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小説~Center of the X~

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小説⑦~Center of the X~

2160年 7月22日 21:00 広一中学校合宿セミナー
「お前まだ、走るの?終」
「はあ?もうばてたのか?だらしねえな」
終は、中学の頃、バレーの名門「広一中学校」に入学していた。中学バレーボール最後の公式戦。この試合だけは絶対に勝ち、中学校最後のバレーボールに花を飾って名門に行きたく、意気込んでいた。
「なあ、終、お前もしもバレーが人生から無くなったらどうする?」
 走りながら話す、終の友人

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小説⑥~Center of the X~

2161年 8月2日 12:30 場所 教室の後ろ側

 黒い壁の前、終と花恋はこの壁を壊す方法を話し合っている。周りには誰もいない。
「ねえ取り合えず、いすぶつけてみる」
「なんでそういう考えになるんだよ。どう考えたって、そんなんじゃ壊れねえ堅い素材だろ」
「でも、理科室も技術室も美術室も、何か工具がある教室はあの壁の向こう側に吸収されたんだよ!今あるモノで何かできることはこれしかない。」

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