの人に当てはまるのではないでしょうか。
言語を習得し自分自身の持つもの、思想や感情などを新たな言語という道具で広めること。新たな道具を得るということには圧倒的な魅力があると思います。

多くの人はこのある種の達成感というものを意識していないかもしれませんが、それでも言語を習得するために勉強をするでしょう。
この達成感を得るまでには計り知れないほどの苦闘の過程があるはずです。

今回は言語習得の中でも特にこの悪戦苦闘についてある人の論文を参照しながら(著者名すら思い出せないので概要を自分なりの言葉で説明して)文章を書いていこうと思います。

ここで参考にするのは私自身が今年の某大学の英語の入試問題で読んだ論文です。
その論文内ではデュオリンゴというアプリが痛烈に批判されていました。
皆さんはデュオリンゴというアプリをご存知でしょうか。
デュオリンゴとは言語学習アプリで、ゲーム形式で言語の学習をサポートしてくれるアプリとなっています。
例の論文の著者が批判していたのはこのゲーム形式、殊にステージ形式で学習が進められていくという点です。
著者によれば言語習得とは、決してステージをクリアしていくにつれて語彙や知識が増え流暢に多言語を話せるようになるというものではない、との主張がされています。
また、英語のネイティブスピーカーである著者が日本語のや問、悶という漢字を習得するにあたって直面した具体的な困難を参考に、論文の後半では言語習得とは門という概念に酷似しているのだ、と記してありました。

では、言語学習が門のようなものだとはどのような事でしょうか。
それはすなわち、我々は、言語学習において基礎的な内容を身につけて他言語という屋敷の門をくぐればすぐに本丸に辿り着けるということではなく、実は門をそもそもくぐれていなかったり、気付かぬうちに他の門から出てしまっていたり、少し居眠りしているうちに門の外へつまみ出されていたりする、ということです。

以上はかなり抽象的な内容なので私なりの解釈を述べさせてもらいます。
本丸に辿り着くというのはそれを完璧に自分の道具として習得すること。
そもそも門をくぐれていないというのは基礎知識が覚えきれていないということ。
気付かぬうちに他の門から出てしまうというのは誤った勉強方法を実践しているということ。
居眠りしているうちに門の外へつまみ出されるというのは言語の勉強を怠って基礎知識すら忘れてしまうということではないでしょうか。

ここで少しデュオリンゴの話に戻りますがこのアプリの欠点は筆者の主張通りそれがゲーム的な構成であり、ユーザーに対してクリアの判定が出ればユーザーは自分がその能力や知識を確固たるものとして得たと勘違いさせてしまうことではないでしょうか。
このアプリの開発者がどのような意図を持っているかは分かりませんが、アプリの形式通りに言語習得が可能であるならば世界は多言語話者で溢れかえっているのではないでしょうか。

私はこの論文の筆者の主張を強く支持します。
根性論を持ち出すつもりは毛頭ありませんが、件の達成感はゲームの強敵との悪戦苦闘ではなく、自分が門の中のどこにいて、どの道を通れば本丸に辿り着けるのかを手探りで見つけていくという自分との戦いの結果として得られるものなのではないでしょうか。

やはり言語習得とは地味で無味乾燥なものだとつくづく思います。
ですがその先には自分を思い通りに表現できる環境やまだ見ぬ友人、もしかしたら未来の伴侶すらいるのかも知れません。
通勤電車で揺られるサラリーマンも学生もそんな一縷の望みにかけて単語帳を開いているのかもしれません。
皆さんもここでしか得られない幸福を目指して新しく多言語を習得しようと悪戦苦闘してみませんか。

最初から最後までまとまりのない駄文でしたが最後までお付き合い頂きありがとうございました。
イデオロギーコオロギー

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